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パパ、私、映画を作りたい『ザ・ウォッチャーズ』

M・ナイト・シャマラン監督作品に対する想いは以前に書きました。

要約すれば『シックス・センス』が素晴らしくて、以降「あの感動をもう一度!」とシャマラン監督の新作を鑑賞し続けているけれど、あれを超える作品とはまだ出会えてない、そろそろ諦め時か?でも諦めきれない!ということなんですけど。

今年もシャマランの新作がやってきた!と思ったらM・ナイト・シャマラン監督ではなく、娘さんのイシャナ・ナイト・シャマラン監督のデビュー作でした。

世の中には「そんな仕事あるんだ?」という職業も多くありますが、私の父がまさにそれで、私は父の職業というものを正確に把握しないまま今に至ります。企業を定年退職した後、個人事務所を立ち上げて細々と仕事を続けていた父に、ある時ぼそっと「会社、継ぐか?」と尋ねられましてね。いまさら「実はお父さんが何やってんのかよくわかってないんだよね」とは告白できず、「あ、大丈夫…」と静かにお断りしたんですけど。父がどれほど本気だったかは知りませんが、今でも思い出すと心がちくっとする思い出です。

なので娘さんに「パパ、私、映画を作りたいの」と告げられた時のシャマラン監督の気持ち思うと、人ごとながら嬉しくなるんですよね。
しかも、その映画っていうのが…

…地図にない森に迷い込んだ女性が逃げ込んだのはガラス張りの家。見知らぬ男女が3人いて、いくつかの不可解なルールがあり、毎晩、正体不明の何物かに監視をされる…

って、もう父親の芸風を受け継ぐ気マンマン!
そりゃあシャマラン監督の娘さんともなれば「ラブコメやるわ!」となるわけもなく、父親は父親で「そうか!じゃあ、お父さんが製作総指揮を取ったるわ!」と俄然張り切って、ホラー界で数々のヒットを生むワーナーホラーエンターテイメントに「うちの娘が映画を撮りたいっていうんでよろしく頼むよ」と話をつけてくるってもんです。
って、私の勝手な妄想ですけど。

でも、そうなるとちょっと気になるのが、娘さんが制作の現場で父親の威光を鼻にかけることなく、新人監督として真摯に仕事と向き合い、常に謙虚な振る舞いができたかどうかということ。
そして、父親は父親で「俺のことは気にせず新人監督としてビシビシ鍛えてやってくれ」と静観に徹することができたかどうかです。
いや、大きなお世話ですけどね。
でも世の中なんて、親子の絆とかは大好物なくせに、親の七光となると突然過剰なほど敏感に、辛辣に、なるものですから。

とりあえず『シックス・センス』を10点満点とするならば、今作は2点くらいの印象(あ、でも主演のダコタ・ファニングにもう2点追加)。
ですが、イシャナ・ナイト・シャマラン監督はまだまだ20代半ば。
彼女が映画監督を続けくれる限り、私は死ぬまで「『シックス・センス』の感動をもう一度!」と、映画館に足を運び続けることができるわけでありがたいです。

これからも応援しています!
イシャナ・ナイト・シャマラン監督。

みなさんも、よかったらぜひ。

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