ただのファッション指南書にあらず「幸服論――人生は服で簡単に変えられる」を読んで
書籍の紹介文を読むといわゆるファッション指南書なんですが、読んでみると想像しているより深い内容です。まず、他のファッション指南書と違う点は、単にコーディネート解説をしているのではなくコーディネートを組む際の方程式を教えているという点。
老子の格言で、『授人以魚 不如授人以漁』という言葉があります。「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか」 という意味ですね。本書の目的はまさに魚の釣り方を教えるというものです。
良書は抽象的であると言われますが、ファッションという移り変わりが激しい分野の話でこそ、不変的な法則を学ぶことが重要だと思います。その点を意識してか、この本は文章のみでできており、実際の着こなしの画像や商品写真がありません。普通のファッション指南書ではありえない構成ですよね。
また、ファッションという一部のセンスある人間に独占されていたものを理論的に再現可能な技術・知識として広めたいというMBさんの思想に共鳴できました。他にも、人生訓や生き方にまで話が及び、自己啓発書・ビジネス書としても非常に優秀です。登場人物の会話形式で書かれているので読みやすく分かりやすいものいいですね。
本書を購入しなくても著者のMBさんの主張はyoutubeにてだいたい繰り返し主張されているので、本買うの高いなと思った方はyoutubeでMBチャンネルを検索してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?