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「ちいさき命」菌にも感謝

一昨日、シェフ修家さまの『日本で唯一「キノコ」の神さま「菌神社くさびらじんじゃ」』という興味深い記事を読んだ。

「菌神社」のある滋賀県は、わたしがよく伺う発酵のテーマパークのような高島市という町がある。

「菌」は、昔から日本酒、しょうゆ、みそ、お酢、など食用にとっても、人間の身体にとっても上手に付き合うべきなくてはならない存在です。

そこで、この菌神社くさびらじんじゃの記事を読んで、無性に行きたくなったけどちょっと遠い。
もしかして、菌に感謝を込めて祀る場所はあるのでは?と思い調べてみたら神社仏閣ではないけど近くにありました。

京都曼殊院門跡まんしゅいんもんぜきに「菌塚」という微生物を祀る塚。

「人類のために多大なる貢献をし、犠牲となる微生物に感謝と供養をする」

その言葉が心に響き、とにかく曼殊院門跡に行ってみることに。

曼殊院へ向かう

その行く先右手には、「武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園」の表札があり興味をそそられる。だけど、スタッフ以外立ち入り禁止とのこと。

武田薬品工業 京都薬用植物園

そして、曼殊院門跡へ向かい青紅葉のトンネルを前に進む。
ちなみに、門跡もんぜきとは、皇族・摂関家の子弟が代々門主となる別格寺院なのです。

曼殊院門跡への径

すぐに曼殊院門跡に到着。
そして、拝観受付で拝観料を払おうとして「菌塚」はどこかと聞いてみると、この前の通りの「立ち入り禁止」というロープをくぐり30mほど行った処だという。

拝観料は必要ないが、芳名帳に署名してほしいとのこと。
で、寺院の拝観は次回として無料で「菌塚」へ。

「立ち入り禁止」区域に入り前へと進む

そうすると、ありました。「菌塚」が。
その場所だけ静かで何故だか特別な空間、、、手前に青紅葉、背景には杉の木。

菌塚

菌神社くさびらじんじゃは、637年に勧請された古社だけど、この「菌塚」は1981年に建立した比較的新しい塚。

建立したのは、食品用・工業用の酵素剤製造販売会社「大和化成」元社長の笠坊さん。笠坊さん曰く「長年、微生物を殺生して生きてきた。その『小さき命』を悼み感謝したい、と思い知人のつてをたどり曼殊院に建立した」

朝日新聞 京都版より

また、建立した笠坊さんは言う。

菌塚は これら物言わぬちいさきいのちの霊に謝恩の意志をこめて建てたものであるが、同時に菌にかかわる人々が風光に勝れたこの地を時折訪れて、菌塚に話しかけしばし頭をやすめるとともに、菌類の犠牲に報ゆる仕事をなしとげることをめいめいが約束できたら、いかにすばらしいかと思うものである。

菌塚を建立した笠坊さんの言葉

人間は自然界のありとあらゆる生物と共に生きている、目に見えない微生物にも感謝の念を忘れないというのは日本人特有の感性、大事にしたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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