大人も卒業する
スーツ姿のお母さんが、たくさん歩いている。
「そうか、卒業式か」
今年は桜はいつもより早い。卒業式に桜がぽつりぽつりと咲いている。入学式の前に散ってしまいそうだ。
子供たちは緊張したような表情で、学校へ歩いていった。きっと、校長先生から卒業証書を受け取る時、固まってしまうと思う。私もそうだった。そんなことを思い浮かべている。
だんだん大人になると、そんな経験が少なくなる。
そうだ、卒業ソングと言えば何が思い浮かぶだろうか?
荒井由実の「卒業写真」
アンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」
それとも海援隊の「贈る言葉」
何が浮かぶだろう。
私はふと、尾崎 豊の「卒業」が思い浮かんだ。
尾崎 豊を知っている世代は懐かしいと思う。
友達や恋人との別れ、そして、また新しいで出会い、そんな歌が多い卒業ソングの中で、尾崎 豊の「卒業」は特殊だと思う。
「この時代は学校が荒れてたよなぁ」
校内暴力に家庭内暴力。ヤンキーも多かった。
そんな時代、尾崎の歌詞は刺さった。
「これは10代の歌やなぁ」
当時はそう思っていたが、いま聞き直してみると
あと何度自分自身卒業すれば
本当の自分に たどり着けるだろう
仕組まれた自由に 誰も気づかずに
あがいた日々も 終わる
この支配からの 卒業
戦いからの 卒業
作詞作曲 尾崎豊
これは10代の歌ではない。
大人になって感じた。
大人も卒業するはずだ。
本当の自分にいつになるか、なれるか
まだわからない。
だから
何度も
何度も
卒業しなければいけないのかもしれない。
そんな気がした。
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