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愛すべき偏りたち

「なぜか分からないけど、無償に心を惹かれる」というのが、誰にでもあるかと思います。他人に共感されるものもあれば、共感されないものも。

私にももちろんあるのですが、それを思い出した出来事について今日は書きたいと思います。

パッとしないベイブレード

私の5歳の息子が現在ベイブレードにハマっています。中古ショップに行っては、古いベイブレードを買ってきてバトルをせがんできます。

ベイブレード自体は私が子どものころもあったので、快く息子の誘いに応じています。
息子はアニメでメインキャラが使っているものを好んで使っていて、それ以外だと見た目がカッコよくてごつい感じのものが好きなようです。
そうなると必然的に私の手に渡されるのは見た目があまりパッとしないものだったり、小ぶりのものだったりします。

まあ、私にこだわりは無いので何を使ってもいいのですが、そのパッとしないやつが意外にトリッキーな動きをするんですよね。それで、息子の使う強そうなベイブレードにも勝ってしまうこともある。そのことに面白さを覚える自分もいて、息子だけでなく私も楽しんでいます。

オールAの選手に飽きた過去

ベイブレードの面白さを感じた中で思い出したのが、パワプロのサクセスモードです。

高校野球やプロ野球を舞台に、自分で選手を育成していくゲームの中の一つの要素ですが、最初のころは「打力もAランクで守備もAランクで、、、」と上げられる能力をすべて上げて何でもできるオールAの選手を作ることに腐心していました。

でもそのうち、オールAの選手でチームを作っても面白くないなと感じ始めます。そして、「この選手はキャッチャーだから肩と守備だけめちゃくちゃ高くしよう」とか「打力系の能力を高めてDH用の選手にしよう」とか、能力を極端に偏らせた選手を作るようになります。
そういう一芸特化の選手たちでチームを作って、勝っていくことの方が面白いんじゃないかと思うようになりました。

自分に意外性はあるのか

ベイブレード、パワプロと振り返ると、自分は何かしらの偏りや意外性を求めているんだと感じます。
こんな見た目なのにそれにそぐわない動きを見せたり、他ではパッとしなくてもある部分では圧倒的な能力を見せたり。偏りとは、長所や個性、才能とも言い換えられます。そして私はそういうものや人に心を惹かれているんだと思います。

それは自分にはその偏りが無いと思っている裏返しなのかもしれません。
今の自分のキャリアは自社の中では様々な部署を経験し、ある程度なんでもこなせるようなキャリアパスを歩んでいます。社内オールラウンダーのような立場と言えるかもしれません。
それは今の会社の中では万能であるかもしれないけど、外に出ることになった時自分には誰かに求められる能力が、偏りがあるのだろうかと不安に思うことがあります。

不得意を無くし何でもある程度のことができるのも素晴らしい能力だと思います。それでも私は何か偏った能力が欲しいと思ってしまう。
だから自分は何度も自分の中に偏りが無いか確認し、ときには偏ろうと動いてしまうんだと内省しました。

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