緊急実録体験談 いただき投資詐欺女子VSいただかれない中年男
この文章は、人の不幸はエンタメの味、でお馴染み、俵省太郎製菓。
見つめ続けて50年、俵&I 共同科学、その他ご覧のスポンサーの提供でお送りします。
C M
「あ、あの人なにもない平らな道でつまずいて転びそうになってる」
「あっ、待って待って、上司にお叱りを受けている新入社員よ」
N「人の失敗を見ながら食べる美味しい和の心、省太郎印の深い味わい」
「うわっ、上司の悪口投稿してる、やっぱすっごい傷ついてたんだぁ」
N「人の失敗とよく合う白餡がとろり滑らかな舌触り。世の不幸を笑いながら作る伝統の製法、俵省太郎製菓の水水手毬唄、ご賞味ください」
唄:人の不幸は 蜜の 味~♪ 「ミツノアジ(子役:男児2歳半)」
※ N (ナレーション)
都会の街並み(夜)
街を彩る騒がしいネオン街、群れを成す人の波。
俵S太郎(48歳)が薄汚い路地裏へ俺を連れ行くと、転がっているダンボールを平らに潰し地面に敷く。ゆっくりと段ボールに腰を下ろした俵氏は大通りに輝くネオンの光を眩しそうに眺め、低く枯れた声で。
俵「ま、座って話でもしましょうか」
俵氏、軽く咳き込むと懐から飲みかけのほうじ茶のペットボトルを出し、一口飲む。
俵氏に促されダンボールに腰を下ろした俺は、使い古したICレコーダーを彼に向け、録音ボタンに指をかける。
俵「ん?一曲歌えって?」
俺が表情を変えず黙って首を横に振ると、彼は鼻で「フンッ」と笑い、
俵「来生たかおは、お嫌いのようだね」
- これより本編 -
すべてはいつも突然に
それは、つい先日の出来事。
H実(27歳:俵氏の妻)が推し活仲間のA子(25歳:キャバクラ勤め)に金を貸したそうだ。
そしてその翌日、困った方向へ話が進んでいるのでは、と疑問を感じたH実は、夫であるS太郎(48歳:つまり私)に報告。
妻H実のスマホ内で繰り広げられている発端となるA子とのやり取りを目を凝らし腕を伸ばしやや話した状態で見てみた。老眼だからだ。
A子「急でごめんなさい、23万円貸してもらえないですか?」
H実「えー?それはちょっと無理」
A子「10万、10万で終わるから、1時間後に返せます」
H実「終わる?どういうこと?」
A子「投資詐欺にあってすぐお金がいるんです」
A子とは推し活仲間で一緒にライブへ行くなど、最近よくH実と行動を共にし、A子は地元の専門学校の後輩でもあるし、このまま見捨てるのも気が引けるが、そんなにたやすく10万円ものお金を、、
H実「うんわかった、10万ならすぐ貸せるからその口座に振り込むね」
A子「ありがとう1時間後に返します」
誰もが目を疑いたくなるこのやり取りは、もう昨日の事だった。そして、ごく当たり前のように一日は過ぎ、1時間後であった返済の約束は、既に遠い昔のおとぎ話になっていた。
A子「今日中に返します」
A子「ごめんなさい、明日までに返します」
との無責任丸出しの短いメッセージを最後に連絡は途絶えていたのだ。
夫・俵氏への引継ぎ
そのやり取りを全て把握した私は、まずは妻・H実に
「残念だけど10万円はおそらく戻って来ない、いや絶対に戻って来ないな」
という、世間一般の感想を提示。
しかし、私は今年三月に籍を入れたばかりのH実の夫である。
であるとするのならば、まずは夫の義務として心に誓うは、妥協なきA子への攻撃的姿勢とお金が返済されようとされまいと、愛する妻のため、世に暗躍する悪の心を打ち破るため、全力を尽くすのみ、であると。
「A子に金を返す気持ちなど毛頭あるまい」と強く断言した私は、妻からスマホを奪い取り、まずは迷いなく、A子へLINE電話を行った。
・2度かけるも出ない
・電話に出るよう、メッセージを送る
・「いま警察署です」のみの返答
・「心配だから電話で話できる?」とのメッセージを送るが反応なし
・3度目電話をかけるも無視
その後、長文メッセージを送信
お金を返す気などないとの読みに間違いはないと確信した私は、まずはH実の夫である俵S太郎が交渉相手であることをA子に伝え、今現在我々2人のA子に対する心境と不安しかないこの状況、そして、このままだと貴様は大変なことになるとの警告を文章で送った。そう、一粒のジョークを添えて
