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毎日コツコツ料理暮らしその84『レシピにできないシンプルな料理が一番美味しいこと』

料理をするにあたって、毎週仲良くさせていただいています農家さんと野菜について話をする時間を大切にしています。

野菜がどうやってできたのか?どういう意図で作られているのか?こういうことがあったからこういう対策で改善したなど、聞くほどに面白く大変な仕事だと思います。

農家さんの声を聞いて、農家さんをリスペクトして料理をするとこと

農家さんから直接購入した野菜は、前日や当日に収穫したものです。スーパーなどで買う野菜は、市場などを通じて3,4日経過しているものもあります。

そして一番大きな違いは、顔の見える方から購入するということです。

誰が作ったのかわかると、料理の姿勢にも変わってきます。そこには農家さんへのリスペクトをもって美味しく素材を活かしたものを作りたいという想いがあるからです。

料理は手を加えるほど素材の味が消えてしまう

料理には大きく2種類の味わいがあります。煮込んだり、食材の形がわからなくなるくらいまで調理して味を作る料理と、素材の味わいを活かしてほとんど手を加えずに料理するというものです。

前者は料理をしている感じがあり、足し算的なアプローチがあります。世界の料理でいうと、中華料理やフレンチ料理の歴史に近いものがあるかもしれません。両者とも素材があまりよくないのを調理技術や味付けでカバーして美味しいものに作り上げています。

後者は料理をしている感はないかもしれませんが、素材を向き合って常に移り変わりも感じ取って、その都度最大限に素材を活かす料理をしていきます。料理は手を加えるほど素材の味が消えていく傾向があります。それが悪いことではないですし、美味しくなれば良いと思うのですが、素材の良いところまで失って美味しくするっていうのは違うっていうことですね。

前者も後者もどちらも僕は作りますが、美味しい食材を手に入れた場合、後者を選んで料理のアプローチをします。

例えば、美味しいブロッコリーを手に入れたら、塩茹でしただけで十分料理だと思っています。最高に贅沢品ですし、味を加えるならマヨネーズを少しつけるくらいです。

料理の仕事をするにあたって、レシピ開発ということがあります。企業案件だと料理をしてる感を出して欲しいというのがあります。なので、ブロッコリーの塩茹でなんていうのは最高に美味しいのですが、NGになってしまうのです。

シンプルに料理をするほど美味しくなることを認知してもらいたい

料理の仕事に対しては、そのような葛藤はありますが、料理は一番身近なクリエイティブな場だと考えているので、制約のある中で生み出すという楽しさや面白みということに関しては期待に応えたいということがあります。

ただ、ブロッコリーの塩茹でが美味しい!っていう確固たる揺らぎのないことは、料理に接するすべての人に知って認知してもらいたいのがあります。

ただ、ブロッコリーの塩茹でだけだと飽きてしまうというのも正直あります。ブロッコリーを他の料理にも使ってみたいというクリエイティブ精神の欲求にも応えるというのも実際問題あります。

ただ、塩茹でということだけでも美味しいということを意識するだけで、料理の敷居の高さを減らしたり、これも料理って言えるんだっていうことになると思います。

シンプルなほど料理って、料理していないなんていう疎外感があるというのが変えるべきことだと思っています。シンプル=ズボラって思うのは違います。その辺が食べる専門の人にとっては、伝わりにくいことで歯痒いことがあります。


話を戻して、農家さんから野菜を購入して料理をする場合は、シンプルな調理方法で仕上げます。今なら菜の花系が多い端境期の時期なので、さっと菜の花を茹でて、塩とブラックペッパーとオリーブオイルで和えるっていうことをよくします。和え物って日本料理のアプローチですが、それにイタリアンな調味料の組み合わせでおこなっていますが、イタリアンも素材を活かした料理をおこなうので、アプローチ的には自然とした調理法だと思っています。


農家さんと料理家の美味しい関係を対談を通じてシンプルな料理を体験していただく機会があります

3月28日(日)に僕が一番大好きで仲良しで野菜のことをたくさん教えてくださっている兵庫県丹波のKOM'S FARMさんを迎えて野菜と料理の対談をおこないます。ピーマンの中には何が入っているか?にんじんの芯が太いのと細いのでは調理方法を変えると味わいが変わるのか?きゅうりが曲がっているのと真っ直ぐなのがあるのはどうして?なぜ冬野菜は甘くなるの?雨が降ると嬉しい、嫌な野菜って知ってる?などなど、いろんな野菜の面白いお話をしていただきます。

KOM'S FARMさんはお話することが大好きで、毎週マルシェでたくさん野菜のお話を聞かせてくれます。時には料理人からのアプローチでこういう食べ方が美味しかったなど情報交換もおこなったりします。作り手使い手の美味しい関係があるからこそ、相乗効果が生まれます。

気になる方は、3月28日(日)13時から15時にて、大阪北区のテンチョスにておこないます。

詳しい詳細はこちらからご覧くださいね!って、最後になって番宣のような感じになりましたが、シンプルに素材を活かす方法を体験していただける講座となっています。レシピのいらない春夏野菜の美味しい食べ方を教えます。


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