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ノルウェー留学日記 〜最初の1ヶ月を振り返って〜

こんにちは。今日でノルウェーに入国してから1ヶ月が経ったということで、この1ヶ月で感じたことを書き留めておこうと思います。
文字だらけで長くなることが予想されますので、途中でこの1ヶ月で撮った写真達を載せます。

日本で下調べした情報と事実の比較

ここまで1ヶ月留学日記を書いてきましたが、意外とこれについて書いていなかった気がするのでまとめます。

ノルウェーは物価が高い?

ノルウェー(というか北欧)は物価が高いというイメージがあると思います。実際僕も同じイメージを持っていましたし、テレビでも「ノルウェーの物価は日本の4倍くらい」と言っている所を見たことがあります。
実際はたしかに高いです。ただし物によって日本との差は異なります。
ここまで1ヶ月生活してみてのイメージですが、ベルゲンでは食料品など生活に絶対に必要な物はそこまでとんでもなく高いことはないです。イメージとしては1.5倍〜2.5倍くらい。実際、この1ヶ月の食費は30,000円ちょっとで抑えられています。良いものを食べたいと思うと当然もっと値段は張りますが、普通に生活すれば30,000円くらいで収まります。

ただし日常生活に必ずしも必要でない品は相当高いです。
例えば…
・チョコ(ミニサイズのキットカットくらいの大きさ)6個入りで約770円
・ビール400mlで約1400円
・トロムソ(オーロラツアーがある観光地)にあるホテル(日本で言うアパホテル的な立ち位置)1泊で約25,000円(朝食付き)
という感じです。先ほど食費が30,000円少しで収まったと言いましたが、チョコを3、4回買ってしまったのでそれを入れると40,000円を越えています。それくらい高いです。

まとめると、ベルゲンにおいて普通に生活する分には日本で聞くほどとんでもない物価の高さを感じることはないです。

ノルウェーではほとんどの人が英語を喋れる?

これは本当です(少なくともベルゲンでは)。今まで結構な人数の方と会話をする機会がありましたが、スーパーやスポーツバー、IKEAの店員さんもワクチン接種会場の警備員さんもバスの運転手さんも僕が今まで会話をしてきた方全員が英語を話すことができました。ベルゲンは移民も一定の数いるため、最初は現地の人だと思われてノルウェー語で話かけられますが「Sorry?」と返すとすぐに英語で話し直してくれます。

ベルゲンはノルウェーの中でも比較的暖かい?

これも本当です。11月12月を経験していないため断言はできませんが、基本ベルゲンの冬の寒さは近畿地方の中部辺りと同じくらいだと思ってもらっていいと思います。ただし、風が強い日に雨や雪が重なると体感はマイナス5℃くらいの身体の芯から冷える寒さになるので、暖かいダウンやコートは必須です。


ベルゲンは雨が多い?

これも本当です。この時期に関しては天気予報はほぼほぼ雨or雪です。もちろん雨が止んだ時に少し太陽が顔を覗かせることはありますが、1ヶ月で快晴の日は4日しかありませんでした。また、山に囲まれている都市のためたまにとてつもない風が吹きます。雪や雨と重なるとリアル横殴り(斜めに降るとかではなく本当に雪や雨粒が横に流れている)になるため、その時は傘なんか何にも役に立ちません。もちろん大抵は風は穏やかなので傘は役に立ちますが、傘があるからカッパはいらないとは思わないほうが良いです。

雪がこれくらい斜め振りになる風は大体週に1回くらいはあるレベルです。

ノルウェー(ベルゲン)と日本の違い

ほとんどベルゲンから出たことがないのでノルウェー全体としては全く違うかもしれませんし、比較対象の日本もあくまで僕の生活圏内の日本だということをご了承ください🙇‍♂️

