デザイナーが国際カンファレンスで登壇資料を作らねばならなくなったときの、ノウハウ。
はじめに
突如スペイン、バレンシアで行われる
The I International Conference Teaching with Comics
(第1回の学習マンガの国際カンファレンス)
というのに、登壇することが決まりました。
世界各国からアカデミックの方がやってきて、
学習マンガについていろいろ議論する模様で
美大という桃源郷でぬくぬくと育った私は、
日本でも、
アカデミックの場でプレゼンなんかしたことねーよ!!😩
と胃がキュルキュル、テンパリ。
おそらく一瞬、院生の時に感性工学会とやらで、
ちんちくりんな、ポスター発表をしたくらい。😇
理系とか、文系の研究者だったらそういう機会があるかもしれないけど、
何もかもわからぬド・素人。
大学で授業とか、講演会でプレゼンはしたことがあるけど、
アカデミック、なおかつ、国際会議とは、
聴く側ばかりで縁がなかったので、何もかも初めてすぎて。。
この度、いろいろ調べたことを、自分でも忘れぬようにまとめておきます。
(私もアカデミック畑ではないのでうっかり間違えていたらすみません。)
同時に、今後の誰かの参考になれば。
いろんなことがこなれてなさすぎて、
日本語のプレゼンより、幾分時間がかかりました。。
前提条件
今回の国際カンファレンスでは、下記でした。
英語を作るときの注意事項
・まずは母国語でしっかり構成、言いたいことを考える
・ふわふわした日本語にしない(英語に訳しにくくなるため)
・1文を長く、複雑しない(喋りにくいし、聞きにくい)
・DeepLやGrammarlyというテクノロジーに頼る
・同じワードを使いすぎないように、Synonym(同義語)を使う
・自信がないフレーズは、Google で "フレーズ"で検索しヒット件数を見る
タイトル
・聴くオーディエンスが興味が湧くようなタイトルをつける
・基本、Title Caseで記述
Title Caseとは、一部の単語(冠詞、接続詞、前置詞など)を対象外として、タイトル(題名または表題)の各単語の最初の文字を全て大文字にする表記法 です。
登壇者
・名前、役職 of 会社名・団体名の順に記述
概要
・構造化要旨(Structured abstracts)、非構造化要旨(Unstructured abstracts)の2種類が存在
・構造化要旨の場合、下記の構造で記述
その他、詳しいことはこちらを参考にしました。
こうして書いたものがこちら。
(アカデミック友達とネイティブチェック済み)
プレゼンテーションスライド
・スライド資料は、下記の構成
構成は、こちらを参考にしました。
学会における発表スライドの作成方法
プレゼンにおける「結果・考察・結論」の意味の違いと、正しい書き方
この度、参考文献(References)はなかったので、省いています。
デザイナーはやたらとエモく語りがちなので、
「結果」という客観的事実と、「考察」・「意見」をしっかり分けて
語るように気をつけましょう。
・10分のプレゼン資料は10〜20枚が適量
1スライド30秒、もしくは1分とすると、
必要なスライド数は、登壇秒 ÷ 30秒 or 60秒 = 必要枚数 で算出されます。
ただし、今回マンガの発表なので、
絵や写真をたくさん見せた方が良いと思い、33スライドになりました。
この辺は適宜、内容によって変更したら良いと思います。
・適切なフォント数は、24pt以上
24ptより小さいフォントも多少使いましたが、
基本読ませなくてよい部分で使用した方が良いでしょう。
最終的にできたものがこちら。
プレゼンスピーチ
・時間配分は下記
こちらを参考にしました。
しかし、今回我々の発表では上記の配分は適さなかったので、
変更しました。
・登壇の際「初めの挨拶、終わりの挨拶、質疑応答」が加わる
登壇10分+質問5分だと、思ったよりあっという間なので、
かなりコンパクトに内容をまとめないと、全て話すことができません。
下記のPDFで素晴らしくプレゼン用フレーズがまとまっているので、
こちらとても参考になります。
SAY YES! TO 英語プレゼン~もっと印象に残るプレゼンをしましょう~
自分が普段使わないフレーズすぎて、
かしこまりすぎたり、とっさにに出てこなすぎても困るので、
使いやすい言い回しをいくつか覚えて、用意しておくとよいです。
・110wpmのスピードで話す
話すスピードがわからなかったのですが、こちらを参考にしました。
(サンプル音声あります。)
110wpmのスピードが聞きやすいスピードらしく、練習の基準になります。
・メリハリをつけて話す
日本語なら、言いたいポイントだけ書いて、スライドを作って、
あとはその日の雰囲気に任せる、みたいなことをするのですが、
母国語でないと、うっかり緊張しすぎて、
頭が吹っ飛ぶこともありうるので、原稿を書いて挑むことにしました。
けど、超読み上げた風にならないように、
強調部分にメリハリをつけて話すことが大切です。
・しっかり事前に練習する
渡航3日前に、4〜5時間ほど、通しでスピーチ練習しました。
あれだけ時間が収まるように喋りながら原稿を書いたのにもかかわらず、
何度やっても、1分30分ほどオーバーしてしまう事実😩
「スペインだから時間ゆるいかもしれぬ!」、と思い、
オーバー分は当日の雰囲気で考えようと思い、そのままにしました。
(結果カンファレンスはゆるかったので時間は何も言われませんでした。)
その他注意事項
下記は、カンファレンスに限らず、プレゼンを行う時の基本事項です。
・オープンクエッションをこまめに使う(オープンクエッションは「回答者の返答に制限を設けず、自由に回答をしてもらう質問方法」)
・聞いている人が飽きないよう、プレゼンに見せ場を作る
・聴衆の目を見て話す
・スライドは16:9 で準備する
・ビジュアルを多用する(文字は基本的に読まない)
・著作権フリーの写真を使う
・掲載して良い写真か、許諾を確認しておく(顔出しNGの場合などは、顔に処理を施す)
・データを掲載する場合は、データ出典元を記載
まとめ
母国語ではない発表は、相当こなれていない限り念入りな準備が必要です。
準備が不十分、スライドがわかりにくいと、
折角の登壇の機会をいただいても、相手が外国人ならなおさら、
十分に伝えることができません。
・ビジュアルを多用する
・プレゼンの構成をロジカルに、わかりやすく
・はっきりメリハリを持って、目を見て話す
が重要です。
登壇後
というわけで、上記を事前に書いた後、スペインってきたのですが、
無事、国際カンファレンス、登壇してきました!!
他の人たちのプレゼンを見て、
「自分のプレゼンは結構わかりやすいぞ!!」
と勝手に自信がついたので、当日はあまり緊張しませんでした。
準備中の方が、どうなるかわからず、謎に緊張しましたね。。
資料のアドバイスをくれた友人や、
英語ネイティブチェックをしてくださった方々には感謝です!!
これから、ますます自動翻訳がスムーズになり、
言葉の壁が薄くなるので、
国際カンファレンスに登壇するクリエーターたちが増えていくと思います。
今後の誰かの参考になればと思います!
日本人もどんどん国を超えて、海外へ発信していきましょう!✌️
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