神宮 みかん

こんにちは。小説家の神宮みかんです。 中編、短編小説を中心に発表しています。 応援して…

神宮 みかん

こんにちは。小説家の神宮みかんです。 中編、短編小説を中心に発表しています。 応援して頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。 https://man.pubfull.com/

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  • 本(読了)

    私が読了した本です。

  • エッセイ

    私、神宮みかんの視点から日常を書いています。 読んでみて下さい。 尚、表紙のデザイン等は現在作成中です。

  • 詩です。 智恵子抄が大好きです。

  • 小説

    私(神宮みかん)の小説を掲載しています。 画像は作成中です。

記事一覧

『浜村渚の計算ノート 10さつめ

青柳蒼人『浜村渚の計算ノート 10さつめ』を読んで 神宮 みかん  数学。解は一つ。それを解き明かす数式は何より…

1

君の膵臓をたべたいを読んで

私はまだ話したことのないあなたのご主人を知りたいと思い本書を読んだ。 桜が散る背景の中で読書をする男の子、川を見つめる女の子が描かれる単行本のカバー。私はお二…

3

苗場山

君が読むメール 僕が読むメール 手紙とは異なるその差 文字にすると重い 言葉にすると軽い 何を持って伝わる 滲み出る字よ 芽を見たい そこに萌芽する芽を ビールの味…

3

私って何?

冷涼をもたらす風鈴の音色。電力不足の中で少しでも栄養と快適さを求める人々。暑い夏がやってきた。 夏は塩分が不足する。だからであろう。行き交う人々は陳列棚に並ぶ私…

神宮 みかん
2週間前
5

 ソメイヨシノ

              神宮 みかん ソメイヨシノが花をつけた。一週間前にホームセンターで買ったソメイヨシノ。白い小さな花をつけ春の訪れを告げている。 僕は…

神宮 みかん
2週間前
1

アイデア

 MBA(経営の資格の一種)の立場から具体例(低学年向け)物語を例に多角的な視点から物事を身につける為の本の推敲中の文章を読了した。  ネタバレをするので内容に…

神宮 みかん
4週間前
1

欲しい言葉

「応援している」というあなたの激励の言葉 二人囲む爆ぜるもんじゃ焼きは言う 嘘 嬉しいけど辛い、と 応援されればされるほど辛い、と 私は思いを決して口にしてはい…

神宮 みかん
1か月前
2

私の履歴書

 年齢を重ねるにつれて友人の名前を新聞に見つける機会が増えた。  日本経済新聞『私の履歴書』という経済人の自伝が本人によって寄稿される欄がある。そこに書かれた元…

神宮 みかん
1か月前
2

『汝、星のごとく』凪良 ゆう

 二回目を読了した。もう一度読み、三回読了し精読とみなすつもりである。  今回は女性について考えながら読んだ。ダメな女性(母)に育てられながら、独立した女性を目…

神宮 みかん
1か月前
6

一杯 500円

ビルの一画にある『ねおん』というお店 ラーメン500円のメニュー 安くない? と飛び込む僕ら 受信した一杯500円のラーメン画像 あの時の君、空気 消えてしまい…

神宮 みかん
1か月前
3

あまのじゃく

桜坂を読むときあいつの才能を感じる 卒業アルバムを読むときあいつの才能を感じる 光、輝き、瞬く あいつ、あの子の文章 求めれば消え 消えれば現れる壁 あーあいつって…

神宮 みかん
1か月前
2

『東京で群馬を探す旅』を書く友人へ

 驚き魅了される場所がある。 例えば、地方に住む人間が東京に出かけると「こんな場所があるんだ」、と驚かされる地元と縁がある場所だ。そのような場所は地元に誇りを…

神宮 みかん
1か月前
1

同窓会誌

親は「子どもの為なら何でもできる」という言葉を聞く機会があった。だが、自分に利益をもたらす子どもの為なら何でもできるという個人主義が見え隠れする。 ある小学校の…

神宮 みかん
1か月前
3

植物図鑑を読んで

 有川浩『植物図鑑』。この題名に名もない雑草の僕は食われた。もしかしたら、この作品との出合いは雑草という草はないように名前がある人物に僕をしてくれるかな、なんて…

神宮 みかん
2か月前
5

友よ

 友人の喉元がゆっくり呼吸した。  空間の雰囲気は五年前のあの時と同じだった。でも、流れている空気は全く違った。  あの頃は特殊詐欺の事件を調べる機会が多かった…

神宮 みかん
2か月前
8

泣き言

悔しいなから なんか悔しいなに変わってしまった またかに変わってしまった きっとこうやって諦めていくのだろうか 津波から13年 良くやった もう終わりにしよう …

