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②新規事業開発のアプローチ(アイディア検証→ユーザーヒアリング編)

こんにちは!

しばらくは事業立て直しの期間なので、これまでやってきたことを整理しながら発信をしていこうと思っております。
※以前、書いた記事をリライトし、再投稿しております。

↓創業5年目ですが、改めて再創業していきたいと考えてます。

8月半ばには以下のnoteを書いておりましたが、今回はアイディアを検証後のテストマーケティングについて整理していければと考えております。

事業開発を行う中でのMVPの開発についての流れは、概ね以下のような流れになりますが、今回は2のテストマーケティングについて触れていきたいと考えています。
(もちろん企業規模によって、やることは多少異なります)
※1と2の間には、社内でのディスカッションや壁打ちも入りますが今回は記載を割愛

【初期開発の全体のイメージ】 ※大きく分けて4段階

1、アイディア検証(リーンキャンパス作成)目的:事業全体の構造や整理
→やるべきこと、進め方、観点、注意点:こちら
2,(アイディア検証のテストマーケティングや)ユーザーヒアリング目的:ニーズの検証
→やるべきこと、進め方、観点、注意点:本記事の内容(基礎的内容)
3,MVP開発 ※最小限の機能×短期間
目的:ユーザーヒアリングを踏まえた、ソリューションの検証
→ユーザーインサイトを得て、失敗確率の減少を図る
4,(MVP開発のユーザーヒアリングや)テストマーケティング 
目的:MVPの検証







特に具体的ニーズ検証の際のユーザーインタビューについて触れていければと考えています。

1,テストマーケティングの概要

大まかな概要は、以下の記事を見れば大体分かるのですが、こちらに書かれていない注意点などを書き残しておきます。
※整理のため、以下の記事に書いている内容も一部こちらで記載していきます。結局やるべきことは概ね変わらないので‥笑

★なぜ、テストマーケティングを行うのか★

それは

事業側の観点では「失敗確率を減らすため」=ユーザー側観点では「このサービスを必要とするユーザーがいるのか(mustになり得るか)」の検証

のためで課題を持つ対象ユーザーから一時情報を取得する目的があります。

そもそもリーンキャンパス作成の中で、「現状はこのような状況になっているのではないか?」と仮説を立てますが、テストマーケティングではその仮説の検証を行うステージとなります。

リーンキャンパスでは

・誰のどんな課題?
・これまでの代替解決策は?
・なぜ代替解決策で解決されていなかった?
・私たちが解決する方法は?

この4点をある程度定義できている段階で、テストマーケティングを行いますが、そもそも上記ができていないケースでテストマーケティングを行っているケースもあったりします。
(特に課題がずれると、検証しても意味がなくなる)

↓テストマーケティング時は、リーンキャンバスの赤字部分の仮説をもって挑む必要があります。

リーンキャンバス1

なので、リーンキャンパス構築段階で「ここはおそらくmustの課題で、検証余地のある事業だ」と思えないと、テストマーケティングを行っても意味がなくなる可能性が出てしまいます。
(工数がかからずにテストマーケティングを行えたり、工数的に余裕があればテストの検証を行ってもよいかもしれません。時と場合によりますね)

2,オフライン?オンライン?

テストマーケティングは

⑴オフライン or オンライン?
⑵toB or toC?
⑶有形 or 無形?

有形商材であれば、プロトタイプを作って触ってみたりすればいいものの、ITツールやサービスですとそういったことができないので、実物のMVPのようなものが必要になります。
IT領域であれば、LPを作って、Facebook、Twitter等の広告を使ったニーズ検証はできますが、その後にはいずれもユーザーヒアリングが必要になることが、ほとんどです。

本記事ではIT領域(ソフトウェア)のオフライン、特にユーザーヒアリングに絞って考えていければと思っております。

MVP開発前のテストマーケティングの検証では、特にオフラインのユーザーヒアリングが、とても重要です。

オンラインのWebサービスやモニター調査もありますが、個人的には、5分でも10分でも20分でも、対象ユーザーの「声を直接聴く」ことが重要だと考えています。
※定量調査など、たくさんの声を集めたい時は、アンケートやSNSからでもよいかもしれません。

特に根源的欲求を知りたい(顕在ニーズの調査)のような定性調査の場合は、必ずユーザーヒアリングを行う必要があります。

toB、toCの観点や事業内容やテストマーケティングの目的により、アプローチなどが変わることもありますが、ユーザーヒアリングは、リーンキャンパスをベースにテストマーケティングの方法を選択していきます。

ユーザーヒアリング時には、特にバイアスがかかっていないことが重要です。

Webサービスを利用したヒアリングだと金銭が発生する故、バイアスがかかってしまうこともあるので、個人的にはあまり使いたくないな、と思っていたりします。

ターゲットに直接ヒアリングができれば、初期のユーザーになる可能性もあるので、地道にヒアリングできるターゲットユーザーを探すことも重要だと、個人的には考えています。

ここでは、リーンキャンパスで出していた、仮説とのフィット感(整合性)を確かめて、事業の確度を上げていきます。

想定している以上に「仮説が外れていて、必要性がない(mustではない)状態」であれば、リーンキャンパスを見直すことも必要です。

3,図る指標と検証の観点

テストマーケティングでは

・誰のどんな課題?
・これまでの代替解決策は?
・なぜ代替解決策で解決されていなかった?
・私たちが解決する方法は?

