読書ログ 『強いチームはなぜ「明るい」のか』
どんな本?
著者は慶應義塾高校・大学の野球部を好成績に導いたメンタルコーチ。「メンタルを先天的なものではなくメンタルスキルとしてとらえ、強化する」ことにはまっているVodkaにとって、メンタルを強化して勝利を勝ち得たチームの話はとても魅力だった上、慶應義塾はVodkaの母校でもあることから購入。慶應高校が「エンジョイベースボール」を標榜しながらも全校生はという「結果」を手にした秘訣が書かれており、今後の人生に大いに役立ちそうな内容だった。
学びメモ
前提:慶應義塾高校野球部が取り組んでいること
ベンチで「ありがとう!」「いいね!」の言葉が飛び交っている
相手チームの好プレーを拍手でたたえる
日本一という目標を立て、ワクワクしながら実行する
「ドンマイ」という打消し言葉は使わず、「これから!」「切り替えていこう」などの断定的なポジティブ言葉を使う
雰囲気が良いチームの特徴
個々のメンバーが自分の役割・立場を自覚し主体的に行動している
メンバー同士が尊重しあい、思いやりや感謝の気持ちを持っている
「ありがとう」「いいね」などのポジティブな言葉が飛び交っている
メンバーが良い表情をしている
大きな目標を掲げ、メンバー全員が「絶対に実現できる」と信じている
その目標に向けて、励ましあいながらコツコツと努力している
仲間がミスしても励まし勇気づける言葉をかけ、カバーしようとしている
メンタル安定の要諦
ピンチの時に明るくいられる引き出しが多い
ワクワクする目標を立て、コツコツこなしてドーパミンを出し続けている
何かを達成した時に緩まず、自分を鼓舞し続けられる
「○○しなければ」にとらわれず、「○○したい!」を大事にできている
緊張しているときは、自分から意識を離す(離見の見)
リスクを想定して準備をしているから、ピンチでも毅然としていられる
明るさはどこから生まれるのか?
心の振り子は常にプラスとマイナスを行き来するものであり、パフォーマンスに影響する。そのうえで、大事な場面でそれをプラスの状態にするような行動をとれるようにすることが大事。
ではどうやってプラスにすればいいのか??カギを握るのは、「言葉」「動作(態度)」「表情」である。こじつけでも構わないので、これらを出力することが重要。以下が実施例
目標に向けて頑張るコツ
目標に対する「ワクワクの要素」を言語化する
自分だけでなく「人を喜ばせる」ことを動機に組み込む
「社会的な成功(なりたい自分)」よりも「人間的な成功(ありたい自分)」を明確にイメージする
すると、他者評価や出した結果に一喜一憂しなくなる
スモールステップの目標を作り、「達成」→「ドーパミンが出て意欲が増す」→「更にやる」→「気づけば習慣化」を目指す
今の英語・新聞・料理・メンタル投稿などもこれにあたる
「○○しなければ」ではなく「○○したい」
ある生徒は、ラグビーがうまいにもかかわらず「レギュラーをとらねば」「ライバルよりもうまくならなければ」と自分にプレッシャーをかけすぎてメンタルになってしまった
「○○しなければ~」は脳にプレッシャーをかけて「○○」から遠ざけてしまう悪い言葉
その生徒は、「ラグビーのボールって面白い形だな」から始まった「楽しい」「面白い」という感情を忘れてしまっていた
そこで、ライバルに勝つよりもはるかに高い目標を掲げてみた
すると、ライバルだった同級生が切磋琢磨しながら練習を乗り越えるパートナーに変わり、前向きに努力を重ね、レギュラーになることができた
明るいチーム=主体性
結局、これはVodkaがなりたい人物像にかなり近い。それぞれに必要な能力に関するVodkaの解釈は以下の通り
自分の役割や立ち位置を自覚 → メタ認知力・大局観
何をすべきかを自ら考え → ロジカルシンキング、好奇心、エネルギー
行動できる → まずやってみる精神、コミュ力、度胸
責任を取れる → 度胸、メンタル、責任感
3行まとめ
ネガティブな時にプラスの出力を出せる技術こそが「メンタルの強さ」である。逆境でこそ、ポジティブな「言葉」「動作・態度」「表情」を出力できるよう、引き出しを準備しておく
「どうなりたいか」よりも「どうありたいか」を意識するのがモチベーションを保つコツ。人と比べて「○○しなければ」と思うのが最悪。なりたい自分と、「○○の楽しさ、おもしろさ」を意識することで、自分との戦いに集中できる
主体性を持とう。自分が何をすべきかを考え、準備し、責任感を持って行動していれば、緊張もしにくいし、ピンチの時も「想定内だ」と割り切って前向きに活動し続けられる
感想とNext Step
自分にとっては、「どうなりたいか」よりも「どうありたいか」の方が重要だ → だから、自分が安定・安心・ワクワクしている状態を保つことに時間とお金を投資していこう
「みんなに頼られている」とか「苦しい場面でもニコニコしている」とか「不機嫌だったり怒ることが少ない」とか
どうありたいかを達成したら自然と「なりたい姿」もついてくるはず
ご機嫌を保つルーティンを続けていく
「好プレー(=自分にとってマイナスのプレー)に拍手をする」というのは普通にしていてはできない、でも素晴らしい習慣だと思った → 自分も絶対やっていこう
例えば野球を見ていて相手チームの好プレーに阻まれたらがっかりする人が大半。そこで拍手していたらすがすがしい
最初は手放しで喜べないけど、脳をだますと思って無理やりやって慣れていくようにする
そうできている自分を好きになる
「○○しなければ」「○○すべきだ」にめっちゃとらわれていた。それではいい仕事はできない → 困ったら「これが楽しいと思った理由」「これに興味を持ったきっかけ」を思い出すようにしよう。その上で、もっとでっかい目標を立てよう
例えば「出世しなくてもいいから、会社一頼りになる社員になろう」とか
いつも人との比較や勝ち負けに悩んでいる → そんなときは、「ああ、そんな自分もいるんだな」と思うようにしよう。そして、ハンドサイン、「よっしゃ」、笑顔などのプラスの出力をしてみよう
さらに「ありたい自分」を意識することで、人との比較には意味がないことに気付く(理想の自分って、相手を素直に褒められ、厳しい立場に置かれても明るくいられる自分だったはず!)
「なりたい自分」を意識するのは逆効果
「緊張するときに自分から意識を離す」はめっちゃいい学び。自分はいつも自分の迷宮に閉じこもって緊張を増幅させていた。
緊張する場面で「俺緊張してるなあ」と気づくところから始める
一点を凝視して細く息を吐いたり、青空を見たりして、意識を自分から切り離す
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