神宮 みかん
2か月前
1

『浜村渚の計算ノート 10さつめ

青柳蒼人『浜村渚の計算ノート 10さつめ』を読んで 神宮 みかん  数学。解は一つ。それを解き明かす数式は何よりも美しい。  だが、この学問を日常において使う機会は皆無に等しい。実際、現在仕事で数学を使うことがない。  さて、本書に出合った時、表紙から子ども染みた本と思い、読む意義を見出だせなかったが、大事な人に勧められた本と読み始めた。 読み進めると表紙が示すような単純な数式で

君の膵臓をたべたいを読んで

私はまだ話したことのないあなたのご主人を知りたいと思い本書を読んだ。 桜が散る背景の中で読書をする男の子、川を見つめる女の子が描かれる単行本のカバー。私はお二人の青春の思い出なのかなと思いページを開いた。 まず、『君の膵臓をたべたい』という題名を見た時どうして『たべたい』が『食べたい』と書かれていないのだろうと首を傾げた。  読後、その理由がわかった。そう。食べたいという「食」という漢字がこの話が描こうとしている青春に相応しくないからである。言い換えれば、そのたべたい

苗場山

君が読むメール 僕が読むメール 手紙とは異なるその差 文字にすると重い 言葉にすると軽い 何を持って伝わる 滲み出る字よ 芽を見たい そこに萌芽する芽を ビールの味 不可解な味 喉を潤す 残雪の山 この小さな宿であなたは何を見たのだろうか 君は何を見たのだろうか 同じメールを読んだのだろうか 同じ手紙を読んだのだろうか さあ、迎えよう この不可解な朝を 不可解な唄とともに 永遠に解読できない手紙を手に携えて

私って何?

冷涼をもたらす風鈴の音色。電力不足の中で少しでも栄養と快適さを求める人々。暑い夏がやってきた。 夏は塩分が不足する。だからであろう。行き交う人々は陳列棚に並ぶ私を求め、頻繁に手に取り吟味する。だが、幾度も品定めされるのにも関わらず取り残される仲間もいる。私も取り残されたそんな一人である。 仕事帰りであろうか。清潔感がある制服を着た男性が私を触り、じっくりと見定めを始めた。今度こそ私はその人の手に渡るのかなと期待した。何度も、何度も私を見つめ触りラベルを見返す男性。でも、最

 ソメイヨシノ

              神宮 みかん ソメイヨシノが花をつけた。一週間前にホームセンターで買ったソメイヨシノ。白い小さな花をつけ春の訪れを告げている。 僕はソメイヨシノを植えることに対して娘の成長を願うという観点から迷いはなかった。 でも、帰宅し、この小さな庭では大きくなりすぎて場所に困りいつか処分をする、と冷静になった。それでも、この苗木のソメイヨシノより背丈が低い娘が卒業時にはどれくらい大きくなっているのかを期待すると植えたい気持ちは消えなかった。 ソメイヨシ

アイデア

 MBA(経営の資格の一種)の立場から具体例(低学年向け)物語を例に多角的な視点から物事を身につける為の本の推敲中の文章を読了した。  ネタバレをするので内容には特に触れないが、この本において私が最も重要と考えたのは『主語』を誰に置くかにおいて全て変わってしまうということだ。  過去は、現在は、未来は、等の時を主語とした場合(無有体物)。  私は、あなたは、彼は、彼女は、これは、それは、等を主語とした場合(有体物)。  物事の見方、捉え方が全て変わってくるということである。こ

欲しい言葉

「応援している」というあなたの激励の言葉 二人囲む爆ぜるもんじゃ焼きは言う 嘘 嬉しいけど辛い、と 応援されればされるほど辛い、と 私は思いを決して口にしてはいけない、と あなたの「応援している」という言葉 私が欲しい「お疲れ様」という癒しの言葉 私はあなたにその言葉とともに黙って抱きしめて欲しい 口にできない してはいけない言葉 私は信じる その空間の雰囲気、色、形、その全てが私を昇華し、新しい感性を築き上げる、と 感性が既成概念によって塞がれた道を

私の履歴書

 年齢を重ねるにつれて友人の名前を新聞に見つける機会が増えた。  日本経済新聞『私の履歴書』という経済人の自伝が本人によって寄稿される欄がある。そこに書かれた元日本商工会議所の三村昭夫さんの寄稿はその一つの事例である。  私は三村さんに一度お会いしたことがある。三村さんが寄稿した文章の中に私を三村さんに紹介して下さった方の名が高校時代の友人と記されていたことに対して非常に感じ入るものがあった。  その方を見ていると思うことがある。人はその人も含め人なのだと。またその人が