この解像度を上げるための時間なので、リーンキャンパスの仮説をベースに解像度を上げていきます。

対象ユーザーと課題の解像度が上がることで、これまでぼやけていた

・製品やサービスの「コンセプト」
・提供すべき初期の「機能=価値」
・初期ユーザーの「獲得方法やチャネル」

などが少しずつ見えてきます。

ここで重要な点は、自分自身の一つの反省点でもあるのですが

最も深い課題(サービス利用者が必ず解決したいだろう課題)を1つ”だけ”見つけ、その課題を解決すべく独自の解決策を発見すること

が、重要です。

(スタートアップの場合は)解決する課題はまずは1つだけでいいのです。

・1つでないと独自の深い課題で解決できない点
・広く解決しようとする製品だと機能実装が膨らんでしまう
→資金的な面で勝ち筋を作れない可能性も…

私の失敗例として、「独自の価値」と想定していた機能が、たった1つの課題を解決するものではなく、機能が膨らみすぎて開発費が嵩み、尖った解決策になり得なかった、という点があります。

課題の解像度が荒かった、という点もありますが、解決策の立て方とプロダクトの作り方にも大きな失敗要因がありました。

大企業のオープンイノベーションなどで資金が潤沢にあったとしても課題と価値の絞り込みは、必ずすべきだと私は考えています。

またこの段階では

この課題は、未だ誰も解決されていなくて、私たちがやるべき!

と思えるかが、重要です。

4,ユーザーインタビューの注意点

先程バイアスがかかってはNGと書きましたが、バイアスがかかりケースは、前述のこと以外にも何点かあるので記載していきます。

そもそもユーザーインタビューで、企業側が得たい情報としては

①根源的な欲求や見えていない「ニーズの発見」
をするために
②ヒアリングを通じた「ユーザーの行動と行動の結果」
から情報を探る

ことがユーザーインタビューのアプローチであり、インサイトを得る目的です。

以下では、ユーザーインタビューしてやってはいけないNG例を記載していきます。

1点目は、スティーブジョブズも言う有名な話で

「顧客は自分が何が欲しいのかわかっていない」

という言葉は有名ですが、これを意味するところとして、ユーザーの本音を引き出すためには、ヒアリング時に

解決策答え=コト)を提示する(クローズクエスチョン)

ことはNGです。

答え=言語化できてしまっていることであり、ユーザーが気づいていない、分かっていない状態ではありません。

「顧客は自分が何が欲しいのかわかっていないことをあぶり出すこと」が、高いユーザーヒアリングの質を生み、また事業の種になります。

ユーザーの潜在意識をも引き出すことを目的としたユーザーインタビューをしましょう。

続いて2点目

⑵ユーザー(主観)の考えを聴く

ヒアリングもNGです。

「顧客は自分が何が欲しいのかわかっていない」という潜在的なニーズを探る中では、前提として主観(顕在)を聴いていては、潜在的な部分にアプローチできません。

ヒアリングする側が

「おそらくユーザーは〇〇の課題を解決するために、■■を通じて▼▼のように行動するだろうな」その時に
「★★のような解決策を使うかもしれない」

といった仮説を持っていた時に、どれだけヒアリング時に、その仮説の整合性や課題の解像度の確度を上げられるか、というのが重要です。

なので、なるべく質問や問いから、インタビューされる側が「あ、実はこんなことを考えていたんだ」というような、発見があるようなヒアリングだと、新しい発見が出てきます。

5,どうすれば、いいインタビューができるのか?

インタビューでは「ユーザーの行動と行動の結果」を見て、潜在的なニーズを探るため、ということを書きましたが、どのような質問をすれば、行動を探れるのか。

それは、4W2Hを通じて行動を探ることです。

5W2H
・Why(なぜ)/Who(誰)/When(いつ)/What(何)/Where(どこ)
・How(どのように)/How much(いくら)

の質問を通じて、オープンクエスチョンで且つ主観的ではなく客観的な行動を探る質問であることが重要です。

一見簡単に見えますが、「ユーザーの行動と行動の結果」を観察するというのは、とても難しいものです。

インタビュー中に、単に質問してレスポンスする形ではなく、私のヒアリングは「対話(※)をする」イメージが、とてもしっくりきます。
(人によって感覚は違うかもしれませんが、ヒアリング=聴く=hearではなく「dialogue」のイメージです)
※「対話」というと問いかけるような形式になりがちで、ヒアリング中に「Why」が沢山入ってしまうかもしれまんが、whyを使いすぎると、ユーザー自身が納得できている答えを出してくれない場合があるので、使い過ぎはよろしくないです。
(ユーザー行動を探る上では、誤ったヒアリング結果になりかねないため)

6,最後に

私自身、これまでプロダクト開発において多くの細かい失敗をしてきました。

ユーザーヒアリングについては、詳細に記載するとそれだけで1冊の本になるレベルの内容にもなるので、今回はアイディア検証→ユーザーヒアリングの例を簡単にまとめました。

実際のユーザーヒアリングの詳細は、追ってまとめていきます。

今後も私自身の失敗例を更に具体化した形で列挙し、失敗しないアプローチ方法をアウトプットしていきます。

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