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『自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本』を読んだADHD

標題の本を読んだので、その感想というかまとめをしたいと思う。
一口に発達障害とは言っても、自閉スペクトラム(ASD)と注意欠如・多動障害(ADHD)はかなり特性が違うので、自分の学びとして読んでみた。

特性として、「ここはあまり自分には当てはまらないから想像しにくいな」という部分はあったものの、全体としては非常に共感できる内容だった。
というか、「子育てってこれが大事だよな」という内容がたくさん載っていて、定型発達の子を持つ親御さんも読んでほしいような本だった。

内容としては、「人に希望を伝える」「生活リズムを整える」「人に手伝ってもらう」「人と一緒に楽しむ」「人と一緒に喜ぶ」という5つのソーシャルスキルを育てましょう、というもの。

たとえば、「人に希望を伝える」に関しては、ASDの特性として、こだわりは強いが人に何かを伝えるのが苦手というものがあるため、親御さんが選択肢を示してあげると良いと書いてあった(どっちのお菓子が良い?等)。しかし、これは定型発達の子にも当てはまらないか。小さな子が希望を自分の言葉だけで伝えるのは至難の業だ。そんなとき、親が「これとこれどっちがいい?」と選択肢を見せるだけで、子供はぐっと選びやすくなる。これを繰り返すことで、子供は自分の選択を伝えることが出来るようになる。

他の4つも変わらない。「生活リズムを整える」「人に手伝ってもらう」「人と一緒に楽しむ」「人と一緒に喜ぶ」も、すべて定型発達の子と同じように親が子へと伝える必要のあるスキルである。そう考えると、自閉スペクトラムの子と定型発達の子では、特に伝えるべきスキルに差はない。強いて言えば、自閉スペクトラムの子の方がこだわりや疲れやすさ、能力の偏りが目立つので、個人に合わせて教え方をチューニングする必要がある、と言うことくらいである。一度やってみて、この子はどういう動きをしているか、何の動きで疲れているか、どんなときに目を輝かせて集中しているか、を親が注視し、その子の特性に沿った教え方をすれば、子供はグンと伸びる。
これも自閉症スペクトラムだけの話ではなく、一般の子育てすべてに言えることだろう。

つまり、この本を読んで自分が感じたのは、「定型発達も発達障害の子も変わらず、親が全力で自分の子を観ていることが大事」だということだ。
この子は何に疲れるのか、何が得意なのか、何に集中するのか、何にこだわるのか、何が忘れやすいのか…それらを知ることで、親御さん自身もものすごく楽になるだろう。「なんでこの子は出来ないんだろう?」ではなく、「この子にはこれが得意なんだ!」「これは苦手だからサポートしたり対処法を考えないとね」など、建設的な考え方が出来るようになる。

「普通の子」になんてならなくていいし、親御さんもそんな呪縛に囚われなくていい。ただ子供をよく見て、その子に合った成長の機会を与えればいいのだ。


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