地域活性化には「遊び心のくすぐり」を
少し古い記事ですが、こんな記事を久しぶりに見た。
鳥取砂丘で行われたポケモンGOの企画。
鳥取砂丘で、ポケモンのキャラを見つけようと言うもの。
久しぶりに見てみると2017年と、もう6年も経つのかと思いました。
イベントの正式名称は「Pokemon Go Safari Zone in 鳥取砂丘」
2017年11月24日(金)から11月26日(日)までの3日間にわたって開催されたイベントです。
なぜ多くのポケモンファンが集まったのか
特別なイベントの魅力
「ポケモンGO Safari Zone in 鳥取砂丘」は、特定の地域でしか体験できない特別なイベントでした。このようなリアルイベントは、普段は出現しないレアポケモンが登場したり、特別なタマゴが手に入るなど、通常のプレイでは得られない特典が多くあった。これが多くのファンを引きつける大きな要因となったようです。
地域経済と観光の促進
鳥取県が主催し、地域の観光促進を目的としていたため、地元の観光資源を活用したイベントが多く企画されました。これにより、観光とゲームを同時に楽しむことができる点も魅力的でした。
鳥取県が主催し、ゲームを共同開発した米ナイアンティックと株式会社ポケモンが協力しました。運営には鳥取大砂丘観光協会、イオンモール鳥取北、ソフトバンク、NTTドコモ、NTT西日本、NTTブロードバンドプラットフォーム、KDDIも協力したイベントでした。
ファンが楽しみにしていたこと
レアポケモンの捕獲
イベント期間中、普段は出現しないレアポケモンが多く出現するため、これを捕まえることが大きな楽しみの一つでした。また、特別なレイドバトルやタマゴの中身が変わるなど、通常のプレイでは体験できない要素が多く含まれていました。
コミュニティとの交流
イベントでは他のプレイヤーと直接交流する機会が多く、ジムバトルやレイドバトルを通じて協力し合うことができました。これにより、普段はオンライン上でしか交流できないプレイヤー同士が実際に会って交流することができる点も大きな魅力でした。
海外からの参加者
グローバルな人気
「ポケモンGO」は全世界で10億以上のダウンロード数を誇り、幅広い年齢層と性別のユーザーがいる。そのため、鳥取砂丘のイベントにも海外からの参加者が多く見られました。特に、リアルイベントは世界中のポケモントレーナーが集まる場となっており、国際的な交流の場としても機能している。
経済効果
イベントは鳥取県に18億円の経済効果。
内訳は観光消費額が13億円、PR効果(広告換算額)が5億円。
参加者数
3日間のイベントには約8万9000人が参加した。
具体的には、
24日金曜日が約2万1000人
25日土曜日が約3万7000人
26日日曜日が約3万1000人
これは県の予想を大幅に上回る集客規模で、1日最大1万人、3日間で最大3万人の参加を見込んでいたところ、約3倍の集客となりました。
イベント期間中に鳥取砂丘で1200万匹のポケモンが捕獲された。
宿泊施設と交通
イベント開催前の11月15日の定例記者会見で、
当時の平井伸治知事は県東部と中部の宿泊施設が満杯に近づき、西部でも8割が埋まるなどの見通しを示していました。
実際に宿泊施設は県内全域でほぼ満室になり、
23日~27日の飛行機の東京-鳥取便の乗客数は昨年比で10~15%増加しました。
交通対策
県は事前に交通規制やう回路対策を準備しましたが、参加者が見込みを大幅に上回ったため、渋滞が発生し、バスの待ち時間が長くなるなどの問題が発生したようです。
その後の波及
鳥取の開催が非常にうまく行ったようなので、その後の開催履歴を追ってみたところ、かなり様々な場所で行われている。
鳥取以降の開催履歴
これらの殆どは、ポケモンGOを共同開発した米ナイアンティック社がほとんど主催しているようです。
ポケモンGOの健康効果を研究発表をする団体も
東京大学は「スマホゲームアプリ「Pokémon GO」は 労働者の心の健康の保持・増進に有効」という論文を出しており、東京大学の研究グループ以外にも、ポケモンGOの「歩く」行為が健康に良い影響を与えることを示す研究報告が複数だしており、健康の側面でも非常に関心があったイベントに鳴ったようです。
東京大学
スマホゲームアプリ「Pokémon GO」は 労働者の心の健康の保持・増進に有効
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20170907-2.pdf
それ以外の研究
アメリカ公衆衛生学会(American Public Health Association)の研究
ポケモンGOプレイヤーは1日平均約1,000歩多く歩いていたことを明らかにしました。歩行量の増加は肥満や生活習慣病のリスクを下げる可能性があると指摘している。BMJ Open Sport & Exercise Medicineの研究
ポケモンGOプレイヤーの歩数が26.1%増加したことを報告しています。特に若年層の歩行量の増加が顕著でした。ゲームを通じた身体活動量の増加は健康増進につながると結論付けている。ハーバード大学公衆衛生大学院の研究
ポケモンGOは身体活動量を大幅に増やし、肥満や糖尿病などの生活習慣病リスクを下げる可能性があると分析しています。ゲームを健康増進に活用できる点を評価している。イギリスのウェストミンスター大学の研究
ポケモンGOプレイヤーの歩数が約 2,000歩/日増加したことを確認しました。ゲームを通じた身体活動量の増加は、心血管疾患などの予防につながると指摘している。
その他、KDDIや花王なども研究を発表している。
このように、ポケモンGOの「歩く」行為による健康増進効果は、東京大学だけでなく、世界的にも様々な研究機関によって実証されています。ゲームを健康促進に役立てる試みが広がっていることがわかります。
参考URL