日本よりもベルゲンの方が良いな、進んでいるなと感じたこと

・英語に正解がないイメージ
日本では色々な媒体で「正解」の英語を作り上げているように思います。学校の授業で扱うお手本の音声CDならまだしも、最近ではYouTubeやInstagramまで…ネイティブのようにきれいに発音するのが正解。それ以外はダサい、カッコ悪い、英語が話せるなんて言っちゃいけない。そんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、そんな簡単にあの域には達することは当然できないためにスピーキングの機会から逃げ、いつまで経ってもカタコトでさえも話すことができない人が多いのではないでしょうか。僕自身もその1人でした。しかしこちらでは留学生が非常に多いこと、母国語が英語ではなくノルウェー語であることが理由なのか、カタカナ発音に近い人、aとoの発音が分かりにくい人、CDかと思うくらい発音がきれいな人、中には英語なんだろうけど何度も聞き返さないと分からない人など色々な人がいました。語彙力に関してもネイティブ同等ということはなく、時にはスマホを使って英語を調べていることもあるしノルウェー語の授業の先生も「私も英語は勉強中だから間違えてたら指摘してね」と言い、実際授業中に英語が出てこずに学生に教えてもらっていることもあります。

それでも授業内のグループワークではみんな堂々と「私(僕)は母国語と英語は喋れるよ!あとは少し〜語と〜語も…」という自己紹介をします。
このようにベルゲンでは正解の英語という考え方は感じられず、時には間違いがありながらも全員が自信を持って堂々と英語を話しています。
お手本に沿わなければ、正解の英語を話さなければならない
という息苦しさ、差し迫った空気がない所が日本よりもいいなあと思いました。

僕は現在中学生レベルの英語と身振り手振りを精一杯使って相手に何とか意味を汲み取ってもらうのが精一杯の状態で日本で同じことをしていたらこの上なくダサく見えると思います。それでも英語で会話ができないと生活が成り立たないので(翻訳機能をフルで駆使すればコミュニケーションは取れるかもしれませんが、僕はそれよりもカタコトで会話をすることの方がカッコいいと思う人間なので)今後も頑張ろうと思います。

16日ぶりの快晴の時の写真

・人が暖かい
誤解がないように初めに断っておきますが日本の方々が冷たいわけではありません。ただ、ベルゲンの方々は人として善とされていることを当たり前のように行う点で暖かさを感じました。
例えば年配の方やベビーカーを押している方に電車の席を譲ることや、街中で困っている人に声をかけること。日本でも善とされていることですが、少しばかり勇気が必要な行動ではないでしょうか。少なくとも僕自身はなけなしの勇気を振り絞ってする行為でした。しかし、ベルゲンでは電車に乗る際に切符を買う行為と同じくらい当たり前のようにそのような行為をしています。
助け合いが当たり前な暖かい人ばかりな所が良いと感じました。

・夫婦2人で育児をしている感じがした+その環境が社会として整備されていると感じた
これが日本との1番の違いだと感じました。僕は寮の角部屋で隣接する保育園の様子がよく見えるのですが、大体16時には迎えが来ます。早い人は15時。しかも迎えのほとんどがお父さん。子どもを迎えに来て駐車場でママ友ならぬパパ友同士でお喋りを始めることもしばしば。僕も小学生の頃保育園に弟を迎えに行くのによくついて行ったのですが、その時は99%の園児が母親の迎えだったし18時でも沢山の子どもが待っていました。7年近く前のことなどで現状は変わっているかもしれませんが、この点で日本とは違うなぁと感じました。

また、平日の昼間でも小さい子どもと電車に乗っている父親が多かったり、スーパーに親子3人揃って買い物に来ていたり、ベビーカーを押して3人で散歩をしている風景をよく見るので父親は仕事、母親は育児という日本の昔ながら家族の在り方は全く感じていません。かと言って女性ももっと社会進出を!とか男性も育児を!と声高に叫ばれている雰囲気もなく、育児も仕事も夫婦2人で行うことが当たり前のような雰囲気を感じます。
この点も日本より進んでいると感じました。

