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【魔女と獣とふたり旅】くさび石となまけた龍と溶岩湖(7/10)【TRPG/リプレイ/完結済】

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スポット『紅き龍の宝物庫』
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自然に発光する鉱石が散りばめられた通路を抜け
 複雑な形状をした突起物が、縦横無尽に生える大広間を越えていく。
 
紅き龍
「そろそろだ。疲れてはないか?」振り返って聞く
 
スフィ
「大丈夫ですよ!鉱石あるところスフィーネあり! 上物の鉱石達に会えるのならばこの程度...!」

ビシリ、と親指を突き上げる。いい笑顔だ。
 
紅き龍
目の前の壁を見上げ、遥か上にぽつんと見える横穴を指さす。

「ガハハ! その意気だ。」
「あの穴の向こうだ。 よじ登るには高すぎる。 故に」

ガバっとお姫様抱っこした。
 
スフィ
「わ、ひゃっ」

気の抜けた声を出して両腕に収まる。
 
紅き龍
ギュンと大きく飛び跳ねて、そのまま穴に飛び込んだ!
 
「~~っと。」
「…ここだ、スフィよ。」
 
腕の中に収まったまま、辺りを見渡す。そこには見渡す限り、鮮やかな光を放つ様々な鉱石が敷き詰められていた。灯は無い。それなのに、宝物庫は昼間と勘違いする程に明るかった。
 
スフィ
感嘆の声が漏れる。

「...わぁ...!!」
「凄い...すごくスゴいですね!ここ...!」
 
紅き龍
「であろう!! ガハハ!!」
「光量は、内在する力に比例して多くなる。」
「気に入ったか?」 ニヤリと嗤った
 
スフィ
「はい!気に入らないことなんて無いです!!」
 
紅き龍
「そうかそうか。」 うんうんと自慢げに頷くのであった。
 
――

君達は、いたずらにだだっ広い宝物庫を進む。そして、やがて最奥の地へと足を踏み入れる。そこには、入口にあった物と比較して、より複雑な色彩を放つ鉱石が、乱雑に埋め込まれていた。

この最奥の地に埋まる鉱石が持つ魔力は、この広間の中でもかなり多いと土の魔女である君には分かるだろう。龍は、鉱石を眺めながら、ぽつりと呟く。
 
紅き龍
「我は。…鉱石の魅力はその内在する力だけだと思っていたのだ。」
「しかし、それは…お主に振る舞ってもらった極上の魔石料理によって塗り替えられてしまった。」
「……一度知っては、もう戻れまい。…全く困ったものだ。」
 
どこか儚い表情を浮かべた。
 
スフィ
「そうですか...それは嬉しいですけど。」

紅き龍のその眼差しが少し気になって、生返事に近いものになってしまった。
 
紅き龍
ドアをノックするように、軽く壁を叩く。その気安い所作に反して、鉱石は勢いよく砕け、大きな塊がゴトリ…と手元に落ちる。君に鉱石を手渡しつつ語り掛ける。
 
「……分かっているであろうが」
「我は力の制御が出来ぬ。それ故に…どうしても、鉱石の色が混じってしまうのだ。」
 
スフィ
「なるほ、どぅわっ!...お、重た...。」

軽く渡された故に片手で受け取ろうとしたが、その重量は慌てて両手で支えなければいけないものだった。
 
紅き龍
スッと 鉱石が墜ちる軌道上に 手を伸ばす。

「あぁ、すまない…どうにも感覚がな、掴めんのだ」テヘ
 
スフィ
「ど、どうも。じゃあその、色が混じらないように採掘したい、ってことですかね?」
 
紅き龍
「如何にも!」
「我の願いが叶えられた暁には!」バーン
「お主の願いも叶えてやろう~~!!」バーン!

大きく手を広げて、ガハハと笑った。
 
スフィ
「え、そういう話なんですか?」
「アタシの願い...なんだろうなぁ。」
 
紅き龍
腕を組んで何故かしたり顔で頷く
 
スフィ
「願い...願い...あ、じゃあ見たこと無い鉱石がありそうな場所に連れていって欲しい...とか。」
 
紅き龍
「お主が見たことが無い鉱石………」
 
ジュルリとお腹が空いてそうな音がする。

「しかし、何故だ?」 キョトン
「我は龍であるが故に絶大な力を有する。その我が、願いを叶えてやるというのに…旅…?をするだけで良いというのか? 冗談ではなく貴様が望む世界を手に入れられるというのに」

瞳が燃えている気がする。絶対ろくな事を考えていない。
 
スフィ
「あはは...。」

龍の瞳に少し怖気づきながらも続ける。

「龍さんが言うならそう出来るんでしょうけど、それじゃあ、あの頑固な師匠は納得しないでしょうからね。」
「龍さんと会った場所や、ここだったり。アタシが街では見ることが出来ないカワイイ鉱石が世界にはいっぱいあるんだろうなって。」
「それに...」
 
