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【保存版?!】新規事業開発のアプローチ(アイディア検証編)※1万字超

※注 1万字を超えてしまい、割と長いのでゆっくり読める時にお読み頂いた方が、頭に入ってきやすいと思います…!

こんにちは!

久しぶりの更新となってしまいましたが、この1年半で事業開発や事業立ち上げと呼ばれることを進めてきて、得た知見をまとめてみようと思い、こちらに記載しております。

タイトルに【保存版?!】と書いたのは、保存しておいて、10分の読み返せば、大体アウトラインが見えてくるのでは?という点があります。
(人によっては、あまり役に立たない、と思われるかもしれないので「?!」と入れてます笑)


私自身、創業から3年間で50~100くらいの事業を模索しており、どのアイディアも進めることができませんでした。
(この失敗談は、後日アイディア編で書こうと思います)

特に体系立てて検証・リサーチしていくことは、慣れないと難しいと思いますし、本当に時間がかかります。

かといって教えられることでもないと思うので、事業開発はとても難しい仕事なのかなと感じております。


今回まとめようと思った理由は、2点ありました。

①そもそも事業開発に関わる書籍や記事は沢山あるが、部分的で断片的な内容が多い(なかなか実践的に使えずに難しい?)

②たとえ書籍を見たり読んだりしても、実行したことのない人だと結局手探り(調べながら)になるが、それがまとまっていない?

そんなことを感じております。

そもそも新しい事業は「分からないことが分からない」という状態になります。

「どんな目的や目標で、何をすれば良いのか、またどのようなゴールや着眼点を持てばいいのか」が分からず、かなり時間を要してしまいます。

当の私自身もそうでした。

そうならないために、分からないことがあっても本記事最下部に張り付けたスプレッドシートで、見える化してみました。

分からないことがあっても、調べるポイントが把握できているので、リサーチコストを落とせるイメージのnoteをまとめていきます。

今回の主な対象の読者は、以下を想定しております。

①スタートアップの事業開発、新規事業担当者
②大企業の事業開発、新規事業担当者

また「アイディア検証編」の前の「アイディア着想編」、「プロダクト(サービス)開発編」は、追って作成していきます。
※通常は、「アイディア着想」から書き残すべきかと思いますが、最も失敗リスクを落とせる領域が、アイディア検証編だと考えているので、ここから書き残しておこうと思います。

特に以下の内容に沿って、出したアイディアをリサーチし、プロダクト開発前までの取り組み方等について、整理していきます。

1,市場リサーチ(市場性の仮説)
2,事業リサーチ(事業性の仮説)
3,優位性リサーチ(優位性の仮説)
4,実現可能性リサーチ(実現可能性の仮説)
5,検証

※議題に最初に入る前に、あくまでwhat、whyのまとめであり、howの記載があるわけではありません。
(howまで書くと、ケースによって変わるので、参考にならない部分も想定されるため)


1,市場リサーチ(市場性観点)

<ゴール1:市場の特性を理解し、TAM、SAM、SOMの解像度を高める>
→対象市場の可能性・市場規模・競合性を調査し、市場の理解を深める

まずどんな市場で戦うのかを明確にしましょう。

私自身、創業当初から「事業作りをしたい」と考え、創業から3年で約50~100程度の事業をリサーチしましたが、なかなか開発まで至りませんでした。

それは単に後述する事業観点のリサーチばかり行ってしまい、まず自分のできること(Can)や自分が入るべき市場からではなく、また市場のことも理解しないまま模索していました。
(もちろん色々な参入の仕方がありますが、私の場合、当事者意識が持てる領域、自分の関心領域が強い領域がフィットすると、今では思えるようになっております)

アイディア検証のnoteでも追って記載はすべきですが、ここでも述べておくと、アイディア着想時から、自分の得手不得手の観点や強みから、マーケットはある程度決めておいた方が、失敗確率は落とせますし、辛くても自分自身が楽しんで事業ができると、私は考えています。

既にアイディアがある場合は、事前にアイディア検証段階で、多少は市場のことについて把握されていると思いますし、既存のサービスがあったり、大企業の場合だと、このリサーチ工数は削減できます。

※市場リサーチの注意点
リサーチした市場を将来的にずらすと、後のリサーチ(事業性、優位性、実現可能性)に影響が出るので、できれば既存のアセットや自社の強みを活かすことをベースに市場選定を行い、立ち上げの確度の高さ(失敗率を下げること)を意識します。

