6月18日 市場についての考察
「虹のふもとの市場」って、聞いたことがあるんだけど、って、わが街でマルシェを主催するお友達が言った。ちょうど私が読んだ網野善彦先生の「日本の歴史を読みなおす」に、その記述があったので、ちょっと調べてみようと思った。
そしたら、小野地健さんという方が虹と市について書いている論文がネットで読めた。
「虹がたったので何処どこで、市をたてた。」と平安時代の中頃に記されたものが複数見つかっていて、それが、法律によってお上に命じられたのではなく「世俗の説」、つまり言い伝えによって、、、と書いてあるそう。
日本略記(1030)
百錬抄(1089、1092、1135)
中右記(1092)
御探心院関白記(1372)
虹のふもとなんて、わかるはずもないのだが、ちゃんとやってる事実。
そして、なぜ虹という不確定要素のものに経済活動が結びついたのかが、本当に不思議。先生方は考える。これも、脳内が垣間見えるようで面白い。
虹のふもとには財宝が埋まっているという言い伝えからではないか?この言い伝えはアイルランドにもあり、日本にも、東北や奄美にも同様の俗信が多くある。
それは、虹が蛇と考えられた事からきてると考える説もあるが、わざわざ蛇を持ち出すことはないのではないか。
など、先生はたくさんの論文を持ち出して、大変だ。
そして、網野先生の本にある、
まだ貨幣経済が出現したばかりの、物々交換が当たり前だった人々の中に、貨幣の役割を確立させていく場が必要で、それを、あの世とこの世、神界と世俗が交わる場所と考えられた、虹が担ったのではないか。
との説。本当にワーオッ!
確かに、お金を介した物のやりとりって、貨幣経済のシステムという枠の中にみんなが入らないとできない。
それが、なんでも起こっていい場の虹のたもとなら、成立する。ということか。
すっかりできあがった枠の中にいる私の、目の鱗がボロン。
そして、結構私を悩ますお金の正体が、鬼や山姥がやってきたような、市の場の共同幻想で成立してんのか。それが今や世界中、行き渡っているんだもんな。
ちょっと可笑しくて、それに翻弄される人間ってなんてアイロニックで可愛いんでしょう!
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