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大学入学共通テストの出願、ようやくオンライン化(と言っても2025年から)

大学入学共通テストの出願手続きがようやくオンライン化するようです。

このニュース自体は歓迎すべきものではありますが、正直な感想としてはあと5年は早くできたのではないか、という感想を抱きます。

従来の出願

現役の高校生の場合、大学入学共通テストの出願は学校を通じて行います。

まずは学校が紙の出願書類を大学入学センターに必要部数を注文し(多くは最寄りの実施大学から取り寄せる)、それを生徒に配布します。

生徒は受験料を支払い、その払込証明書を願書に貼付して学校に提出します。

学校はそれを回収し、通し番号を振ってから大学入学センターに送付します。

大学入学センターは確認はがきや受験票を学校に送り、生徒は学校を通じて受け取ることになっています。

学校を通す仕組み

どうしてこのような学校を通じての申込制度となっているのでしょうか。

一つは大学入学センターの手間や郵送費用をカットするためです。そのために学校(というよりも教員)が利用されていることになります。

学校に送れば数百部単位で郵送費用をまとめられますし、集約業務も教員という名の外部のボランティアが勝手に行ってくれます。

もう一つは実施会場の割り振りの問題です。学校単位で割り振りを行う場合を考慮すると、学校単位で集約しなければ受験者数の集約が難しいという理由があったのかもしれません。

しかし、現在は送ったデータはコンピュータに入力され、データ化されているはずです。

そうであれば、学校単位の割り振りも自動でできますし、むしろ入力を行うスタッフの費用をカットできることを考えればもっと早く個人入力に切り替えるべきであったのではないでしょうか。

データの内容も自己申告

リンク先の記事内ではマイナンバーと紐づける云々の話が出ていますが、現状では特に紐づける意味はないでしょう。

なぜならば、これまでも大学入学共通テストに申し込む氏名、住所などは自己申告でしかないからです。

これらはあくまでも本人が書いたものをそのまま利用していただけで、戸籍謄本や住民票を添付していたわけではありません。

あくまでも振り込み人と氏名、そして受験番号が紐づけられていただけなのです。

マイナンバーに紐づける云々に関しては別に反対ではありませんが、それが原因で導入が遅れるならば紐づける必要はないでしょう。

無駄な業務の代表格

この大学入学共通テストへの出願業務は高校現場における無駄な業務の代表例の一つです。

外部団体が自分たちの手間を惜しんだ結果、学校にその業務を押し付けている典型的なものだからです。

こうした例はほかにも英検の管理業務や学生支援機構の奨学金業務などがあります。

生徒のことだから、生徒のためだから、という理由で学校に押し付けてきた業務に関して、これまでは多大なコストを理由に廃止するのが難しい状況でした。

しかし、ICTの普及により、生徒は個人での申し込みが容易に、それぞれの団体は管理業務が行える(そしてその方が効率的)ようになりました。

もうそろそろ学校に押し付けるのを止める時期が来ているのではないでしょうか。

今回の大学入学共通テストに関しては、国立大学がネット出願に切り替えた5年前には導入すべきものだったのではないか、と思うのです。

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