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映画感想『MEG ザ・モンスターズ2』


なんじゃこりゃ

ネタバレ気にせず


ジェイソンステイサムが大きいサメと戦う物語の第二弾ですが、なまじ人気が出たせいで無理やりニ作品目を作ったのが丸わかりの、とんでもないメチャクチャな映画でした。

まず、サメがほとんど怖くありません。なにせ、そこら辺に普通にいるからです。一匹は人間によって半分調教されていますし、前作に比べて大きさも小さくなったような気がします。深海に行けば何匹もいますし、光を出さなければ襲ってくることもありません。
序盤から中盤にかけてはむしろ、主人公たちがサメを上手く扱って、人間の敵を倒す道具として利用しています。
巨大ザメとしての地位が非常に、非常に低く、なんだか可愛らしく思えてきてしまいました。

無酸素状態で心海を泳ぐステイサムの方がよっぽどサメより恐ろしい存在です。人間じゃない。『ステイサム ザ・モンスターズ』の方が適切でしょう。

サメの権威が失われて、じゃあ何と戦うのかというと、先に言ったように他の人間と、タコと変なトカゲです。

何やら、深海を探検しているスタイサム一同の組織を乗っ取って大金を稼ごうとする別の集団がいて、深海にいるステイサムたちを殺そうとし、地上の海上施設を略奪しようとします。

せっかく未知の深海には見たことのない生物がうようよしていて、そいつらに襲われるだけでよっぽど恐ろしい未体験のパニック映画になりそうなのに、結局深海で行われる人間同士の激闘がメインになってしまいました。

深海のシークエンスでは、明らかにサメもトカゲも脇役になっていて、障害物競争の一つの障害物くらいにしか機能していませんでした。

後半戦では、一通り人間と戦った後、いよいよ海上でサメ数匹とステイサムが相対します。ですがもちろんそこがメインというわけではなく、地上でのトカゲ退治や、なんの説明もなく登場するタコとの戦いの合間に挟まれる程度です。
しかも今回のステイサムは負ける気がしません。前回とのサメ一匹との戦いの方が何故が緊迫します。今回はサメが数匹もいるのに。
一方地上でも明らかに主人公補正がかかった主要キャラたちが大活躍して、面白いし迫力はあるのですが、肝心の危機感が極めてゼロに近いです。むしろ楽しい。

まとめると、今作は恐怖と危機感を無くしたパニック映画という感想に帰結します。一つ姑息なのが、味方も誰か死にますよという一応の危機感を持たせるために、序盤でモブたちがすぐ死にます。が、そいつらのことはすぐに忘れられて、はい殺したから後は楽しむだけですよと言わんばかりの盛り上がりが展開されます。

次から次へと災難が降りかかり、それを大迫力の方法で解決していく爽快感が楽しめます。

時間を持て余し、とりあえず何か食べてお腹を膨らませたいと思った時に、ぜひ観てもらいたい一作です。

別に一作目を予習する必要もないでしょう。

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