https://www.excite.co.jp/news/article/Mycom_freshers__gmd_articles_54988/
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/54988
https://www.ryosaka.com/entry/2017/10/20/113000
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/77db2c9e0ef8807ad865488eb19343c1ca803134
https://gigazine.net/news/20190212-pokemon-go-step-counts/2017/10/20/113000
ポケゴーツーリズムで自治体が地域振興
国土交通省は、ポケモンGOとの連携を拡大し、地域の歴史的建造物を再発見する取り組みを行っています。
ポケモンGOとの連携拡大
国交省は、ポケモンGOを運営するNiantic社と連携し、ポケストップによる歴史的建造物の紹介を全国に広げている。
第3弾として、秋田県横手市で22カ所の歴史的建造物にポケストップを設置。木村屋商店本店や旧片野住宅などが対象。
第4弾として、福島県国見市、静岡県浜松市、滋賀県大津市でも7月末以降にポケストップを設置予定。
目的と仕組み
地域固有の歴史文化を再認識し、親しむ機会を提供することが目的。
ポケストップに「建造物の説明」と「歴まちロゴマーク」が表示される。
「歴まち情報サイト」へのアクセスを促し、各都市の歴史まちづくりの取り組みや魅力を紹介する。
ポケモンGOは現実世界をゲームの舞台とするアプリで、ポケストップで道具が手に入るなどの機能がある。
このように、国交省はポケモンGOの人気を活用し、歴史的建造物の魅力を発信しながら地域活性化を図る取り組みを全国に広げている。
ただ、地域振興に活用するには課題もある
ポケモンGOと地方創生
ポケモンGOは日本国内で爆発的な人気を誇るゲームアプリで、GPSによる現在位置に応じてさまざまなポケモンが出現します。
自民党のIT戦略特命委員会はポケモンGOを地方創生に活用することを提案し、地方の観光誘致に役立てる可能性を探っています。
ポケモンGOの課題と取り組み事例
課題1: ポケモンの出現率に差がある
都心部と地方でポケモンの出現率に格差があり、地方プレイヤーに不利な状況が生じています。
ナイアンティックは地方のポケモン出現率を向上させる取り組みを行っています。
課題2: ポケストップの地域格差
ポケストップはアイテムを取得する場所で、都心部と地方で数に格差があります。
地方自治体が新たなポケストップの申請を行っています。
また、ポケモンGOのプレイが禁止されているエリアはいくつかあります。
以下はいくつかの例です。
私有地: 住宅以外の私有地。
歴史的な場所: 一部の歴史的な建物や公共施設は、ポケモンGOのプレイが禁止されていることがあります。例えば、熊本城はポケモンGOの対象から外されたことが報じられています。
危険な場所: 交通量の多い道路や危険な場所。
「遊びごころをくすぐって」地域振興
ポケモンGOは大規模だが、こういうような遊び心を地域振興に活かすアプローチは他にも考えられると思います。
ARゲームを活用した地域振興
「ウィザードリィ・ワールド」などの魔法使いをテーマにしたARゲームでは、実在する建物や地形がゲーム内の魔法の学校や魔法使いの町として機能します。こういうゲームを活用すれば、地域の歴史的建造物や自然を魔法の世界と重ね合わせて体験でき、地域振興になる可能性が考えられます。
「ゴーストバスターズ・ワールド」のようなゴーストを捕まえるARゲームでは、街中の様々な場所が幽霊が出没するスポットとなります。このゲームを地域振興に活用すれば、観光名所を幽霊が出る場所として設定し、新たな体験価値を創出でき、地域振興になる可能性があります。
地域の伝統文化を活かしたゲーム
年齢が若い方は、格闘やレースなどのゲームが好みですが、年齢が高くなると、そういうものではなく、平穏なゲームが好まれる傾向にあります。
例えば、世界最高齢のアプリ開発エンジニアは88歳でアプリを作り、国連本部で公演することになりました。(若宮正子さん)
若宮さんが作ったアプリはHinadanというハイシニアが楽しめる、ひな壇を飾るアプリで、ひな壇に配置をしていく。というもの。
非常に簡単なアプリですが、年齢によって好むモノが違うということです。
そういう観点から、地域の伝統文化も活かす道があると思います。
日本各地の祭りや芸能を題材にしたゲームを作成し、実際にその地域を訪れてゲームをプレイすることで文化体験ができます。例えば、岩手県の「竿燈まつり」をモチーフにしたスマホゲームなどがあげられます。
伝統工芸品の製作体験をゲーム化することで、実際に現地を訪れ作品を作ってみたくなるような仕掛けを作ることができます。
地域資源を活かしたゲーミフィケーション
農作物の生育過程をゲーム化し、実際に農園を訪れて実物を観察したくなるような仕掛けを設けます。例えば、りんごの生育ゲームでは、実際のりんご農園に行けば生育状況を確認できるなどです。
温泉地の名物となっている源泉を探索するゲームを作成し、実際に現地の温泉を体験したくなるような誘導を行います。
日常的、古き良きものにゲーム要素をかけ合わせて人を楽しませる
ポケモンGO同様、遊び心を地域振興に活かすアプローチは様々な形で考えられます。
地域資源を上手くゲーム性や体験価値と結びつけることで、新たな観光客の獲得や地域活性化が期待できると思います。
これらは企画する方が、普段から本業以外にもいろんなものに興味を持ち、新たな可能性を信じて常にアンテナを張っていることで、発想できるものだと思います。
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