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台風直撃で旅が崩壊したリアル体験談 【ヨーロッパ3カ国旅行 0日目】

身近にいる社会人はみんなこぞって大変そうだ。

少なくとも人生の夏休みと呼ばれている大学生よりは。

30を超えて結婚すると自分の自由はほとんどなくなるらしい。聞いた話によると。


大学3年生。今年の夏は
カッパドキア→イスタンブール→アテネ→サントリーニ→ロンドン
という感じで海外旅行に行くことにした。
贅沢旅だ。


9/14。
出発前日。

その夜、僕はワクワクとは真逆の感情でいっぱいになり全然寝ることはできなかった。

カッパドキアへは、
上海、イスタンブール
を乗り継いでいくことになっていたのだが、上海にちょうど台風が直撃して、飛行機が13時間遅延する予定であることを知ったのだ。


もし上海からイスタンブールへ行く飛行機がそれだけ遅れれば、イスタンブールからカッパドキアへ向かう飛行機の乗り換えには当然間に合わせることはできない。

え、明日これ大丈夫か???

僕が予約した旅行サイトはかなり評判が悪かったのだが、ただ安いからという理由で利用していた。

そのサイトでは便の変更やキャンセルがなぜかできず、この日は結局なんの手も打つことはできなかった。
(次からは絶対にtrip.com経由で全部飛行機予約する。絶対。)

僕は今までこういう経験をしてこなかったためだいぶ焦っていた。


9/15。
出発当日。

僕は膨れ上がる不安をなんとか抑えながら、6時30分発の電車で成田空港に向かった。

もう1人、僕と同じ便で行く予定だった友達がいるので、その人とこの状況をどう対処するか会議するために当初の予定より早めの出発である。
(成田空港遠すぎ。)

8時21分。
成田空港に到着。

一度旅行サイトの問い合わせ窓口に電話することにした。
どうやら英語での対応しか行っていないらしい。

なんとか他の便がないか探してもらうのと、返金対応についてどうなるのか聞き出さなくては、、、
(ただでさえ英語が苦手な二人なのになんで英語で電話しないといけないんだ。。)


無念。
全然電話越しの英語は聞き取れず、諦めた。
電話越しの音声ガサガサしすぎ。
あれ聞き取れる人は本当にすごいと思う。
全然東大入試の英語リスニングよりも聞き取りづらかった。(気がする。)


と、ここで旅行サイトから便の変更をする手段が完全に消えたことになる。
僕らは、もう上海に行くしか無くなってしまったのだ。

不安を抱えながらも、僕たちは予定通りの飛行機に乗ることにした。

と言っても、僕たちはある一つの希望の光を見出していたのだ。

正直、カッパドキアに到着するのが遅れたとしても、9/17の現地時間朝4時半に集合の気球に乗れさえすれば満足できる。

今の13時間の遅延の予定ならば、イスタンブールには9/16の夜22時ごろ到着することになるが、イスタンブール空港から近い、サビハ・ギョクチェン国際空港からカッパドキアに近いカイセリ空港に向かう飛行機が23時半ごろにあったのだ。
(もちろんtrip.comで探した)

その飛行機に乗れさえすれば、僕たちはカッパドキアで気球に乗ることができる。大満足である。カッパドキアといえば気球である。
(気球ツアーには、事前に一人6000円くらい支払っている。キャンセル不可。)


そして、成田から上海に行く飛行機は予定時刻通りに発着を行った。

僕たちは、これから台風が直撃するであろう上海に来てしまったのだ。
もう引き返せない。

とりあえずまずは、中国東方航空に飛行機が遅延したことで今晩泊まる宿は手配してもらえるのかを聞き出さなければならない。

なんとか、受付の人に航空チケットの予約画面を見せながら拙い英語で言いたいことを伝えると、その人は僕たちにホテルを手配するための証明書的なのを書いてくれた。

「さて、次はこの紙をどこかに持って行け」的なことをその人は言っていたが、詳しくはよくわからなかった。

さて、では次はその紙を持っていくところを探すフェーズである。


なんとかtransitの検査を抜けて、僕たちは外に出た。調査開始だ。

まずは、ゲートを抜けた直後空港の職員の人に、受け取った紙を見せながら、どこに行けば良いのかを聞いてみると、すぐ近くにある受付を示された。

よかった。

思ったよりすぐ正解に辿り着くことができたので安心しながら、その受付の人に僕たちは受け取った紙を見せた。

すると、「この紙がどうかしたのか?」と低い声で言われた。
僕は恐る恐る「この紙をここで見せろと先ほど他の人に言われたのですが、、、」というと、どうやらそれが間違っていたようで、
なぜか少しキレられながら「ここじゃねえよ。中国東方空港のカウンターに行ってもらわないと。」と言われてしまった。

