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「シェアのゆくえ」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.4 (2/7)

〈まさかの九十点!百人に一人の天才だって!びっくり〉

というコメントとともに、なにかの診断サイトをシェアしている。

リンク画像には、どうみてもバランスの悪い大きな文字で『あなたの未来能力診断』と書かれている。とんでもなく怪しげだ。というか、あほくさい。いい結果が出たところで、なんの得もなさそうである。しかし、ともだちは、そんなことはおかまいなしに、よい結果をみんなに言いたくて仕方がないといった感じだ。

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「あんな無能なやつが九十点で天才だって?くだらないテストだな。まあ、おれならもっといい点がとれるだろうけど」

若者は、鼻で笑いながらも、実際のところ、自分はみんなの中で、どのくらいの位置にいるんだろうと、少し気になった。頭の中でともだちが、「おれより低い点数が出ちゃうんじゃないの」と、にやにやしている。

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そうだ、やってみて悪い結果が出たら、シェアせずに、やらなかったことにすればいい。そして、聞かれたら、「なにそれ、最近は忙しくて投稿をチェックしてなかったから、そんな診断知らないや」とでも言っておけばいいだろう。

ちょうどよい言いわけを思いついたので、若者は心おきなくリンクをタップした。

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立ち上がったページには

〈あなたに秘められた能力を診断します。診断の結果、世の中に貢献できる能力がきわめて高いと判断された場合は、わたしたちのプロジェクトに参加することができます〉

と表示されていた。

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「シェアのゆくえ」 (3/7)につづく

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