「やりきる力」Lineage リネージュ昔話013
突然ですが、皆さんは「やりきる力」に自信がありますか。
私は若い頃にはそれなりに自信があったのですが、最近はイマイチなので、日々の習慣などを見直していきたいと思っております。
さて今から約20年前、私がまだ20歳前後の頃に、MLM(連鎖販売取引。マルチ商法などと呼ばれたりもしますね。)で成功を収めている(要するにかなり稼いでいる)方が主宰する、セミナーに参加したことがあります。
セミナーとは言っても、勧誘が主な目的であることは明らかでした。
私自身にはMLMを始める気は全くなく、主催者の方がどのようなことを語ってくれるのか(そして、どのように勧誘するのか)、おかしなことを言っている場合に自分は論破できるかのかどうか、そういった興味本位からの参加でした。
参加してみて面白いと感じた点が3つありました。
1.やはり言っていることには嘘もある
2.ここまでやれば成功するでしょう
3.宿題をやりきった人は1人だけ
一つずつ、説明させてください。
1.やはり言っていることには嘘もある
主催者の方のお話には、嘘というか誇張した表現がかなりありました。直接的な嘘はつかないようにしているようですが、かなり誇張した表現を使っています。
マスコミや似非学者などが、統計を使って印象操作をするときのような感じでしょうか。
素直な人はそのまま受け取ってしまうのではないかと思いますし、私のようなタイプの人間が「嘘ですよね?」と突っ込んだところで、「そういう解釈もあるかもしれませんね。」ぐらいで言い逃れされそうな感じです。
セミナー会場でつっこむのは厳しそうに思えたので(完全にアウェイですしね)、帰宅後にメールで幾つか「これは事実と異なるのでは?」というような質問をしてみました。
返信はいただけたものの、やはり否定も肯定もしないような感じで、上手くはぐらかされたような印象を受けました。
2.ここまでやれば成功するでしょう
ここでタイトルの「やりきる力」に繋がります。この点に関してはその主催者の方は、本当にすごいと思いました。
主にセミナーを開催することで、会員を増やしているようなのですが、なんと海外でも頻繁にセミナーを開催していたのです(ロシアでセミナーを開催された際の資料などを実際に見せていただきました。)。
どのようにセミナーの集客をしているのかまでは、聞いていませんが、ここまでの行動力・実行力を持ってやれば、別にMLMじゃなくて他のビジネスでも、きっと成功するのだろうと思いました。
3.宿題をやりきった人は1人だけ
このセミナーには私を含め数十人の方が参加しておりました。
そこで主催者の方が、参加者全員に対して宿題を出したのです。
「簡単な内容です。でもおそらくここにいる人の中で、誰1人できないと思います。」
と前置きがされました。
その内容は「1年間、毎日1回、主催者の方にメールを送ること。」たったこれだけです。
そこに二つだけ条件が課されていましたが、それも簡単なものです。
・内容はなんでも良いが、何か一言ぐらいは書いてほしい。
・メールソフトの機能などを使って、自動的に送るのは禁止。
結果的に数十名いた参加者の中で1人だけは宿題をやりきったそうです。
「誰1人できないと思います。」といった主催者の方の予想がはずれましたね。
その宿題をやり切った、ただ1人の参加者とは、若かりし日「やりきる力」に自信があった頃の私でした。
しかしたったこれだけのことが、ほとんどの人にはやりきれないのです(あのセミナーで勧誘されて会員になった方々のその後はわかりませんが、この宿題をやり切れない程度では、きっと成功者にはなれなかったのではないかと、推測しています。)。
そして多くの人が自分が「やろう」と思った何かさえもやり遂げられない理由は、この簡単なことをやり切れないところにあるのではないかと思っています(今の私自身に対する、自戒を込めて書いております。)。
さて、これが本題かのようなテンションで書いてしまっていますが、本題はここからです。
これは私の「リネージュ昔話」ですからね(笑)。
リネージュの中でもやはり「ここまでやれば成功するのも当然」と思った、2人の方と出会いました。
1人が別の記事で紹介したBlueShineさん。
「3日寝ないのは当たり前」と語り、実際に3日寝ないでゲームをプレイしたりしていました。
これも一つの「やりきる力」だと思います。
そして、もう1人が今回紹介するプレイヤー。
アシッド(=あしっど=王水)さんです。リネージュJP2カノープスサーバーにおいて、鬼導という血盟のリーダー的存在でした。
鬼導血盟を外部から見ると、一部のボス及び狩場独占を目的としたチームだったのではないでしょうか(実際にはそこまでガチガチだったわけでもありません。ただ「今よりさらに強くなろう」「ナメられたら終わり」みたいな雰囲気はあったと思います。)。
以前他の記事で
「うちのクラン(チーム)のことは知ってますよね?今後バフォ(というボス)に関わらないでいただきたい。」
という脅し文句を紹介しておりますが、その発言はこのアシッドさんのものです。