紅き龍 「…それに?」
 
スフィ
龍の角にしがみ付いていた時を思い出す。

「空を飛んだあの時、この大火山の向こうが見えたんです。」
「必死だったからちょっとおぼろげだけど、灰の降る街では考えられない森や水の流れが向こうにはあった。」
「そんな場所にはどんな石が待ってるんだろうって、興味が抑えられなくなって。」
「だから、龍さんが良かったら連れて行って欲しいって思ったんです。」
 
紅き龍
「ふむ……しかしだな…………」
「我には、美味い鉱石を探知するような力は無いのだ。……ここも、太古の昔になるが、住んでいた龍を追い出して手に入れた場所であるからな……」
「我の翼があれば、どこにでも連れて行ってやれるが……」

ウーンと悩んでいる。それもそのはずだ。ここを出た先で、美味い鉱石があるとは限らないのだから。ま…まさか…そ…そんな力を持っているおなごがいるだなんて……思いもしない……
 
スフィ
「探知...?それならアタシの専門分野じゃないですか。」

さも当たり前の様に話す彼女の腰で緑色の魔石が光る。
 
タンちゃん
「え?! 人任せなの?! え?!」 小刻みに揺れる
 
紅き龍
「専門…? 見つけられるのか???」 キョトン
 
スフィ
「空を飛んだ時、溶岩が噴出する場所が見えたのは、その力の応用ですからね。」

少し胸を張りドヤる。
 
紅き龍
「ほ~~………ぁ…あぁ…なるほど……」
「それが故に…我の寝床にたどり着いてしまったわけか……」納得の表情
 
スフィ
「そうですね...膨大な魔力が視えて、それで近づいちゃった訳ですね。あはは...。」

頭を押さえて困ったように笑う。
 
紅き龍
君にガバーっと顔を近づけ、不敵な笑みを湛えて言う。
 
「ふむ。……であれば!ここを出ても問題ない!と、いうことだな?」
 
スフィ
「ひぇ...。」

思わず声が出た。

「あ、は、はい。アタシならこの外でも見つけられるはずです...魔力を蓄えた鉱石の場所。」
 
紅き龍
「…なるほど………」
「…ならば! 決まりだ!」
「我は、お主…スフィが望む場所へ連れていく。」
「お主、スフィ―は、我に極上の魔石を振る舞う。」
「…それでよければ」
 
言いながらスッとキミの前でしゃがんで角を差し出す。

「己の証となる物を」
「この角に。魔力でも何でもよい。モノを吊り下げるでも良い。なんにせよ、それが、龍が交わす契約の形なのだ。」
 
スフィ
「あぁ~そうなんですね。それじゃあ...さっきの...え~と...あー、あったあった。……これをここに...……」

――
行動判定<作れ!角飾り!>
――
 
スフィ
有利1:鉱石ちゃんを無駄にしない!自然に優しく!廃材を使う。
 
GM
3Rの精神。GM、大変に感銘を受けました。受理。
 
スフィ
有利2:廃材の中でも綺麗な物を持ち帰ってアクセサリーにしていた経験がある。
 
GM
有利2つ!受理!それでは、6b6で判定をどうぞ!
 
スフィ
6b6 (6B6) > 3,5,5,1,2,2
 
GM
災い1、成功2。
選択肢は2つあります。
①災い1を成功1で打ち消して、普通の成功にするか。
②災い1を通して、成功2で成功して、ボーナス1を得るか。
 
スフィ
一回災い表を振ってみますね!
1d6 (1D6) > 2 :不評
 
GM
なんてことだww
 
スフィ
成功1でwww
 
GMおk。w では作れました!引き続きRPをいってみよう!

――

スフィ
「……よしっと……。う~~ん、我ながらいい出来ですねぇ。」
 
それは"美味しい魔石"を造った時にできた屑魔石をあしらった首...いや、角飾り。出来上がった物を眺めて恍惚としている。

「お待たせしました。それじゃあこっちの黄色いのを。」

紅き龍の角にチェーン部分を通し、掛ける。

「さっき、赤と黄の鉱石で魔石を造ったので、赤い方はアタシが持ってますね。…これで、契約は成ったでしょうか?」
 
紅き龍
「おぉぉ~………」

頭を軽く揺らして角に掛けられたそれの柔らかな煌めきを眺める。

「ふむ! 食欲はそそられんが!」
「これはよきモノだ!」
 
スフィ
「...そうですか!」

気に入ってもらえたことでスフィの顔はパッと明るくなる。
 
GM
キーピース<絆を繋ぐくさび石> 獲得!魔女の子は魔力を2にしてください。所持キーピースがシナリオ値と同値になりました。解決フェイズへと移行します。

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第8話は以下のリンクからどうぞ!良かったら「💛」も押して行ってください~!


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