なんだよ。ちげえじゃねえか。正しいことを教えてくれよ。

そして、僕たちは中国東方空港のカウンターを探すために、下の階に降りた。


下の階は、荷物を受け取るレーンが並んでいるエリアだった。

しばらく歩いていると、
あった。
奥の方に、中国東方航空のロゴのようなものと、結構な人が並んでいる列が。

本当にそこに並べばいいのか確信は持てないが、そこに並ぶことにした。

すると、前に並んでいるオランダ人の可愛いお姉さんが僕たちに話しかけてきたのだ。
一人で暇だったのかな。

聞けば、そのお姉さんは上海経由でシドニーに行くということで、僕たちと同じ状況の人だったようで安心した。

その後、こういう国籍が違う人同士で話すときには定番の、Where are you from? から始まり、少しだけ会話したのだが、なんにせよ僕の英語力が低く、特に盛り上がらずにその会話は終了してしまった。

お姉さんごめん。せっかく時間を潰そうと思って話しかけてくれたのに。

さあ、そして長い列が終わり我々の番になるとカウンターで今晩我々が泊まるホテルがいいわたされた。
そして、隣のベンチで待っていろと。

とりあえず一安心だ。
ホテルを調べてみるとホテルも結構良さげなところだった。

あれ、もう何分待っているんだ?
Wait a moment.
って言われたような。
moment って "一瞬" ていう意味じゃないの?

もうだいぶ経ってるぞ。待つなら待つと言って欲しい。
moment なんて単語を使うなよ。

そして、結局2時間待ったところで、我々は呼び出され遂にバスに向かうことになった。

やっとだ。すごい嬉しかった。moment なんて言葉使うなよ。

そして、出口を出てエスカレーターを上がると、案内の人がまた 
Wait a moment here.
と言ってきた。

またかよ。やっとバス乗れると思ったのに。

そうして案の定30分くらい待っていると、ようやく迎えがきた。

こうしてようやく僕たちはホテルに向かうバスに乗ることができたのだ。


ホテル到着。
この時点で僕たちは、明日のいつ頃空港に向かえば良いのか?
食事はどうなるのか?
という疑問を抱えていたが、これらの情報もなんとかホテルの受付で解消することができた。

あれ、英会話力ちょっと上がっていないか?

そして、次の日の12時ごろに空港に向かうバスが来ると知らされたのだが、暇すぎる。
ホテルの中でほぼ1日。
暇すぎ。

ただ、ホテルの中を探索してみると、さすが中国。
卓球台があった。

普通日本のホテルに卓球台があれば、誰かしらが常に使っているのをイメージするが、本当に誰も卓球台に興味を示していなかった。

だから僕たちは卓球で暇を潰すことができた。

普通にスポーツというものは楽しくて、めちゃくちゃ疲れた。
あー、ひとりじゃ無くてよかった。
一人でこの状況だったらだいぶしんどいぞ。

ただ、外では強い雨と風が街を荒らしていることが音で中まで伝わってきていた。

webで調べてみるとフライトはさらに遅延しているらしく、これではイスタンブールからカッパドキアに行く深夜便に乗れるかどうかさえも賭けになってくる。

別に航空会社が悪いわけではないのはわかっているが、やっぱり中国東方航空なんとかしてくれよ、と僕の心の中は荒れていた。

しかし、ホテル自体はまあよかったのもあって、次の日の12時は意外と早くきた。


そろそろ空港行きのバスが迎えにくると聞き、ロビーに向かうとそこではスーツケースを持った人たちがごった返していた。

列整理も何もなく、ただただ無秩序に人が溢れていた。

強気で人々の前に行き、なんとか早めにバスに乗り込むことができた。

バスに乗っている間、道を眺めていたのだが、一部冠水状態の道路、木々は30mおきくらいに倒れている。
そんなひどい状態だった。

そうして、空港に着いた。

空港のチェックインロビーもすごく長い列が形成されていて、
ああ、これでは絶対にもっと遅延するなあ、、、
と誰もが思うような状況だった。

結局、16時間遅延くらいで飛行機は出発することになった。

僕たちは飛行機の到着が大幅に巻くという最後の希望を繋ぐため、95%乗れない深夜便をキャンセルすることはしなかった。


しかし、案の定フライトが大幅に巻くということはなかった。
それと同時に、深夜便の予約が無駄になったということになる。


確実に気球に乗れない。
そう確定した僕たちは、カッパドキアを諦め、少し長めにイスタンブールを楽しむことにしたのだ。

もう夜遅かったので空港近くのホテルを探し、予約した。

なんとか英語の通じない運転手のタクシーに乗り込み、ホテルに到着することができた。

やっぱり、外国の方はその方の母語で話すと喜んでくれる。最初はずっと舌打ちしていて怖かったが、トルコ語でありがとうとか言ってたらだんだん雰囲気が和らいでいった。

というわけで、僕たちはカッパドキアを諦めることになった。

ただ、この過程で僕のサバイバル力はかなり上がった。

次回はイスタンブール編。お楽しみに。

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