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オアハカ滞在記録5【土地の恵み】

どうも!
引き続きオアハカの滞在記録を綴っていきたいと思います。

今回は友人のJuanに市場へ案内してもらった時のことを。
オアハカでは昔からの伝統的な市場が今も人々の生活の中心にあり様々な生活必需品を調達しています。

連れて行ってもらったのは、メルセー市場(Mercado de la Merced)
比較的観光地化していない、地元の人向けの市場です。

フルーツ売り場、この黄色いフルーツ。食べさせたもらいました。
名前は何だったか忘れてしまいましたが、干し柿のような味!
鶏もまるま丸々売られていました。
伝統的な焼き物、お皿なども売られています。
香辛料や穀物のお店。量り売りで売られています。

市場で売られているもので大抵のものは揃ってしまうとのこと。
オアハカの人たちの生活を描いた大きな壁画がありました。

リニューアルした際に描かれたもの。オアハカの生活の全て。

オアハカではこのエリアで収穫できる自然の恵みにより非常に多彩な食文化を形成してきています。
その起点になる主食はとうもろこし。様々な料理のベースになっています。
トルティーヤはもちろん、ホットチョコレートに使われるマサやモレと言われる伝統食にも使われています。
他にもカカオ、サボテン、マンゴーをはじめとする南国のフルーツたち。タンパク質には昆虫を食します。そして、香辛料の数々が伝統的な味の基礎を築いています。

とうもろこしの種類がめちゃめちゃある。日本でいうお米と同じような感じ。
とうもろこしと香辛料カカオをベースにしたアトーレという伝統的な飲み物。
ちなみにメキシコは朝食はこんな感じ。10時くらいに朝食二回目みたいなのをがっつり食べ、お昼は14:00-15:00くらい。ティータイムがあり、夜はまた軽く食べるという生活。
チャプリネス(chapulines)。3000年以上も前から食べられているらしい。

今ではかなりメキシコ料理となると油っぽいイメージもあるかもしれませんが元々は植物性を中心とした菜食的な食生活だったのがメキシコ、特にオアハカのエリアです。なので、本来はとっても健康的なのです。

そんなオアハカの食文化築いてきた固有の生態系について学べる博物館もあります。
元々は歴史的に非常に意味のある場所だったらしいのですが、兵隊の訓練場や観光者向けに駐車場として使われていたところだったらしいのです。それに対して地元の自然派のアーティストたちの運動によりオアハカの本来の自然環境について体験し学べるような施設として生まれ変わらせたというストーリーのある場所です。

サントドミンゴ教会のすぐ横にあるボタニカルオアハカ庭園(Jardín Etnobotánico de Oaxaca)
数百種類ものオアハカエリアの植物について学ぶことができる。

この博物館をまわっている途中に友人のJuanがサボテンについて粘っとした虫について教えてくれました。カイガラムシの一種で衣類の赤い染料になるとのこと。その虫の写真は撮れませんでしたが、その虫で染められた布で作られた服や作品を展示するテキスタイル美術館もありました。

テキスタイル美術館で、カイガラムシの染色を使った作品。

また、このオアハカにも山岳部から沿岸部まで非常に多彩な植生環境があるためそのエリアによって特徴的なカラーも衣類の特徴も違うとのこと。そのエリアに適した染色技術と服飾技術によって文化圏がわかるとのこと。
すごい。

テキスタイル美術館にて、それぞれのエリア、先住民たちの服飾についてまとめたマップ。

そのエリアの特有の植生環境から、衣・食・住に関わる文化が形成され、共同体(コミュニティ)としての一体感が形成されていてくその一連のプロセスにとても感動しました。
その土地本来のライフスタイルは、人々にとっても環境負荷的な観点でも非常に健康的。連なる生態系の一部としての営みを続け、共同体(コミュニティ)として機能していることも含めて本当にすごい。
同時に、ただ伝統的な生き方を守るだけでなく、その土台を活かしながらさらに磨きをかけるような動きをしている人たちもいることがこのエリアの面白みをさらに一層引き立ててくれています。

一方で、郊外に行けばスーパーマーケットや何でも揃っている大型商業施設はあります。しかしそこでの商品はある程度収入のある人しか手に取れない金額設定になっており、大量生産消費型のライフスタイルにならざるを得ないのも事実。

個人的には震災後から自分自身に突きつけられた
「豊かさとは何か?」という問いを考える上でど真ん中をいくエリアだなと思いました。

今後のオアハカがどのようなエリアになっていくのか、自分自身もそこに関わり合いながら見ていきたいと思いました。






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