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【魔女と獣とふたり旅】くさび石となまけた龍と溶岩湖(2/10)【TRPG/リプレイ/完結済】

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メインフェイズ
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スポット『死をも焦がす溶岩湖』
魔女の子の手番 開始
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そして、時は今に戻る。

「ごめんなさい~!悪気はなかったんです~!!ここのカワイ子ちゃん達...あ...、鉱石達がとても魅力的だったので~~!!」 

スフィは、土下座を華麗にキメめる。

「それは当たり前のことだ。此処は魔力の源流。沸々と溢れ出る魔力は大地に染み渡り、その姿を変質させ…我が口に見合う極上の鉱石となるのだ。」
「小さき者よ…正直に言え。楽にしてやろう」
 
「いやっ、その~...奪うつもりなんか無いんですが~...ちょこ~っと分けて欲しいな~なんて...。」

土下座の状態から少しだけ顔を上げ、紅き龍の様子を伺う。生死を別つこの状況で、ベルトに吊るされた魔石が能天気に騒ぐ。 

「わ!私!はなんも悪くないよ!!つ!連れてこられただけなんだからッ!」
「ちょっとぉ...!タンちゃん!黙ってなさい今は!」

小声でそう言いつけ、魔石を覆う様に手を被せる。

「むむむ~!」
 
「分ける?何故我が小さき者と交渉せねばならん。………?」
「…全く部外者が多い日だ」

龍は周囲を警戒する。よもや、喋る魔石があろうとは思えるはずもなく。

「(こわ!こわこわ!!)」
「もう!タンちゃん!あんまり震えないでよ!くすぐったいから!」
「……そこか」
「ぎいぃぃやあぁぁあ~~!!!!一瞬でバレたァァ!!」
「…ッハ!?」

スフィは口を押えながら、恐る恐る龍を見上げる。視線がばっちりと合った。龍はスンスン…とキミの匂いを嗅ぐ。

「…これは…魔石か?…いや…こんな匂い…嗅いだことが無い……。…南の果ての神殿の最奥にあった魔石よりも…。…いや、違う。…それ以上か…?」
「北の山脈の深部の鉱石…いや…もっとだ……比べるまでもない……何処だ…?」

樹齢千年を超える大木の様な前足を、器用に顎に沿わせて顔を傾ける。思案を続けながら、龍は語り掛ける。
 
「そこな小さき者よ。」
「はっ!ひょわ、ひゃい!」

スフィの背筋が瞬間で伸び切る。返事が裏返ってしまった。
龍は、鈍く光る大爪でガタブルと震える魔石を指さす。

「その魔石…何処で採った?」
「えと、この子ですか...?」

覆った手を離し、タンちゃんを露わにする。

「ぎょ!ぎょえーーー!!!」
「私が造ったものですけど...。」
 
魔石は激しく振動する。もはや超音波を発しているかもしれない。

「この子が、どうしましたか?気に障ったのなら...」
(ごめんね、タンちゃん。ここでお別れかも...。)
「ビビビ!!こぉんの!薄情モンがああ!!!」
 
グァっと容赦なく迫り来る強面。生じた風が前髪を揺らす。

「…なんだと……?! ……造った………と言ったのか?」
「う...はい。私が造りま、した。」

威圧を受けて、途切れながらも返答する。

「なん…だ…と……。……探しに行こうとも……見つからぬではない…k……」
「…いや…待てよ…?小さき者だぞ…?…かような代物を作れるはずが……」

龍は首を傾げる。そして向けられる懐疑の目線。

「私、これでも土の守護を受けた魔女なもので...。いっぱい良い子たちを造るのが生業ですから。」

スフィは頭の後ろに片手を置き、くしゃりと照れ笑いをする。龍の頭部が縦に小さく揺れる。

「なるほど、興味が湧いたぞ、小さき者よ。我はそんなに美味そうな魔石を生まれてこの方見たことが無い。その技、すぐに出来るのか?材料は提供しよう。最上のヤツをだ。」

ガバァッ!と大口を開けて、どうだ?小さき者よ、と囁く。交渉なのか脅しなのか。きっと脅しに違いない。
 
「ひぃぃえぇ!!なんか食べられそうなんだけど!!??あ~人生オワッたわ~。いや石生?あはは~何でもいいや~~~」
「食べられないようにしてあげるから!震えるのをやめっ、...くすぐったいから!」

ピタッと震えが収まる。そして上機嫌な声が君の頭に響く。

「分かった!頑張って!私は美味しくない様に偽造するので精一杯だから!」
「出来るのか? 出来ないのか? 出来るな?」
「は、はい!スフィーネ・アッシュヤード!励ませて頂きますっ!!」

その場に立ち上がり、びっ、と姿勢を正して言う。

「…そうか。」

口角が少し上がった気がした。よだれがタラリと垂れていた。

「…しかしその小ささ。 …なれば…」

何かを思案した後、ばさりと翼をはためかせた。君は爆風を叩きつけられつつ、何とか耐えることしばし……

「………?」
「やはりこの姿は窮屈だな」
「......!?りゅ…え!?」

肩を叩きながら歩いてくる “女児” がいた。目を見開いて眼前の光景に戸惑う。

「?」

女児は首を傾げつつ、路傍の石柱をぶん殴るとバゴーーン!と爆音が轟く。石柱の下部が爆散し、支えを失い倒れようとする石柱を片手でムンズと掴む。
ひょいと持ち上げて、誇らしげにその断面を見せる。そこにはキラキラと光る鉱石がびっしりと詰まっていた。
 
「これだ。 ”美味そう”だろう?」 

“ほれ、やって見せろ”

そう、言外に匂わせるのであった。
 
ーーー
行動判定<生きる為に!魔石を作るべし!!>
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有利の宣言を2つどうぞ!
 
スフィ
土の守護魔女の加護により鉱石の種類の判別が容易
 
GM 有利1、受理!
 
スフィ
自分が持っている魔石を龍に見せて、好みを知る
 
GM 有利2、受理!

基本で振れるサイコロが3つ。そこに有利が2つ乗って、計3つ増やせます!なので6つ振れる!YOHOO!!難易度1の判定です!6b6でサイコロをふるのです!!
 
スフィ 6b6 (6B6) > 4,3,3,3,4,5
 
GM
成功1! 災いなし! 成功です!
それでは、RP行ってみようか!


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第3話は以下のリンクからどうぞ!良かったら「💛」も押して行ってください~!



紅き龍、少女バージョン 自作絵です。無断転載厳禁。

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