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締めくくりの旅 伊根


大学生というのは恐ろしいもので、時間はありますし、お金もそこそこありますし、何より若さゆえの愚かさを持っています。
しばしばニュースなどで取り上げられるのはその愚かさの悪い例ですが、時としてその愚かさは、青春という呼び名に姿を変えて、年をとってからも心に残る、良き若気の至りとなり得ましょう。....多分

どこで遊ぶかという議論をしていた時に、一度天橋立という意見が出ました。しかし、場所は素敵なものの、1泊2日では遠すぎるということで、却下されました。
しかしどうでしょう、この写真。琵琶湖ではなく、日本海です。
我々は、何をとち狂ったのか、それぞれの家とは真逆の方面へ、寝不足のまま車で3時間かけて京都府伊根町へと来てしまったのです。わりとしっかり寝て、車に乗せて貰っているだけの僕ならともかく、床で寝ていた奴や、昨日すでに4時間弱運転していた奴は疲労困憊のはずなのですが、大学生ノリという世にも恐ろしい言葉によって、体が全然平気な気分になってくるのでしょう。
最後だし、という言葉が免罪符です。次の日に責任がない人々だからできる行動です。

到着しました。噂には聞いていましたが、なんという趣の深さでしょう。ヴェネチアでも洲州でもそうですが、水の上に立つ建築物はなぜこうも美しいのか、目を奪われます。

かの鉄腕DASHという有名番組で、無人島を開拓しようとなった時に、この街を参考にして舟屋を建築していたのを覚えています。最近は見ていませんが、ダッシュ島はどうなっているのでしょう。
すぐにでも海に出陣できそうな口の開きが子ども心をくすぐります。
そして海の質も非常に良くて驚きました。僕はなぜこんなにも見たことがないものに対してマイナスのイメージしかないのかわからないのですが、日本海は濃くて綺麗ではないイメージがありました。申し訳ありません。実際は、透明度があるのに、栄養度が高そうな海藻も見つけることができる、理想的な海でした。できるのなら潜ってゆっくりと海の中を覗いてみたいものです。

やや曇り空ですが、雨よりかは全然いいですね。
小さなサイズの遊覧船も出ていました。

昼食は、道の駅舟屋の里伊根にある、レストラン舟屋です。ブリが美味しいと聞いて食べにきたのですが、日曜日の2時ごろにはブリ完売です。残念の極みです。それほど人気ということで良しとしましょう。刺身定食を頂きました。

道の駅付近から撮った写真です。上から見下ろすと、僕の好きな三重県鳥羽市に似ている気がして、より一層好きになります。

最後に、素晴らしい景色と長閑な雰囲気で言う事なしの伊根に思われましたが、この駐車場のバーだけは嫌悪してやみません。
僕はただ、運転手が手を伸ばしても駐車券を取れなかったので、車から降りて駐車券を取っただけなのに、上がったバーが、ちょうど僕が歩いているところに落ちてきて顔面に直撃するだなんて、酷い話ではありませんか。
このバーは、歩いている僕に意図的に攻撃を仕掛けたと判断し、僕は今でも伊根のバーを敵対視しています。

僕たちの旅はまだ終わりません。せっかくここまで来たのだからと、とある場所へと向かいます。

続く

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