・街全体として心にゆとりを持っている感じがする
時間にルーズと言うわけではありません。1ヶ月中電車の遅延は1回だけでしたし、授業も延長はほとんどありません。ただ、開店時間が10時以降の商業施設が多かったり、日曜日にはほとんどのお店が閉まっていたり、とにかく労働者が人「材」としてではなく人として大切にされていて、自分の時間が十分に取れるような空気が社会全体に溢れていると感じました。
1つ前の話と繋がりますが、もちろん保育園も休日は預けに来る人がいないので開いていません。(開いていないから預けに来ないのかもしれませんが。)

電車の中から雪山を撮ってみました

ベルゲンよりも日本の方が良いな、と感じたこと

これまで日本よりも良いと感じたことばかり書いてきましたが、当然日本の方が良いと感じる点もあります。ベルゲンのことを決して悪く言うつもりはありません。むしろ今はすごく気に入って生活していますので、そこはご理解ください。

・食材(特に野菜)の品質が圧倒的に良い
日々ひしひしと感じています。まずは牛乳。本当に味がしません。コーヒーに混ぜると独特のえぐみが出ます。日本の牛乳は本当に美味しいです。

肉に関しても豚肉のコマ切れはないし、鶏肉も8割方ミンチにされています。美味しいんですけどコマ切れは欲しいなあ…

1番の違いは野菜です。日本だと何も考えずに手に取っても腐っていることはほとんどありませんよね?
ベルゲンでは(少なくとも僕が使うスーパーでは)違います。きちんと自分で手に取って判断しないと腐っているor怪しいレベルに身が柔らかいものが本当に多いです。このことを分かっていないため玉ねぎ事件が起きました。
詳しくはこちら。

あとはこれは1回だけですがレタスの中にイ○ムシがいたりと、フレッシュな陳列棚の見た目(本当に見た感じは日本と同じなんですが)に反して野菜売り場はなかなかワイルドです。

・食事の種類が豊富
日本食がこんなに素晴らしいものとは思いもしませんでした。米、うどんやラーメンなど複数の麺そしてパン、これほど多くの主食を多彩に使いこなすのはベルゲンではありません。本当に本当に本当に日本食は良いです。

・浴槽がある
隔離ホテルにも寮にも浴槽はついていません。やっぱり疲れた日は湯船に浸かりたいなぁと思うことあります。

・スーパーなどの営業時間が短い
平日、土曜日は23時営業しているためそれほど変わらないのですが、日曜日は開いていないor18時や20時に閉まるところが大半です。これが労働者優先の暮らしでノルウェーのいい所かもしれませんが、日曜日に晩御飯を作っていて、「あ!これが足りない!」となった時に買いに走れないのは日本と比べると不便に感じざるを得ないです。

この辺りが最初の1ヶ月を通して感じたことです。
当たり前だと思っていたことがベルゲンでは当たり前ではなかったり、逆に日本では見たこともないような光景を目にしたりと日々刺激を受けながら生活しています。

何よりいつ見ても空にカモメが飛んでおり、時間がゆっくり流れていて人々が精神的な余裕を持って生活している雰囲気のあるベルゲンは私を含め誰にとっても過ごしやすい、心地良い街だと感じています。留学生でもこの街の雰囲気や自然が好きだからという理由で3年以上留学生活を続けている人もいるくらいです。
そんな街だからこそ英語やノルウェー語をもっと話すことができて、色々な人と交流したり色々な店を回ってみたりしたらもっと楽しいだろうに…と日々思いながら何とか語学力を上げようともがいている最中です。
最初の1ヶ月は初めての海外生活&人生初の一人暮らしに慣れることに精一杯であっという間でしたが、1年間という長いようで短い、しかし短いようで長くも感じる期間だからこそ、張り切りすぎて途中でバテることなく、慎重になり余力を残しすぎてゴールすることもないよう上手くペース配分をしながら日々楽しんで過ごしていこうと思います。

今後も印象に残ったことは週間日記に書いて行きたいと思います。

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