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柔道に向いている子ども

「ねえ、君はしゃべれないの?」
幼稚園児の時、同じ道場に通っていた子どもにこう言われたことがあります。私はとても内気で、家族以外とはほとんど話すことができない子どもだったのです。更に、運動も大の苦手でした。体育の時間が苦痛だったのを覚えています。ちなみに、逆上がりができるようになったのは、大学3年生の時です…。

「柔道に向いている子ども」と聞いて、どのようなお子さんを想像しますか。体が大きい、運動が得意、気が強い子どもをイメージされる方が多いかもしれません。しかし、柔道の創始者である嘉納治五郎師範は体が小さく、しかも「いじめられっ子」でした。そこから「なにくそ!」という精神で立ち上がり続け、世界中に柔道を広められたのです。私は、体が小さい、運動が苦手、気が弱い子どもにも柔道は向いていると思います。

柔道の大会は体重別階級制で行われ、同じ位の体重の選手同士が試合をします。体重無差別の大会もありますが、「柔よく剛を制す」という言葉があるように、小さい人でも大きな人に勝てるのが柔道の魅力です。柔道には立技と寝技を合わせ約100種の技があります。色々な技の中から、自分の体型や体の使い方に合わせて技術を選べるのも柔道の面白さです。(もちろん、大会に出ること、勝つことが柔道の全てではありません。)

また、柔道を続けると体だけではなく、少しずつ心にも変化が生まれます。ある幼児のエピソードをご紹介しましょう。

A君は、幼稚園の友だちから悪ふざけで叩かれることがありました。その度にA君は怒ったり、時にはやり返そうとしていました。ところが、柔道を始めて数ヶ月後、再び友だちが彼を叩こうとしましたが、感情を荒げることなく、その手を制するだけになったそうです。その様子をたまたま見ていたお母さんは不思議に思い、「何で今日は怒らなかったの?」と聞きました。そうすると彼は、「僕は柔道を始めて、すごい力を手に入れたんだ。だから相手を攻撃しないんだよ。」と答えたそうです。

かっこよすぎます。まるで少年漫画の主人公が、不思議な力に覚醒した時のようです。A君は柔道を始めた当初、稽古中にふざけたり、お腹が空くと泣いてしまうようなお子さんでした。それが、3ヶ月後には見違えるほど礼儀正しくなり、小学生にも負けない位、自信に満ちた態度で稽古に臨むようになったのです。


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トップの写真(小学校1年生)から10年後の私(高校3年生)です。
家族、先生方、仲間たちに支えられ、「全国大会出場」という夢を叶えることができました。


柔道には人を変える力があります。私も柔道に自分を変えてもらった1人です。もちろん一朝一夕に変われるわけではありません。稽古だけではなく、礼をする、道衣をたたむ、掃除をする、稽古の振り返りをノートに書く、といった柔道場での習慣を積み重ねていくことで、自然と心身共に成長していきます。
何かを始める前に「向いてない」と決めつけてしまい、成長の機会を失うのはもったいないです。向いているかどうかは、やってみないと、続けてみないと分かりません。柔道は「体育」「知育」「徳育」として優れた教育効果があります。お子さんに柔道をやらせてみたい方は、ぜひお気軽に柔道場に遊びに来て下さい。


※8月23日(日)は「柔道体験会」をやっています。
 どうぞお気軽にお申し込みください。

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