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真っ黒けっけはどこいった

真っ白な砂が目の前に広がる

うつむいていた僕が頭を上げると

オレンジ色の空だった

なぜこんなところにいるの

わからない

僕は歩いた

しばらくすると

何かがこっちに歩いてくる

どんどんどんどん近づいて

どんどんどんどん大きくなった

真っ黒けっけは何者か

真っ黒けっけは何者か

ゴリラみたいに大きくて

僕の前で立ち止まる

「君は誰」

とたずねても

黙って僕をみてるだけ

「どこへ行くの」

とたずねたら

「わからない」

とつぶやいた

「お前はどこへ行く」

僕も

「わからない」

とつぶやいた

真っ黒けっけは歩き出す

僕は黙ってついていく

どんどんどんどん離された

真っ黒けっけは遠くで振り返る

慌てて僕は追いかけた

やっと追いついて

「乗るか」

と大きな手のひら差し出した

僕は黙って手に乗った

高い高い 高い高い

僕は宙に舞う

しばらくすると空が青に変わった

今度は暑くて暑くてカラカラだ

遠くに木が見えた

あそこで休もう

そうしよう

木陰は涼しい涼しい座り込み

僕はもう一度聞いてみた

「真っ黒けっけどこ行くの」

「わからない」

「真っ黒けっけなぜ歩くの」

「生きているから」

気がついたら二人で眠ってた

目が覚めたら

僕はベッドの上

あれは夢か現実か

真っ黒けっけどこいった

不思議な世界に帰ったか



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