私自身、創業当初は、事業立ち上げの方法が分からず、手探りの状態だったり、課題の質の上げ方や解決策の作り方などが分からず、本当の初期フェーズでは、感じた課題に対して「このサービスが競合がいるからダメだ」と切った事業もありました。(かなりひどい…

▼対象市場の可能性・市場規模・競合性を調査し、市場の理解を深めるためには、以下のリサーチが必要になります。

<市場リサーチの内容>
⑴市場成長性
⑵市場のライフサイクルの動き
⑶競合他社動向
⑷TAM・SAM・SOMの特定

順番に説明していきます。


⑴市場成長性

「どの市場で戦うか、その市場は成長するのか」という観点は、製品やサービスを作った上で、自分たちでコントロールできない過去の情報を把握する意味でも重要です。伸びる市場に参入すると

利用者増加・単価向上等、事業成長に繋がりやすいトレンドに乗ることができる(パイの奪い合いにならない)

という果実を享受できる”可能性”を持てます。

★参考
例えば、私が新卒で入社(12年)したマーケットエンタープライズ社はリユース事業を展開する企業ですが、市場が伸びるトレンドにずっと貼り続け、15年に上場し、今も尚、リユース市場をけん引する企業になっています。

キャプチャ321

引用:リサイクル通信

また成長しているという前提の元、どのくらい年率で成長する市場なのかも把握しておく必要があります。


⑵市場のライフサイクルの動き

成長市場でも

・ライフサイクルが早い市場なのか
・どのくらいのスピードで市場が進捗しているのか
・どのような変化が起きるのか

も頭に入れておく必要があります。

特に
1⃣新しい技術の導入
2⃣トレンドが変わる流れが来る兆候
3⃣環境の変化

などから、ライフサイクルが変化する可能性があるので、どのような環境変化が起こるのかを把握する必要があります。


⑶競合他社動向

先に述べておきますと、競合の有無は重要ではないです。

むしろ投資家の方などに話すと、競合がいた方がいい見え方がします。

というのは、競合がいる=市場がある、と見られるからです。

また、例え先行者が10社いても「自分たちが定義するユーザー課題が解決されていない状態」であれば、参入する余地はあります。

つまり、「市場が独占ではない状態か、圧倒的勝者が決まっていない状態か」という問いから「Yes」だと思えれば、参入可能性はあると考えられます。

どのようにして、「市場が独占ではない状態、圧倒的勝者が決まっていない状態か」を判断するのか、という点については、詳細のリサーチ方法になるのでここで記載しませんが、ご興味があればTwitterでDMを頂けますと幸いです。
※ここではあくまでチェックリストの記載のみに留めます

競合が、どのようなユーザーに対して、何の課題を解決しているサービスなのかをリサーチしましょう。


⑷TAM・SAM・SOMの特定

TAM・SAM・SOMについての詳細は以下からご確認ください。

TAM・SAM・SOMについては

・TAM:獲得できる可能性のある総需要の把握
・SAM:対象ペルソナの需要の把握
・SOM:実際にアプローチして獲得できる可能性の市場規模

と覚えておけば良いですね。

この観点をしっかり持つことが見えると、どこの市場観点(切り口)から参入するべきか、というのも見えてきたります。


ここまでで

<ゴール1:市場の特性を理解し、TAM、SAM、SOMの解像度を高める>

ことはできましたでしょうか?

市場リサーチができると、社会の流れを先読みできる能力も培えるので、継続的に鍛錬していく必要があります。

できたかを把握するために以下の内容に回答できるかで判断してみてください。

●●の市場規模は年率〇〇%成長しており、〇〇億円(TAM)で、私たちは具体的に◇◇の市場を対象にするので、〇〇億円(TAM)の中で〇〇億円(SOM)の市場を対象にします。

将来的には、●●の市場は◇◇の理由で今後も伸び続け、◇◇のトレンドが今後もあるので、伸びる可能性が見込めます。

具体的な競合になり得る企業は〇社あり、◆◆社の対象にしている【ペルソナ、課題、ソリューション】は、それぞれ★★です(競合企業分を抽出)。


2,事業リサーチ(事業性観点)

