シェア
椅子に縛られたお宮は、力尽きて目を閉じていた。香山は死んでいやしないかと呼吸を確認した…
一方で香山はお宮の話を聞きながら、自分が依頼されて、直接ではないにせよ殺害した女性Kの…
一連の会話を受けた凶手は、周旋人と全く別の見解を持った。 それは、貫一が明との対面を…
明を取り逃がした後、改めて貫一は自分の脇腹を確認していた。彼は明に何度か刺されたので、…
仕事以外でも人に手をかけてきた明が人の首を切るのはこれが初めてではない。後ろから対象の…
明がお宮を連れて出ていくと、ドアを閉める音がして、周旋人は一人ぼっちになった。何となく…
力ない歩き方で明が86に着いた。ふらふらと、わずかに道をそれながら、それでもしっかりこちらへと歩んでいるあたり、完全に意識が飛んでいるわけではないことを周旋人は確認した。遠目から観察すると凶手のシャツには血痕があった。そして、目は座り、どこを見るでもなくきょろきょろとしていた。香山は窓から顔を出して言った。 「どうしたんだ」―このときばかりは香山はすっかり我に返っていた。 心配する香山をよそに明は何も答えなかった。黙ったまま後部座席に座り、お宮の首に血のついたナイフをあて
香山は宅の机に置かれたノートパソコンで、中崎から送られてきた依頼を見ていた。組に持ち込…