『汝、星のごとく』凪良 ゆう

 二回目を読了した。もう一度読み、三回読了し精読とみなすつもりである。  今回は女性について考えながら読んだ。ダメな女性(母)に育てられながら、独立した女性を目指す男女。  本書における独立という言葉は、経済的な自立。踏み込んで言えば、著者が意味する自立とはどこでも生活できる能力を持つ経済力。つまり、己の力のみで生きていける能力。例えば、本書で登場する漫画家であり刺繍作家である技能職といえる。  弱い犬ほどよく吠えるという面も見られる。登場人物の一人が、人間は群れを作る

一杯 500円

ビルの一画にある『ねおん』というお店 ラーメン500円のメニュー 安くない? と飛び込む僕ら 受信した一杯500円のラーメン画像 あの時の君、空気 消えてしまいそうで浮かぶ記憶 ラーメンとともに映る日本酒 ビルの一画にある『ねおん』 ラーメン500円のメニュー ぶつけ合い悩み推敲する きっと捉え方はラーメンの角度を変えれば変わる 500円 500円というものを活かす 現実的な現実逃避 グラスに水滴が点いた ビルの一画にある『ねおん』というお店 君は

あまのじゃく

桜坂を読むときあいつの才能を感じる 卒業アルバムを読むときあいつの才能を感じる 光、輝き、瞬く あいつ、あの子の文章 求めれば消え 消えれば現れる壁 あーあいつって才能ないな と思う 思えば思うほど いらだつ いらだち いらだち 沸点に達す ふつ、ふつ、ふつ 三つ気付く 一 私の才能の無さ 二 あいつに対するライバル心 三 あいつを尊敬する気持ち ふつ、ふつ、ふつ ふつ、ふつ、ふつ あいつは私の桜坂を読んだのだろうか あいつは私の卒業アルバムを読んだのだろうか どう思

『東京で群馬を探す旅』を書く友人へ

 驚き魅了される場所がある。 例えば、地方に住む人間が東京に出かけると「こんな場所があるんだ」、と驚かされる地元と縁がある場所だ。そのような場所は地元に誇りを持つ人であれば悦である。  テレビ東京のアド街天国ではないが、知る人ぞ知る場所を事前に調べ訪れるのも乙かもしれない。  友人に地元群馬と関連がある人物のゆかりのある場所を探して旅する方がいる。(『東京で群馬を探す旅』)  もちろん、私のような歴史の知識が浅い者が一読すれば「え、この人がこの場所にゆかりがあるの」

同窓会誌

親は「子どもの為なら何でもできる」という言葉を聞く機会があった。だが、自分に利益をもたらす子どもの為なら何でもできるという個人主義が見え隠れする。 ある小学校の同窓誌を頂いた。 私はその中に書かれたPTAが果たした役割こそが「子どもの為なら何でもできる」という精神の神髄であると思った。 例えば、その小学校の立て替え等である。裕福な家庭が多い同窓会誌の地区である。それゆえに頭を下げたことがない親が多く親たちは恥辱を感じただろう。でも、子どもの為とプライドを捨て実現にこぎつ

植物図鑑を読んで

 有川浩『植物図鑑』。この題名に名もない雑草の僕は食われた。もしかしたら、この作品との出合いは雑草という草はないように名前がある人物に僕をしてくれるかな、なんて思ったりもした。  数編の短編の中で描かれている作品は有川浩さん自身が高知県出身である為に高知の調味料『馬路村ぽん酢』、高知で食されている『イタドリ』という雑草の話、色々な所に高知の魅力が混ざっていた。言い換えれば、私たち読者に高知県へ行ってみたいという願望を抱かせた。またこの小説は映画化もしている。きっと、高知に大き

友よ

 友人の喉元がゆっくり呼吸した。  空間の雰囲気は五年前のあの時と同じだった。でも、流れている空気は全く違った。  あの頃は特殊詐欺の事件を調べる機会が多かったからだろうか。スマホには頻繁に非合法な仕事募集の広告が表示されるようになっていた。  フリーライターとして潜伏取材でもしろということかよ、危険すぎるだろ、と自嘲した。ただ、生活が苦しいことは事実だった。  そんなある日、予期せぬ人物から電話がかかってきた。電話の主は久しく会っていない中学校の友人であった。  

泣き言

悔しいなから なんか悔しいなに変わってしまった またかに変わってしまった きっとこうやって諦めていくのだろうか 津波から13年 良くやった もう終わりにしよう 良くやった終わりにしよう 結果が全て終わりにしよう どこかで思いがくすぶる 思いがくすぶり続ける はてどうしたものか はてどうしたものか なんか悔しいなに変わった 悔しいなに戻った さあ、風呂でも入って 寝て再スタート 俺は時代を変えたいのだ 俺はできるのだ 猪突猛進、夢に進むのだ