少しのジョークは相手に苛立ちと戸惑いを与える
なぜジョーク(冗談)をわざわざ入れるのか、それは、ただ単に生意気な小娘をからかってやりたい気持ちと、私が柔軟で知的で余裕のある大人だと小娘に知らしめ、相手をジワジワと精神的に追い詰めるという合図であり、その気配を相手は無意識に感じ取り苛立ちを覚えるのだ。
さあ、イラついて返信して来るのだA子よ。
C M
「ねえねえ、馬鹿って綺麗な水を濁らせると元に戻るまでどのぐらい時間がかかるか分からないんだって」
「そう、だから馬鹿は街を汚すんだ」
「馬鹿ってムカつく」
「でも、そういった馬鹿を我々が守っていかないといけないんだよ」
「えー?どうして?」
「馬鹿が1人取り乱すことで皆の中で眠っていた馬鹿が呼び起こされると馬鹿が濁った水のように広がっていく。馬鹿は刺激せず皆んなの優しい心で包んであげれば安全なんだね」
「ふーん」
昨年、馬鹿の言動の25%に霊長類へ害を及ぼす可能性の高い高電磁波が含まれるとの研究結果が発表されました。馬鹿に異変を感じたら、まずは俵&I共同科学無料相談窓口、または、お近くの保健所にご連絡ください
- CMおわり -
来週末まで待ってください
私の法的手段を仄めかしつつジョークを交えた長文を読んだA子からこう返事が来た。すぐに返事が来たのは良い兆候だが、この返事はただの先延ばしにすぎないのは誰の目にも明らかで、「もうこれでひと先ず黙ってよ」と言われているに等しい返事なのだ。あと、案の定私のジョークに「馬鹿にしてるんですか?」との返答もあった。
A子への強い疑いの気持ちが消えることのない状況に、ここで黙って静観する等という選択肢などあってはならない。
親に借りる
その後、親と話しをして来週末には借りたお金を返済する、というところまで聞き出せたのだが、やはり信用できる筈もない。今までに2度約束を破っているA子に抱く気持ちは、二度あることは三度ある、のみだ。
ここで、別の角度からやり取りを続けることにした。何故ならば、そもそも、A子が最初に言っていた、「投資詐欺にあった」、という言葉こそ今回のキーワードであり、解かねばならない疑問なのである。
問いかけ
LINEからPCメールへと誘導し、A子とのやり取りを続けることにした。理由は、老眼も進行しスマホの小さい文字を見るのが辛いから、と、PCのキーボードはスラスラ文字が打てて快適だからだ。
S太郎:PCより送信メール
親と話をして親がお金を出してくれるのなら、いつ頃になるのか、こちらにいつお金を返せるのか、具体的な日付ぐらい分るでしょう?
来週末とだけ適当な感じに言われても、今まで2度約束を反故にしている、いわゆる言ったことを守ってないわけだし、全く信用できない
A子:返信
さっき親と電話しました。親も来週返事するから待ってくださいとのでした。私も返事があるまでなんとも言えないので、静かにお待ちください
S太郎
(セリフ)「キーーーーーーーーーー!!!!!!!」
ー S太郎リラックスタイム ー
10分後
S太郎:PCメール
投資詐欺の件の説明はいつしてもらえますか?嘘ですか?
嘘ついてお金を借りて、返す日時も嘘だと完全に詐欺になりますけど、説明はしてくれないのですか?
それも説明できないようなら何も信用できませんが、どうされます?
静かに待ちたいので説明してください
A子:返信
投資詐欺の件はどう説明したらいいのでしょうか?
写真を送っても信用できるのでしょうか?
無駄に写真をばら撒く必要はないと思ってます。
来週末までお返事を待ってくださいと伝えました。
私も詐欺にあっているので、これ以上どう説明しろと言うのですか。警察も対応してくれないのに、ならあなたが詐欺を解決してくれますか?
S太郎 感想
「あっ、こいつ、逆ギレはぐらかし(低級作法)」
疑念は更に深まる。何故、人からLINEで適当に金借りておいてその理由を説明もしないのか?
ここまで疑われていて証拠を示せる写真があるならどうして送ってこないのか?
何故、来週末までかかることを端的に説明しないのか?
