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あなたにも届きましたか? 『君たちはどう生きるか』

宣伝という宣伝をしなかったんですよね、この映画。
青い鳥のポスター1枚。



私も、映画館でこのポスターが3度ほど視界の片隅に入って「そういえば、あれはなんだったっけ?」と重い腰をあげて近づいてみて、初めて「え、宮崎駿なの?」と、そう気づいたのは公開前日でした。

ギリギリ。

いまの情報社会の波に乗れているか否かのギリギリの瀬戸際。
そんな自分の現ポジションを再認識しました。
若いころは情報や流行なんて、向こうから三つ指ついてやってきたものですけどね。今では乗り遅れることすらできないほど知らず知らずのうちに通りすぎていきますからね、流行。ってか三つ指。古い。

でも、私は映画館を頻繁に訪れるタイプの人間だったからまだギリギリ波に乗れましたけどね。「普段映画は観ないけど宮崎駿なら観たいわ」くらいのゆるいジブリファンには、きちんと届いたんですかね?
そんな世代にも優しい宮崎駿でいてほしかったなというのは、正直、あります。トトロを支えたのは、そういう人たちなんだから。

ま、そのくらい事前情報の開示に消極的だった映画ですから、すでに公開から数週間経っているとはいえ、ここでネタバレするのはやめておきます。

私、「宮崎駿の映画で何が好き?」という質問に「ナウシカ」や「もののけ姫」を出してくる人には「ああ、頭の良い人なんだな」とか「頭が良いと思われたい人なんだな」と感じます。「千と千尋の神隠し」も私の中ではわりと「頭良い系」ですかね。
「頭良い系」の共通点は「私にはイマイチ話が理解できなかった」です。

そんな私が1番好きなのは「魔女の宅急便」です。
理由は、話が1番理解できたからです。
ちなみに2番目に好きなのは「紅の豚」です。
理由は、話が2番目に理解できたからです。

あと地味だけど「風立ちぬ」も好き。
理由は、あんまり宮崎駿っぽくないからです。

「俺はやっぱりラピュタだな」なんて答える男子にはキュンときますね。少年の心を忘れていない感じがする。だけど「トトロ!」なんて元気いっぱい言われちゃうと戸惑います。少年の心を通り越しちゃって園児って感じ。「ポニョ!」に至ってはお手上げです。
でも、本当に一番苦手なのは「カリオストロの城」を出してくる人ですね。「いまルパンの話はしてないから」とピシッと言ってやりたくなる。

『君たちはどう生きるか』は、前半は「風立ちぬ」で、後半「ポニョ」。
でも、メッセージ性でいえば「頭良い系」という感じでしたかね。

前半は結構好きで「あれ、名作の予感?」なんてワクワクしていたんですけど、後半にいくにつれて「ああ…」って感じに置いていかれました。

タイトルロールで流れる米津玄師はとてもよかったので、最後にそれを貼り付けて終わりたいと思います。


みなさんも、よかったらぜひ。
まあ、私は、そもそも「宮崎駿はそんなに…」というタイプなんで、熱量低くてごめんなさい。

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