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中学受験は本当に厳しく、つらく、我慢をするだけのものか?


中学受験ブーム

関東地方を中心に中学受験ブームが盛り上がっています。

昨年度は東京近郊を中心にして、過去最高の受験者数となった中学受験市場ですが、本年度はやや頭打ち状態を見せつつあるようです。

とはいえ、受験者数は高止まり状態であり、「大中学受験時代」といっても過言ではありません。

中学受験は過酷

首都圏を中心に難関中学校を志望する受験生の生活は私のような九州人からすれば想像を絶する過酷さのようです。

特に親が難関出身、エリート層でもなく、富裕層でもないという場合、塾の費用だけでも生活を圧迫するレベルだと言います。

加えて中学受験の場合、保護者のサポートは必須です。送り迎えや夜食といった高校、大学受験と共通するものから、学習状況の管理やプリントの整理などの中学受験独特の学習面に踏み込んだサポートも必要となります。

それが小学校低学年ぐらいから始まり、4、5年間は続くというのであれば(そして中学入学後も経済的負担だけでなく、保護者会などのサポートが存在する)、親子ともども過酷である、ということは間違いありません。

地方(九州)の状況

こうした状況は地方においては少々事情が変わってきます。近年は受験者数も増加し、お受験熱が地方に広がっているとは言っても、九州ではまだまだ中学受験がそこまで一般化していません。

私立、国立中学進学者の比率は最も高い宮崎県で8%強、人口の最も多い福岡県で6%と東京都の25%以上や関西圏の10%強と比較すると、明らかに一般的な家庭の子供の選択肢としては機能していません。

全国平均で8%程度とされていることを考えると、明らかに低い比率です。

したがって受験競争もそこまで過酷ではありません。久留米附設やラ・サールといった一部の超難関校以外に関しては、低学年から対策をするといった文化もそこまで見られません。
(かつては首都圏遠征組のいたラ・サールも現在はかなり少ないようです)

そのため親子ともども目の色を変えて、死に物狂いで合格を取りに行くという雰囲気は少ない印象です。

つまり、リンク先の記事にあるような受験に全力を傾ける家庭はそこまで多くないということです。

中学受験者の強み

中学受験をしてそこで成長が止まってしまう、いわゆる「燃え尽き症候群」という生徒は現実に存在します。

しかしそうした生徒よりも、実際には受験に近づくにつれての勉強量の増加に適応し楽しんでいる生徒の方が多いように感じます、

私は中高一貫の生徒を教える機会もあるのですが、彼らの特徴は勉強に対して「当たり前感」の強い生徒が多いようです。

また、同時に学習や集中力の持続時間が非受験者と比べてかなり高い印象を受けています。おそらくはそれなりの勉強、勉強時間を小さいころから課された結果、集中力の持続の耐性が高いのかもしれません。

そして、何よりも以外に受験生はその生活を苦にしていない、ということです。

経験から考えると、過酷ではない

かく言う私も小学校から塾に通っており、国立大学附属の中学の受験を考えていました。結果的には受験しなかったのですが、それに向けての学習環境には身を置いてきました。

その当時の記憶を遡ると、週に2回、平日と土曜日の夕方~夜にかけて塾に自転車で通っていました。

私の家では母親が車の免許を持っていなかったため、基本的には自分で通うのが当たり前でした。自転車で30分近くかけて通っていたように思います。

平日は学校が終わってから、土曜日は3時間の学校の後、午後から英会話教室、その後は塾と忙しかったようです。

土曜日はおにぎりなどの軽食をカバンにいれておいて、英語塾のあとに夕飯を口に詰め込んで、その足で塾に向かっていました。

当時でも授業の終了は9時半過ぎ、そこから暗い中30分の距離を自転車をこぐのは現代では考えられないお迎え事情かもしれません。

しかし、私自身思い返してもそうした日々がつらかったというよりは、楽しかったという印象の方が強く、決して「過酷」という表現とは遠い印象なのです。(私の親は学習面でのサポートするようなこともありませんでした。)

中学受験をするということに関して、おそらくはほとんどの家庭では保護者が決定しているでしょう。

もちろん受験を煽る提灯記事に乗せられて受験をするのは考えなおすべきですが、今回の記事のようにあたかもすべての家庭で過酷な状況が生まれているという極端な論調に騙されるのもとまた違うでしょう。

親子で話し合いをした上で、目的意識を持った受験となっているのであれば、それはむやみやたらに過酷なものではなく、楽しんで通うことができるのではないでしょうか。




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