【ゴール2:深い課題の発見と独自の解決策の仮説構築】

ここでは市場リサーチを踏まえた事業のアウトラインを調査していきます。

特に以下の2点を抽出します。

①具体的なペルソナ像に対して『ニーズと課題を切り分けて』考え、ユーザーの本質的な課題を把握する。

②深い課題に対して、独自の解決策(ビジネスモデル等を含め)を構築する。

※事業リサーチの注意点

アイディアがあり、市場もあるが
・課題が本当に深いのか(深くないと、一部の人にしか使われない)
・何故、これまで課題が解決されていないのか
を明確にする必要があります。

<事業リサーチの内容>
⑴簡潔な事業内容の説明
⑵ユーザー設定
⑶課題
⑷課題の調査
⑸ユーザーと課題の整合性
⑹解決策(ソリューション)
⑺解決策の調査
⑻事業ミッション
⑼ビジネスモデル設計
⑽ファクト抽出

⑴簡潔な事業内容の説明
・メモ帳で説明できる
・100字程度で理解ができる
等、とにかく「分かりやすい」、「シンプル」、「直感的に分かる」…この3条件を満たす必要があります。

何故なら、ユーザーは興味関心がないサービスは使わないからです。
(シンプルで、直感的に分かるくらい簡潔だと、すぐ理解でき、記憶に残り、逆に複雑で分かりにくいサービスは、興味関心を喚起できません)


⑵ユーザー設定
リサーチする上で「ペルソナ」を固定してリサーチすることが必要です。ここが、ずれるとMECEにリサーチできません。

ここは、市場調査(競合サービスのユーザー層などのリサーチ)を踏まえた形で、アイディアの仮説から出てきたターゲットユーザーを、より細分化あしてみましょう。

当たり前ですが、ユーザーによって深い課題は異なるので、最も深い課題を見つけるためには、深くターゲットユーザーを特定する必要があります。


⑶課題
事業リサーチの中で、最も大切なのは「誰の、何の、どんな課題」なのか、を明確にする必要があります。

その中で、いかにして「解像度が高い課題(※)」に辿り着けるのかは、とても重要です。

※解像度が高い状態=「焦点が絞れている状態」で、「解決すべき課題が明確」、「機能の絞り込み」、「提供したい体験」などが、よりクリアになっている状態と言えます。


⑷課題の調査
深い課題に辿り着くまでに、「本当に課題があるのか」、その課題は、どれだけの人が抱えているのか」などを明確にする必要があります。

特にユーザー自身も理解していない課題を抽出できると、より差別化要素に辿り着くことができます。



⑸ユーザーと課題の整合性
たとえ「同じユーザー、同じ課題でも解決策は無数にある」ので、あらゆる側面から「緊急性・重要性(深い課題)」と「独自(優位性)の解決策」をセットに構築ができるかを検証する必要があります。

「対象ユーザーの課題がなかった」とならないように、ロジックを破綻がしていないようなチェックをする必要があります。


⑹解決策(ソリューション)
競合のビジネスモデルや顧客セグメントが利用しているサービスから洗い出す方法もあります。

同業界、他業界における解決方法やアプローチの引き出しから検討します。

解決策は、とにかく日々あらゆるビジネスモデルや解決策をインプットしていれば解決策は、すぐに出せるようになります。


⑺解決策の調査
ここでは徹底的に「何故これまで、解決したい課題に対して、解決策が存在しなかった(できなかった)のか」を要因把握する必要があります。

特に既に立ち上がっている市場である場合、0からの発明ではなく誰かが何かしらのアイディアを模索しています。

また調査の段階で、初期のアイディアに固執する必要はありません。

とにかく先人がいれば、先人の失敗を学び同じ過ちを繰り返さないようにするために、ここでも限られた時間でMECEにリサーチしていきましょう。

特に課題解決のために立つ大きな壁(大きなボトルネック)の発見にも繋がるソースを発見できるかもしれないので、時間を割きましょう。



⑻事業ミッション
何故自分(自社)がやるのか、やる意味を見出せないと、競合が出ていた時にやり切れない(特にスタートアップ)ので、初期から軸となるミッションを定義しておく必要があります。
(但し優先度は凄く高いものではないと、私は捉えております)

とはいえ、ミッションがないと、「なぜ、あなた(貴社)がやるの?」の質問された時に、ちゃんとした回答ができないと思われます。



⑼ビジネスモデル設計
課題と解決策が明確になっていると、自然にビジネスモデルが決まってきますが、これは知識として様々なビジネスモデルを知っている、ということも重要です。

