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作曲家・バルトーク 黄金比・数列に関連して

フィボナッチ数列 バルトークは黄金比やフィボナッチ数列がなぜか大好きで、それらを自身の作品の中に取り入れていたらしいです。 黄金比とは、上のような比で表される数のことです。ややこしい数ですが、これは計算すると約1.618です。 つまりだいたい「1:1.6」という比で作られたものを人間は美しいと感じるということです。 ミロのヴィーナスやモナリザなど、古今東西の名作はこの比で出来ているらしいです。

また、フィボナッチ数列は上のように表される数列で、一つ前の数と二つ前の数を足すと、次の数が出来上がるという面白い仕組みになっています。 例えば89の次の項は、55+89で144です。 実は、フィボナッチ数列の連続する2項の比を取ると、それは黄金比になるのです。 数字が小さいと駄目ですが、大きくなるほど黄金比(約1.618)に近づきます。不思議ですね。

一方、「1:ルート2」もしくは「1:1+ルート2」で表される比もあり、これは黄金比に対抗して白銀比と呼ばれます。 法隆寺やスカイツリー、或いはA判B判といった紙の縦横比は白銀比で出来ており、日本人は黄金比よりも白銀比を美しいと感じるらしいです。 話を戻しましょう。 バルトークは、この黄金比やらフィボナッチ数列やらを使って作曲をしました。

ざっくり説明すると、AメロとBメロの長さの比が1:1.6になっているといった具合です。 また、フィボナッチ数列の項を利用した和音も作っています。 半音を1としたとき、上の和音は各音の音程がフィボナッチ数列の項に登場する数字で出来ています。一番外側の音程だけ当てはまらないのが残念ですが…。 上の和音にシ♭を加えるとC7(#9) のコードになりますね。この和音もバルトークの作品にちょいちょい登場するらしいです。 シ♭も、ミを除く全ての音程でフィボナッチを形成します。 スケールにも応用してみましょう。

例えばフィボナッチ数列に登場する数字である1と2を使って「1→2→1→2→…」という音程でスケールを作ると、先程のコンディミスケールが出来上がります。 バルトークは同様に、「1→3→1→3→…」とか「1→5→1→5→…」というスケールも使っているらしいです。 「1→5→1→5→…」は音数が少ないので使い勝手が悪そうですね。

しかもコンディミスケールに包含されてしまうので、あまり意味がなさそうです。 一方「1→3→1→3→…」のスケールは、3トニックシステムやコルトレーン・チェンジと関係してきます。 これも詳しく知りたい方は先程のリンク「マルチトニックシステム 前編」をご覧下さい。 さて、今回は中心軸システムについて解説いたしました。 ちなみに先程、日本人は黄金比よりも白銀比を美しいと感じると言いましたが、日本の建物の中でも、金閣寺はその名の通り黄金比が使われているそうです。 金閣寺と言えば、足利義満、西園寺公望、作家の三島由紀夫ですが、三島は超保守派なのに美の趣味は日本人っぽくないところがあるので、白銀比よりも黄金比に惹かれてしまったのかもしれません。

参考ブログ mie

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