私も詐欺にあっている、これ以上どう説明しろと言うのか、と逆ギレしているが、そもそも最初からA子は何ひとつ具体的な説明をしていない。
その理由は言わずとも安易に想像できてしまう
文末の、警察も対応してくれない、あなたが詐欺を解決してくれますか?という話の飛ばし具合からして、投資詐欺の被害にあっているという証拠も出せず、余程焦っているとしか見受けられない。
S太郎:A子の説明を読んでの感想
「これが本当だったらこのA子相当馬鹿だが、簡単に信用はできない」
「ネットで調べたら似たような事件あったし、コピペしている可能性が大いにあるので、ここから一芝居打ち、さり気ない詰めの一手で追い詰めてやろう」
S太郎 王手
当初、電話にも出ず逃げの姿勢を見せていたA子だが、私の大人なやり口によってA子を追い詰め、お金を返す約束をさせ、お金を借りるきっかけとなった投資詐欺被害の話も聞きだし、一通りやり取りが終わったかに見えた、が、、、
私は、
妥協を許さない。
手を抜かない。
粗を見逃さない。
そういった人間であり、『刑事コロンボ』を小学生の頃から何度もテレビで見ていて、大人になってもDVDを何回もレンタルしていた。そして、古畑任三郎よりコロンボの方が圧倒的に面白い。
そう、いわば私は、優秀な刑事と何ら変わらぬ思考を持ち合わせているのだ。絶対にそうなのだ。
これまでのやり取りでのウィークポイントを見つけた私は、相手が油断しきったところで「ズバッ!」と鋭く切り込み、一気に解決へと導くのである。
S太郎:返信メール
件名: 最後にもうひとつ質問
会社の弁護士さんに調査できるか相談してみるので、
詐欺を行っている事業者名だけ教えてください。
(※A子から聞いた経緯の中に相手の会社名などは書いてなかった)
もう疑ったりしていませんのでお願いします。←(当然まだ疑っている)
警察に相談するより、弁護士に相談した方がお金が返ってくる可能性が高いらしいです。
S太郎心の声(詐欺にあったのが本当なら相手の名前ぐらいすぐに答えられるはずだが、A子よ、お主に答えられるのかな)
逆襲のA子
A子:パソコンで画像の送り方わからないのでLINEでスクショ送ります
S太郎「ん~?」
「うわぁぁぁ、A子がーー!!
「うわぁぁぁ、A子、川島由香里に騙されてるーーーー!!」
そう、A子の送ってきた思いもよらぬスクショによって全て明らかになった。上記に紹介した他、合計87枚ものスクショが送信されてきたのだ。
A子は、自己資金が無くなると、知人から借りたお金を次々に謎の口座に振り込み、架空の売上金を引き落とそうとしたが、当然引き出すことなどできなかった。
何故ならば、スマホ上の仮想のお金は、空想の産物でしかなかったのだから。
当初の、A子はいま流行りのずる賢い頂き女子ではないか、との私の予想は見事にハズレた。ハズレて良かったのだが、複雑な気分だった。
あんなにもやる気を出してA子からお金を取り戻そうと頑張っている自分はいったい何だったのだろう。
A子は物の見事に詐欺師に騙された。楽して儲けてやろうとの欲深さが招いた悲劇だった。人から借りた大金を簡単に振込めるまで追い詰められていたのは、その瞬間は、やむを得ない事だったのだろう。
しかし、A子が普段からもっと謙虚に真面目に生きていれば、暇な時間にニュース番組や世間の話題に少しでも興味を示し一般常識を自然に身につけていれば、私にこんなにも無駄に責められ腹を立たされることも無かっただろう。
最後に、私がA子へ向けて最初の辺り、確か電話を無視された後に送った長文メールを紹介しよう。
すべての始まり 長文メール
C M
「馬鹿との事故にも保険が効きます」
「えー?ほんとに?」
「馬鹿に感じたストレスを5段階に細かく査定、状態に応じた保険料を最短1週間でお渡しできます」
「ふーん、そりゃすごい」
「皆さん、身近に馬鹿を感じたら、まずはご相談を」
「それって僕の年齢でも大丈夫?」
「大丈夫、70歳まで保険料は変わりません」
N「馬鹿の保険加入には一定の審査が必要です。詳しくは馬鹿専用ダイヤルにご相談ください」
C M
「馬鹿に関わる時間は一生のうち平均約1万8000時間、馬鹿の声を聞く時間1万200時間、馬鹿に悩まされる時間、3475時間」
「その時間なくしましょうよ」
「馬鹿に馬鹿と言わず、馬鹿のいない所で馬鹿を笑う最先端の技術指導。馬鹿をプラスの活力に変える独自のシステムを世界へ、そして未来へ」
「馬鹿に馬鹿と言う時代はもう終わりです」
コミュニティを明日へ繋ぐ 俵電工
- C M 終わり -
解決編
その後、A子には投資詐欺専門の弁護士や区役所の相談窓口に行けば無料で弁護士相談ができる、とのアドバイスをした
後日、妻が貸した10万円は、おそらくA子の父親名義と思われる口座から無事返済された
それと同時に妻のLINEに
「あの旦那おかしいんじゃないですか?ちょっと今後考えた方がいいんじゃないんですか?」
云々の捨て台詞が届いた
「は~い」
と返信せよ、と妻にお願いをした
妻は快く 「は~い」 と返信した
完
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