ここまで沢山の調査をしてきたところで、ビジネスモデルキャンパスを描くのも良いかと思います。

⑽ファクト抽出
ここは分かりにくいので、事例として列挙してみますが、例えば、想定する課題を抱えているユーザーが、別のサービスで同じように利用している。
ex:Facebookグループで、想定されるユーザー層が1万人以上、同じように使われている等

などは、分かりやすい例かと思います。

ファクトがあると、より検証に踏み込みやすくなるので、可能でしたらファクトを一次情報やソースから集められると、とても制度が高い仮説に繋がります。


3,優位性リサーチ(優位性観点)

【ゴール3:ゴール1,2の仮説を元に優位性の構築する方法を模索】
→時間をかけて積み重ねた先に構築できるアセット(優位性)の発見

中長期的に、成長させられる事業かどうかは、「ユーザーから選ばれる優位性(=差別化ポイント)」を磨き続ける必要があります。

そのために初期フェーズで、どんな切り口で参入するのか、価格やユニットエコノミクスの成立条件、MVPの要件等、課題と解決策とセットで、優位性を最も早く築きやすいアプローチと合わせてリサーチする必要があります。

※優位性リサーチの注意点

解像度が高い課題に対して、本当に解像度が高くなっているのか「緊急性・重要性の有無」の観点から再確認を行った方が良いです。

これまでの調査で、明らかになっている
・深い課題がある
・他企業が、その深い課題を解決していない
と更にここで(将来的にも)緊急で重要な課題なのか(になるのか)」

を明確にしていきましょう。

<優位性リサーチの内容>
⑴参入市場
⑵差別化要素
⑶緊急性・重要性の有無
⑷価格設計
⑸セールス&マーケティング
⑹プロダクト(MVP)の要件
⑺事業計画
⑻チーム(組織)

こちらも順番に説明していきます。


⑴参入市場
どんな強みがある個人(会社)が参入するか&ターゲットや課題定義によって、参入方法にや強みの活かし方が変わるので、ここまでリサーチして、ある程度、参入の仕方の目星はつけておく必要があります。

よく「Will、Canの一致」が重要(※)と言われるように、自分たちのミッション、できることの掛け合わせで、参入の仕方を考えると、よりクリアな課題をロジカルに解決していくことに繋げていきやすくなります。
※必ずしもWillとCanが一致しなくても立ち上げられますが、それは他条件(資金、既存のアセットの有無だったりと、他の条件がある場合です)

参考1:STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか

↑上記書籍で、起業家のタイプ別の事業立ち上げ方的な内容も書かれていて、勉強になります。

参考2:ヤフーCOO小澤隆生氏「名経営者だって外しまくっている。成功するにはとにかく試せ!」

↑本当に月並みですが、仰る「とにかく試せ」が全てで、つまり気合と根性なのだな、と感じぜずにはいられません笑


⑵差別化要素
中長期的に優位性が担保できるのか、弾み車を作れるのかの要素を洗い出しが必要です。

ここでいう差別化は
・UIUXが他社より優れている
・機能が豊富
…こういったことではありません。

事業を進捗させながら、時間をかけて蓄積できることです。
ex:データ(購買、商品、ユーザー)、ブランド力、知名度、ユーザーの想起獲得率‥etc

ちなみに弾み車の有名な例はAmazon(フライホール戦略)でありますね。


⑶緊急性・重要性の有無
対象ユーザーが、緊急性が高く、重要な深い課題を抱えているのかor将来抱える見込みがあるかは、ユーザー理解を深める中で、解決したい課題が、ユーザーにとって緊急性があり、重要なのか、というのを判断しなければなりません。

