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【エッセイ】貧乏大好き【東海林さだお】

「貧乏」って、どうしても暗いイメージがありませんか?

おそらく「貧乏」よりも「お金持ち」の方が、幸せだと思う人の方が多いでしょう。

だからこそ「お金持ちになりたい」と考えるのではないでしょうか。

でも、実は「貧乏」には「貧乏」ならではの楽しみがあるのです。

今回は、そんな「貧乏めし」の楽しみ方をトコトン考察した1冊、東海林さだお先生「貧乏大好き ビンボー恐るるに足らず」をご紹介させてもらいます♪


概要

今回は、漫画家・エッセイストとして、
多数のファンを持つ東海林さだお先生による「貧乏めし」の楽しみ方へ焦点を当てたエッセイ集です。

過去のあらゆる名作から「貧乏めし」のテーマに沿うエッセイを集めた、豪華なアンソロジーのような1冊となっております♪



個人的に気に入ったポイント


〈味よりもケチに焦点を当てた独特の考察〉

ラーメン屋でタダのおろし生にんにくを入れる時の緊張感、かけうどんを注文した際に周囲から受ける扱い、 高級フレンチのマナーへの恐怖…。

東海林先生は、食エッセイにも関わらず、
味よりもケチの考え方を徹底的に追求しています。

せっかく高級レストランに行っても、周りの目ばかりが気になって
「マナーのなってないヤツだ」と馬鹿にされる恐怖で味わう余裕がなかったエピソードなど。

ケチさ故の空回りが、どんどん可愛らしく思えてくるのです。


終わりに

高級フレンチでマナーにおびえ、
回らぬすし屋で板前に嘲笑されるより、
居酒屋の安酒を、
定食屋と牛丼屋の安心至極なうまさを、
コンビニの楽しさを、存分に味わいたい。

裏表紙より

貧乏って、つらい経験とセットになっていることが多いですよね。

そんな貧乏は、もちろん好きにはなれないし、できればなりたくない。

けれども、貧乏ならではの楽しみ方があると知れば「貧乏になってしまえばお先真っ暗」という悲観的な考え方から、本当の意味で自由になれるのかもしれません。

「ビンボー大好き」と宣言できる東海林先生のように。



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