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「あなたはあなたになっていく」ー『超言葉術』とSchooと私

2020年4月14日の夜、私はチャットに流れる言葉を一心に追いかけていた。コピーライター・作詞家の阿部広太郎さんが講師を務める『Schoo』の授業『心をつかむ超言葉術』、第一回目だった。
この日から月に1回行われてきたオンライン授業はまる2年続き、次回24回目で、ついに最終回を迎える。

最終回を迎えると知り、こうツイートした。
「毎月のこの時間にどれだけ励まされてきたか。うつむきがちな気持ちを上向きに変えてくれた大切な時間でした。」

2020年の私は、今思えば少し元気がなかった。でも、この時間がなかったら、私はもっとうつむいて過ごしていたかもしれない。数回参加できなかったけれど、ほぼ毎月、生放送で授業を受けてきた。

阿部さんに、Schooの皆さんに、本を届けてくれた出版社の皆さんにも、心からの感謝を込めて。『超言葉術』との時間を振り返ってみる。

言葉が心をあたためてくれた

 Schooとは、「大人たちがずっと学び続ける生放送コミュニティ」。

 それまでの私は、学ぶならリアルの場でなければ、と思っていた。でもこの授業を通して、オンラインでも学びを深め、講師や受講生の熱を感じることができると知った。

 Schooの『超言葉術』で、心に残った言葉、印象的な内容はたくさんあったけれど、第1回目の授業は今も忘れられない。テーマは、「I LOVE YOU」の訳し方。次のような課題も出された。

夏目漱石は「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したとか。
今のあなたなら何と訳しますか?

 阿部さんの著書『心をつかむ超言葉術』の「はじめに」でも取り上げられている内容だ。「今のあなたなら」というのもポイントだという。その時、その時で選ぶ言葉は変わってくるから。

 受講していた人それぞれの「I LOVE YOU」の訳がチャットに流れて、見ているだけで心がほかほかあったかくなった。あれから2年近く経っても、思い出すと胸があたたかくなる。

 阿部さんは、紀貫之の言葉も教えてくれた。

やまと歌は、人の心を種として、
よろづの言の葉とぞなれりける。

「古今和歌集」仮名序

 「心の種から言葉が生まれる。」と阿部さんは言う。毎回、阿部さんとSchoo生(阿部さんが名付けた受講生のこと)の「心の種から生まれた言葉」と向き合ってきた。

 この授業に刺激を受けたのか、2日後、久しぶりにnoteで記事を書いた。この時の記事をもとに、その後、友人たちと旅をテーマにしたnoteを始めた。思えばnoteというものを知ったのも、阿部さんのツイートがきっかけだった。

 阿部さんの講座『言葉の企画2020』の申し込みに間に合わず悔やんでいたけれど、Schooのおかげで阿部さんの言葉を毎月聴くことができ、気持ちが前向きになった。
 私は翌2021年、阿部さんが主宰する連続講座『企画でメシを食っていく』を受講した。閉じていたように見えた日々だったけれど、振り返ると、たくさんの人と知り合い、たくさんの言葉に触れた2年だった。

企画書は「ラブレター」

 2020年7月13日の「『伝わる企画書』の贈り方」と、8月18日の「『伝わる企画書』阿部広太郎の返信」も忘れがたい。
  7月に"Schooのコピーを考え、企画書にまとめる"という課題が出された。企画書を提出すると、阿部さんが添削してくれるという。

 授業で学んだことを振り返り、書籍『超言葉術』の第7章「企画書はラブレターだ」を読み込み、それまでほとんど縁のなかった企画書に挑戦した。
 夏の暑さのせいか少し体調を崩してしまったのだが、なんとか締切直前に送ることができた。送ってよかった。阿部さんが一つ一つの企画書に赤ペンを入れて添削し、返却してくれたのだ。

 企画書については、苦い思い出もある。だから、企画書を贈る時の心構えを聞いて、どきっとした。

 「企画書を相手に贈る3つの心掛け」
①「自分は本気か?」
②「相手は喜ぶか?」
③「本当にできるか?」

 翌年受講した「企画メシ」でも、この言葉と向き合うことになった。

私は私になっていく。

 私が書籍『超言葉術』の中で忘れられず、大事にしている言葉は、303ページにある。

何者かになりたい、と人は口々に語りたがる。けれど、なれない。なる必要もない。
本当に納得できる人生を生きるためにも、自分で問い、自分の答えを言葉にしよう。
あなたはあなたになっていく。
そのことだけは忘れずにいてほしいと心から願う。

『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』

 何度見ても、心に響く言葉だ。この言葉に出会ってから、私は少しずつ、私自身になっている。

 本が好きだったことを思い出し、書きたい気持ちに気づき、仕事ではない場所で、今もせっせと書いている。
 「お守りのような言葉」といわれるけれど、これからも何度となくこの言葉を思い出し、励まされるだろう。

 2021年5月には、阿部さんの新しい本「それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない『解釈』の練習」が出版された。そこにはSchooの講義で学んだことも書かれていて、うれしくなった。

 「あなたはあなたになっていく」という言葉に、つながるような文章がある。

今のあなたのままでいい。
無理に変わろうとしなくていい。
代わりに時代が変わってくれるから。

「それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない『解釈』の練習」

 Schooでの2年目には、『解釈』の練習も重ねてきた。2冊とも、いま出会えてよかったと思える本だ。

言葉に希望を込める

 2022年が始まり、1月17日の講義では、今年の「希望の漢字」を決めるワークショップに取り組んだ。
 阿部さんは、未来とは「今」だと解釈することで、未来はたぐり寄せられると語る。自分は「どうありたいか?」「何をしたいか?」を考え、自分なりの一文字を決める。私は考えた末に、「温」という一字を選んだ。
 
「温」
 心を温める。心の温度が上がる。
   
 この一字を決めたことで、続く2月15日の講義で、どんなことに時間を使っていきたいのか、という問いに対して、こんな答えが出てきた。
 「自分の相手の心をあたためることに時間を使いたい」

 「想像もしなかった未来」という言い方をするが、その言葉を繰り返したくなるような現実が次々と押し寄せて来る。

心がざわついた時こそ解釈の出番だ。
解釈を変えれば、可能性が見えてくる。
より良い方へと僕たちを運んでくれる。

「それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない『解釈』の練習」

 心がざわつく日々に、この本が寄り添ってくれる。本を開くと、言葉に出会う。その時々で気になるところが変わり、付箋の数が増えていく。

 Schooの授業で、本やSNSで、企画メシで、たくさんの言葉と出会ってきた。言葉に希望を込めて、言葉から希望を感じていたい。

 未来は今だ。今の連続が間違いなく未来をつくる。
 どんな未来だって、今からつくっていける。

「それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない『解釈』の練習」

 阿部さん、Schooの皆さん、スクー生の皆さん、あたたかな時間を、ありがとうございました。

▼『超言葉術』最終授業は3月24日
スクー生のみなさんと超言葉術 -総集編-
生放送3月24日(木) 20:00 - 21:00



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