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What is 人的資本経営?

 企業の経営戦略として、突如としてトレンド入りした「人的資本経営」について、その背景と実対応として欠かせないことについて紐解いて参ります。

まずはじめに、人的資本経営において欠かせない2つの視点があります。

ひとつは、上場企業にとって、2018年の、国際標準化機構(ISO)によって人的資本情報の計測や報告に関するガイドラインISO30414が制定されたこと、さらに2020年8月 ニューヨーク証券取引委員会が上場企業に対して非財務情報に関する開示を義務付けたという国際的な流れをうけ、日本政府も2023年度から一部企業に対して有価証券報告書へ人的資本情報の記載を義務化することになり、「人的資本経営」に取り組むことは企業責務となったわけです。

続いて、日本の労働市場は 少子化により労働力人口の需給ギャップは拡大し「人手不足倒産」が一部産業の問題ではなくなっています。仮に“ブラック企業である”というレッテルを貼られてしまうことにより、経営が立ち行かなくなるリスクを考えても、よもや「人を雇用する企業の最低限のモラール」なのです。

いずれの視点からも、人を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、企業の持続的な価値向上につなげる経営手法である人的資本経営は、全ての企業が取り組むべき優先事項となっているのです。

出典:三菱総合研究所 大ミスマッチ時代を乗り超える人材戦略より

人的資本経営として取り組むべきこと

 では、人的資本経営において取組むべきことは何なのか、上場企業が有価証券報告書へ記載する際のルール等については門外漢なので野村総合研究所の情報をご覧になって下さい。

ここからは、私の専門領域である「中小企業の職場風土づくり」の観点から取り組むべきことをお伝します。取り組むべきことを端的に列挙すると次のようになります。

①チームをつくりメンバーを選抜する。
②経営方針として、不退転の決意を宣言する。
③組織の現状を把握するため聞取りやサーベイを実施する。
④人的資本経営における指標を制定する。
⑤人的資本経営に対する計画(予算やスケジュール)する。
⑥現状の課題を改善するための施策を実施する。
⑦⑥によって④がどの程度改善したか集計し講評する。

ただ、こうしたプロセスにおいて重要なのは、「人」を企業経営に欠かせないリソースの一つであると経営層及び管理職層が強く認識したうえで、制度や仕組みを整え事業成長に向ける以上に、「人」の成長を真剣に考えることです。一方で、やりっぱなしや、途中で雲散霧消することが無い様に「従業員満足度」「職場風土診断」「エンゲージメント」といった指標を設けて定期的に効果測定して行くことも求められます。

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