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『しくじり漫画先生に学ぶ正しい夢の叶え方』⑩


「憧れ」と「目標」ってどう違うの?

 私、高校で絵を専門的に学んでいたし、漫画もずっと描いていたから、真似をすれば、ある程度どんなタッチの絵でも描けるんです。
 だから、どんなに写実的な絵もエグい描き込みも、筋肉マッチョも高層ビル群も、描けないことはないんです。

 ただし、一枚絵だけです笑
 しかも何時間、何日間かかるか分かったもんじゃありません笑
 
 とてもじゃないけど、三浦先生の絵のクオリティで、漫画一作分、さらに連載作品を描くなんて、私の能力では不可能です。
 つまり、三浦先生を目指すという行為は、メジャーリーグを目指すのと同じで、私にとっては、完全に自分の能力を無視した行為だと言えます。
 
 それは「憧れ」なんですね。

 でも、昔は本気で三浦先生を目指していました。
 大変恐ろしいことですが一枚絵だろうと、いくら時間がかかろうと、(一見)似たものを描き出せているのなら、努力すれば、いつかそこにたどり着けるんじゃないかと勘違いしちゃってたんですね。

 例えば、バッティングセンターでたまたま160㎞の球を打ってホームランが出たからと言って、プロになれる訳ではありませんよね。
 カラオケでたまたま高得点だったからといって、プロと同じ能力があることにはなりません。

 常に、安定してそのクオリティのものを提供できる人が、「プロ」と呼ばれるのだと思います。

 自分が安定して提供できること・ものが、その人にとってのプロの領域なのだと思います。
 それは、必ず誰もが持っているものです。
 
 つまり、「憧れ」の対象と自分とを比較して、落ち込む必要は全くないということです。

 私には、私だけの最強の能力がちゃんと備わっていて、それが単に他者が持っているものと違うというだけの話です。

 ちなみに、「高望みするな」「諦めろ」と言っている訳ではありません。
 若い頃は、憧れのものを真似してみたり、ああでもないこうでもないと、色々と試して世界にボールを投げてみなければ、自分の能力や進む方向などを定めていきようがありません。

 私のように、勘違いしていてもいいんです。あの頃の背伸びしすぎた経験もすべて、今はちゃんと私の血肉になっていますから。

 ただ、「努力」という言葉に囚われないで下さい。確かに、めちゃくちゃ努力をすれば、私の画力も表現力も、もっと磨かれて三浦先生に近づくことができるのかもしれない。

 だけど、それは本当に、私の叶えたい夢でしょうか?

 それでは次に、「目標」についてです。
 「目標」は、「目的」というゴールに向けて、その間に設定される目印(指標)のことです。

 図にするとこんなイメージです。

 ちなみに、仮説検証サイクルは、「失敗」を一つ一つ潰していく作業なので、当然そのほとんどが途中で思ったようには進まなくなってしまいます。 「あれ、このやり方ではうまくいかないぞ」と。
 なので、その都度やり方を変更しながら、つまり目の前の目標を設定し直しながら、ゴールへ向かいます。

 買い物に例えるとこんなイメージです。


 これがもし「海外旅行に行く」であれば、当然、目的達成のための手順は膨大に増えます。
 しかし目的が何であれ、「一つ一つ、できるタスクをこなしていくだけ」ということに変わりはありません。どの分野であろうと、誰であろうと、やることはみんな同じです。
 この積み重ねが、「正しい夢の叶え方」なのです。

#創作大賞2024 #コミックエッセイ部門


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