緊急性があり重要であればあるの程「nice to have」ではなく「must(人が欲しい製品)」になり得ます。

そして、なぜ欲しい製品になり得るのかも、初期で仮説ベースである程度目測を立てておいた方が、軌道修正する際に役に立つと思います。


⑷価格設計+⑸セールス&マーケティング
価格設計は、とても重要です。

toB、toCサービスで考え方が多少異なりますし、課金モデルでも考え方が異なります。
またビジネスモデルや持つべき優位性からも考え方が異なります。

最初にすべきことは、先行者がいる場合、先行者のビジネスモデルと価格を把握することです。顧客単価から、想定される顧客獲得単価なども把握できると良いです。

更に合わせて、ここでは他業界の同じモデル、類似モデルも含めて調査すると、あらゆる視点から考えることができて参考になります。

価格設計を行う上では、大概の事業で、ユーザー獲得、製品開発の過程で、初期は赤字のケースが多くなるため、資金繰りと合わせて開発予算などを考慮する必要があります。

その際に

①競合の価格から提供想定単価を抽出
②顧客数を抽出
→TAM、SAM、SOMの観点で、想定ユーザーの母数や獲得ユーザー数を抽出
③購入頻度や解約率の抽出

で、売上の予測を出し、競合調査で行った顧客想定顧客単価から、セールスとマーケティングに割けるイメージを持てるようになると思います。

いざ、サービス開始して、「想定よりもセールスとマーケティングにお金がかかりすぎてきつい」とならないようにするために、精緻なシミュレーションではなくても良いですが、ある程度の仮説とイメージを思っておくことは必要です。


⑹プロダクト(MVP)の要件
ここまで来ると人によってはMVPの要件の前に、テストマーケティングや実際の検証が先に入る人もいますが、それでも良いかと思います。

予算がないスタートアップであれば、ある程度初期の開発費や上述のユーザー獲得コストを把握しながら進めた方が失敗確率を減らせますので、MVPの予算感を把握しておいた方が、進めやすくなるかと思います。

MVP作成時は、特に機能の絞り込みを考えます。

そのためには「緊急性・重要性(深い課題)」と「独自(優位性)の解決策」をセット」になっているかが重要です。

セットになっていないと、機能の絞り込み=価値のフォーカスができないからです。

私が以前開発したサービスは、課題と解決策がセットになっておらず、初期の機能が膨らみ、結果的にテスト実施のタイミングが伸びてしまいました。

詳細は、「プロダクト(サービス)開発編」で記載しますが、初期開発の要件の重要性を痛感した大きな経験でした。


⑺事業計画
ここは最終的に、どのくらいの期間でどのくらいの売上出るのか、というシミュレーションになります。

計画を引ける方は引いても問題ないですが、正直ほとんどの確率で当たらないので、最悪時間が無ければ、MVP開発前に計画を引かなくても問題ないと私は考えております。

ソフトウェア製品であれば、開発費用、人件費などは考慮しておいても良いかもしれません。


4,実現可能性リサーチ(実現可能性観点)

実現可能性は

・本当に実現できるのか
・空想的な話ではなく、仮説がはまっていて、その解決になり得るのか
・事業の数字がはまるのか

等々、本当に実行に値する事業なのかをチェックする必要があります。

※実現可能性のリサーチの注意点

ここまで来ると、あとMVPを開発する前までに、「本当に使われるサービスなのか」という点を判断しないといけません。

ここでも、失敗確率を落とせる術があるので、しっかり検証していきましょう。

ここでは、抽出した課題と解決策の検証を行います。

実現可能性のリサーチの内容>
⑴需要の有無→本当にニーズはあるのか?
⑵需要の大きさ→利用者がどれくらいいるのか?
⑶実現のハードル→事業が成立するためのハードルは?
⑷収支計画→ユニットエコノミクス(UE)が成立するのか?

⑴需要の有無⑵需要の大きさ
最も重要なポイントです。

需要の有無を図るのは、ヒアリングやユーザーインタビューからもある程度分かりますが、なるべく本番のユーザー体験に近いポイントで検証することがベストです。
※ECなら商品を売る、ソフトウェアならユーザーシナリオがあるパワポなどでも代替可能です。

また、インタビューからニーズがあっても、実際のプロダクト上で利用してくれるかは別問題です。

とはいっても、最後の最後はプロダクトを出さないと分からないこともあります。

競合製品がある場合は、対象事業の課題に対して、既存製品がどの程度課題解決ができていて、何ができていないのか、という点も踏まえて、需要を満たす製品のイメージを持つことが必要です。

ユーザーテストを行う際は、以下を参考にすると良いかもしれません。

シナリオに対して、「ユーザーが利用する」という意思決定を頂ければ、プロダクト開発前にニーズが見えてきます。

また「重要の大きさ」は、1のニーズから明らかになると、見えてくるので、「需要の有無」のリサーチから、潜在的な需要の大きさの解像度を上げることができます。


⑶実現のハードル

「実現のハードル=実現可能性」という文脈になりますが、ここでは

・ニーズはあって障壁が少なそうだけれど、伸びにくいサービス
・ニーズがあっても、大きな障壁になりそうな事象がある
(ex:これまで大きな障壁があって、撤退している過去がある)

