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世界一幸福度の高い国の特徴
みなさん、こんにちは。
前回の投稿では、幸福度の高い地域として、北欧と中南米諸国があるとお伝えしました。
それでは、それらの国々の特徴は何なのでしょう?
もっと言えば、どのような社会が人を幸せにするのでしょうか?
要約
今回の記事では、2つの研究論文を基に、北欧諸国と中南米地域の幸福度について説明します。
これらの地域は、大きく異なることがいくつもありますが、その背景には共通事項もあります。
この投稿を通じて、幸福度に影響を与える要因としての「経済力などの外的側面」に加え、「自由度や寛容さなどの思想面」についても理解を深められればと思います。
参考文献1:World Happiness Report 2020
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世界幸福報告書2020では「幸福度と国」について詳細に書かれており、北欧諸国(特にフィンランド、デンマーク、アイスランド)は、幸福度の高さで知られていることが挙げられています。
これは、最近の2023年の幸福度調査を見ても同じことが言えます。
では、なぜ、北欧の幸福度は高いのでしょうか?
まず、これらの国々は、高い社会的支援や個人の自由という特徴を持っています。
福祉国家であることは有名で、私の北欧出身の友人は、「日本では大学に行くのに何百万も必要だけれど、母国では、大学に行くと毎月数万円がもらえるよ」と言っていました。
北欧の国々は、経済的に豊かで、教育水準も高く、治安も比較的良いとされ、福祉も整っています。幸福度が高いのは頷けると思います。
一方、中南米の国々、特にコスタリカ、ブラジル、アルゼンチンなどは、経済的豊かさや社会保障や治安といったあらゆる面で北欧に劣るものの、幸福度が高いことで知られています。
この不思議な点は、世界幸福度調査でも取り上げられており、研究の結論としては、これらの国々では、強固な社会的絆、家族との深い結びつき、ポジティブな生活態度が幸福感を支えている、とのことでした。
親密な人間関係とコミュニティの支援が、日常生活の中で重要な役割を果たしており、これが幸福度を高める要因となっている…。
これは、非常にシンプルながらも重要な意味を持つように思います。
単純化すると、ソフトとハードで言えば、北欧はハード面が強く、中南米諸国はソフト面が強いように思えます。
参考文献2:Inglehart et al. (2008)
他にも、同じようなテーマを深堀した、幸福学の有名な論文があります。
Inglehartらの研究論文「Development, Freedom, and Rising Happiness: A Global Perspective (1981–2007)」は、幸福度の要因について、世界中の国々の分析をしています。
この研究は、経済発展、自由度、民主主義指数の向上が幸福度の増加に直接的な影響を与えることを示しています。
特筆すべきなのは、よくある「経済発展では幸せになれない」という誤解についてです。たしかに、経済発展だけでは幸せになれないかもしれませんが、経済的に発展すると幸福度が上がる傾向があることを、この論文では、統計的観点から示しています。
しかし、経済面だけでなく、他にも特に重要なポイントがあります。
それは、「自由度の高い社会、性的少数者や異文化への寛容さが高い社会では、人々の幸福度が顕著に高い」ということです。
たとえば、旧共産主義国家よりも、民主主義国家の方が幸福度が高いことが明らかになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1699957381245-Y34CCllDTJ.png?width=1200)
また、同性愛へ寛容な国であるほど、幸福度が高いことも示されていることから、より規制や偏見のない国を目指すといった、思想面を整備することも、幸せな社会に重要なのかもしれません。
まとめ
今回は簡素な表現をしましたが、それでも、幸福度は多様な要素によって形成されることが少しは理解いただけたかと思います。
北欧諸国と中南米地域の例は、政治体制に加え、社会的価値観も幸福度に大きく影響を与えることを示しています。これは本当に興味深い研究です。
こうした知見は、より幸福な社会を築くための政策や個人の言動において重要でもあります。
日本は、経済力に対しては幸福度が低めであり、過去に短期間で経済力が6倍以上に上昇しても幸福度が上がらなかった国です。
特に思想面についての変化を促すことが幸福度の向上に影響を与えられるのでは。
そんなことを思わされる研究でした。
【加藤の詳細について】
―加藤将馬:著者、講演家、幸福学&ビッグヒストリー研究家
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