僕の読書遍歴⑤「ミッキーマウスの憂鬱」

高校、浪人時代とあまり本を読んでいなかった僕が、大学でまた読書にはまったきっかけがこの本でした。ここから、僕の本格的な読書ライフが始まったといっても過言ではありません。

あらすじ

東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者。友情、トラブル、恋愛……。様々な出来事を通じ、裏方の意義や誇りに目覚めていく。

仕事へのアツさが溢れている

ディズニーランドの従業員(キャスト)について書かれた本は、現代では本当にたくさんありますが、僕がこの本を読んでいた時は、「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」くらいしかなかったように記憶しています。

いろいろなディズニーの本でも書かれていますが、ディズニーランドではキャストの皆さんがホスピタリティにあふれた対応をしていた多くの感動の物語が生まれています。ですが、本作ではそのようなキラキラした部分だけではなく、アルバイトの苦労や辛さについても書かれています。

ですが、仕事を通して、やりがいや意義に気づいていく。自分も仕事に対してのアツさを持ちたいと思えるような一冊でした。

社会人になった今、振り返ると

冒頭にも書いたように、これを読んだ時は大学生で、アルバイトもまだしていないタイミングでした。つまり、仕事がどういうものかも知らない若造が、フィクションの世界の物語を読んで、まだ見ぬ自分の仕事へ思いを馳せていたということになります。

社会人になった今、この物語のようなアツさを持っているとは言えませんが、仕事への熱意が無いわけではありません。あの時の自分は甘ちゃんだったとも思いますが、それでもこの本のことがずっと心に残っているということは、心のどこかで本作のような仕事へのアツさを望んでいるのかもしれません。