自分のチームが狩りたいボスに関わる者はPK(攻撃)して排除するという意思表示です。決して脅しではありません。本当に徹底的にやります。
この「PKを徹底的にやる」というのは、意外と面倒です。PKそのものには何らメリットはありません。むしろゲームシステム上はデメリットだらけです(死亡時のリスクが大きくなる。何度もPKをするとゲーム内で地獄という、強力なモンスターだらけのマップに強制移動させられる。など)。
ただ自分に逆らう者を減らすために、ゲーム内で行えるほぼ唯一の手段がこのPKでした。それゆえ彼は徹底的にやっていたのだと思います。
また経験値やアイテム稼ぎが効率よくできる狩場に、このような便箋を置いていました。
「アシッド:この先、立ち入り禁止」
ここは自分がモンスターを狩っている場所なので、他のプレイヤーが入ってきた場合はPK(攻撃)します。という意思表示です。
そして実際に、彼の狩場に足を踏み入れる勇気がある者は、ほとんどいませんでした。入った場合はもちろん攻撃されます。
※面白いことに、この便箋をこっそり拾って、自分の狩場に置く。ということをした人がいました。やはり誰も入ってこなくなるという効果があったようです(笑)。
もう一つ忘れられないことがあります。
思い出すだけで面白くもあり、恐ろしくもある、パソコンを10台起動してのリネージュのプレイ(4台は自室にあるもの。残りの6台は妹さんとお父さんの部屋にあるものを、留守中に使わせてもらっていると言っていた気がします。)。
もちろん10台すべてを自ら操作することは不可能です。しかし外部ツールによるマクロを使って複数のキャラを動かしていました。それぞれが自動的に補助魔法(キャラクターを強化する魔法・スキル)を使ったり、ボスを見張ったりしていたのです。
そしてそれらをチームメンバーも利用できる状態にしてくれていました(補助魔法を使うキャラクターは、メンバーからメッセージを受け取ると、自動的に補助魔法をかけるようなマクロが組まれていました。)
ボスに関しては、出現したという通知をメインのキャラクターに送るようなマクロが用意されていました。
そして彼は連日のように、寝落ち(何かをしながら眠りに落ちてしまうこと)するまで、ひたすらゲームをプレイしていました。
ここまでの熱意を持って何かをやりきることができれば、他のゲームでも、ビジネスや学業などでも、きっと成功できるのではないかと思います。
加えて彼には、狂気とも言える、何かがありました。
城を持つ大きなチームまでもが「(アシッドがリーダーである)鬼導血盟と揉めてはいけない」と判断するほど、彼には「こいつを敵に回してはいけない。」という雰囲気があったのです。
これは現実世界でもそのような性格を感じるさせるものがあったらしく、ある知人が実際にアシッドさんと会った後、このように語っていました。
「15年以上も武術をやってますから、仮にアシッドと現実世界で殴り合いをしたら、一瞬で倒せると思いますよ。しかし、もし彼と揉めるなら、〇す覚悟が必要だと思います。揉めてトドメをささなければ、自分が〇されるような気がするんですよね。いくら鍛えていても、急に後ろから刺されたりしたらどうしようもないですからね。長らく武術をやってきたせいか、どれぐらい危険な人かというのは、なんとなくわかるんですよ。」
……いったいどのような雰囲気の人物だったのか、未だに気になる方の1人です。
締めくくりに。
以前、弁護士であり元大阪府知事でもある、橋下徹氏の著書を読んだとき、このようなことが書かれていました
「自分は、手を抜かずにやっているだろうか」 ・「自分は、圧倒的な量をこなしているだろうか」 ・「自分のウリに関して、誰にも負けないというくらい、行動できているだろうか」
冒頭で書いたMLMで成功されていた方も、リネージュプレイヤーのアシッドさんも、分野は違えどそれぞれ自分が「やる」と決めたことをやりきっていたと思います。
だからこそ、それぞれの分野で成功を収めることができたのでしょう。
自分自身を振り返ってみると、ある時期には確かにできていたと思います。
そしてその頃の私は、自分が「やる」と決めた分野で、ある程度の成果を出すことができていたと、自分では思っています。
今の私には、おそらくそれが足りていません。
選択肢の1つは自分が今やっている分野で「やりきる」こと。別の選択肢は、自分がやりきれる他の分野に進むことです。
私は後者を選ぼうとしていますが、まだそれをやりきれているとは言えません。
「アイデアには意味がない」という言葉を、何かの本で目にしました。
何かヒット商品が生まれた際などに「自分も同じようなことを考えていた」と軽々しく口にする方がいます。
その「アイデアには意味がない」のです。ヒット商品を生み出した方は、アイデアがあったからヒット商品を生み出したのではありません。
行動したから、ヒット商品を生み出すことができたのです。
皆さんは誰にも負けないというくらい行動できていますか?私はまだまだのようです。
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