特に事業のキーファクターになり得る観点でのボトルネックの有無が初期から分かっている(仮説を持てている)と、検証時にも役立ちます。

しっかり実現をするための障壁を洗っておき、その障壁を解決する方法を見出しておきましょう。

5,検証

1,市場リサーチ(市場性の仮説)
2,事業リサーチ(事業性の仮説)
3,優位性リサーチ(優位性の仮説)
4,実現可能性リサーチ(実現可能性の仮説)

やっとここまできました。

アイディアを着想し、市場の解像度、事業におけるペルソナ、課題、解決策のセットでリサーチし、その事業がどのような優位性を持って進められるか、またその優位性を構築するための課題と解決法(実現可能性)が明確になっていると思います。

ここまでくると、

「いけるかな、いけそうかな、いや、まだ分からないな」

というような何度も右往左往するようなことを繰り返すかもしれません。

ここでは、最後にMVPを作るフェーズの検証に移りましょう。

<検証の内容>
⑴検証目的・内容の抽出
⑵ニーズ調査
⑶初期MVP

⑴検証目的・内容の抽出
事業の検証では

・どのような検証方法で
・何を目的に
・何のデータを取得し
・何がゴールなのか

を明確にしなければなりません。

ここは、事業によって、ターゲットによって、目的やゴール、取得したいデータによって、方法は様々なのでhowは割愛しますが、「何を達成すれば、開発をすべき」なのか、を仮説立てていたら、そこから逆算して検証の設計をすることが、最も近道になり得ます。

⑵ニーズ調査
実現可能性の「⑴需要の有無」近似している部分ではありますが、本当に使ってくれるかは分かりません。

なので、ここでは実際のデモ等の実演から、「アドレスを回収できたり」、「お金を払いたい」と言ってくれるような人をどれだけ捕まえられるか、が重要です。

需要があって「いいな」と思っていても、実際本当に使ってくれるかは分からないので、開発する前に使ってくれる人がいることのエビデンスをもっておきましょう。

⑶初期MVP
最後に初期のMVPです。

課題と解決策のセットで考えられていて、初期に最も提供する価値に沿って、提供する機能の取捨選択をします。

MVPの注意点は、機能を膨らませすぎないことです。

そこを踏まえて、想定開発費用、テスト期間、人員、費用と期間のイメージを持つことが重要です。

機能を膨らませすぎると以下のようなことが起きます。

⑴工数がかかる(お金がかかる)
⑵テストまでの時間を要するので、高速のPDCAを回しにくい
⑶無駄な機能を作ることになりかねない

私は、特に機能の絞り込みができずに、時間もお金も無駄にした痛い思い出があります。

ここは我慢をしながら、しっかり足場を固める意味でも、いかにして小さく小さく動かす方法を模索してみましょう。

初期のMVPを構築した後は、PMFに向けて走るわけですが、そのあたりの内容は、世にとても素敵な記事があるので、そちらに譲ります。

ここでは、あくまでリーンキャンパスを作成するためのステップの内容について、細かく観点を含め記載

6,終わりに

果てしなく長くなり、自分史上最も長いnoteになりました。

なるべく長ったらしい文章や解釈にならないように書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

もし参考になった、勉強になった!

という方がいらっしゃれば、noteに「いいね」を頂ければ、次回「アイディア編」、「プロダクト開発編」も書いていこうと思います。

またこれまでの内容を整理したスプレッドシートもあるので、ご興味ある方は、ツイートで投稿頂き、フォロー頂ければ、シートをご共有させていただきます!(シェア頂いた際は、ご一報いただければ幸いです‥!)

ぼかし2

※今後の本記事は、微修正していき、記事冒頭に編集ログを残していこうと思います。

・社内で新しい事業を立ち上げたい
・スタートアップ企業だけれど、周辺市場で事業立ち上げ人材がいない

そんな企業様からのご相談もお受けしておりますので、メッセージ頂けますと幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!


※10/3追記
事業開発マガジンを作成しておりますので、よろしければご活用ください!


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