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「シェアのゆくえ」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.4 (7/7)

「この診断テストは、なにを根拠にしているかもわからない怪しいテストに、人生の貴重な時間をついやし、個人情報をもらし、そして内容の真偽も確かめず、その適当な診断結果まで簡単にうのみにし、優越感をくすぐられれば、ほいほいとその記事を拡散、さらには当センターにまで大事な仕事をほうってやってくるという、抜群の思いあがりと、あらぬ方向につっぱしる謎の行動力をもつ、このプロジェクトに最適な人物を発見するためのものです。私たちには、あなたのような人の協力が必要なのです」

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若者は、全然ほめられてないような気がして、不愉快になった。その瞬間。

「このたびは、人口削減間引きプロジェクトへご参加いただき、本当にありがとうございました。あなた以外のその他大勢の人々のため、さっそく人口を減らさせていただきます。来世でお会いできたら幸いです。それでは、さようなら!」

受付の女性は、そう笑顔であいさつすると、なにかのボタンをおした。

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とたんに若者が立っていたあたりの床が、ぱかっとひらく。

「!……」

若者は何か言いかけたが、声を発する間もなく、深い闇の地の底へと吸い込まれていった。


数週間後──

「あいつ最近、全然投稿しなくなったけど、どうしたんだろう。いつもうざい記事をシェアしてたよな」

「そういえば、そうね。ろくに仕事もできないのに、えらそうなコメントをつけて、もっともらしい記事をよくシェアしてたわね。あたりさわりないように、いいねだけはしておいたけれど、正直、興味なかったし。すごく仲がいいわけでもないし。まあ、いなくなったところで、どうでもいいって感じ」

「それもそうだな」

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近頃、町中ではよくそんな会話を耳にする。そして、さらにはこんな会話も。

「ところで、最近みんながシェアしてる能力診断やった?」

「なにそれ、忙しくて見てなかった」

「いや、おれ、満点で神とかってでてさ。今度、特別に招待とかって……」

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The END
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