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脳内の見える化 Vol.26(気が進まない仕事との向き合い方)

イライラと無関心の正体

 4月からの新業務でシステム開発と保守を任されているのだが、エンジニアとのMTGに全然ついていけないので小さなイライラが溜まり、議論に対する関心も薄れたことがあった。特に議論なのに自分の意見を持てないことは結構きつく、詳しい上司がフロントに立ってくれることも相まって何も発言せずに会議が終わることもよくある。結果、他のメンバーからも「あいつはついていけているのか、大丈夫か」と言われている模様。お互いにとってなかなかヘルシーじゃない状況が続いていた。

 一方で、これを「自分のインプット不足だからもっとたくさん資料を読んで質問して早くキャッチアップしよう」で片付けるのは好きではない。こうした状況においてよくある反応に見えるけど、あまり良い解決策とは思えないし、それで問題が解決した人を見たことがないから。

 そこで、状況を言語化する→それを上司に伝えてお互いの期待値を合わせる→引き続き生じるモヤモヤに対する付き合い方を冷静に考えるの3段階で進めることにした。

状況の言語化

 何がどういう構造で生じているかを自分でしっかり理解することから始めた。「なんとなくモヤモヤする」では「自分が悪い、インプットを増やそう」などという現実性のない抽象的な解しか生まれず建設的ではない。

状況の構造

  • まずもってEFOは自分に勘所のない領域であり、前提知識も特段ない

  • エンジニアとPO側の人間は共通言語があるためとんとん拍子で議論が進み、自分だけが置いていかれている

  • わからないやり取りが一つ発生するとその先も当然わからないので、「今どこにいるのか」「何をしているのか」すらわからなくなる

  • わからないので、興味が薄れる。聞いていても右から左に抜けていく。結果、内職することも

  • 高頻度でMTGが行われるので、「またこれで数時間取られるのか・・・」と1日の何割かは憂鬱な気分で過ごすことになる

そこから生じる負の感情

  • 自分だけが置いていかれていることへの疎外感

  • 何も発言できない無力・無価値な自分に対する苛立ち、恥ずかしさ

  • 自分の無力を棚に上げて「なぜ自分に配慮しないんだ、俺はPOだ」とエンジニアや上司に対して感じる理不尽な怒り。そこから生じる開き直り・スネの心(幼児化)

  • 領空侵犯してくるエンジニアに対し、自分のペースを見出されることに対する怒り

    • 「なんでPOはこっちなのに勝手に進めるんだ?」という違和感が拭えない。おそらくPOがやらないから代わりにやっているのだが、こちらはなんのためにやってるかすらわからないので、やらないし、やる気も起きない

  • スケジュール感、進め方がわからないため、「いつまでに何をしておく必要があるか」もわからないことへの不安感、「なんのためにやっているの?」という虚無感

上司との期待値のすり合わせ

 上記で言語化した内容を上司にぶつけた。「要件定義の段階で何も意見もないし、やってくれる人がいるなら任せるでいいと思っている、自分が出る必要がない」という点も含め。すると、「そこはかなり気になっていたし、置いてけぼりになっていて申し訳ない」「5月上旬までは淡々と要件を定義する時間だから見ているだけでOK、それ以降のプロダクトデザインのところで力を発揮してほしい」とのFBがあった。この時間を設けたことでお互いの目線はすり合ったと感じたし、「POなのにこんなに主体性なくていいんだろうか・・」などと不安になったりイライラしなくても良いことが早めにクリアになったのはかなり良かった。

 また、話しているうちに、上司すらも「エンジニアがスケジュールをやや抽象的に引いているので今なんのために何をやっているかがわからないことがある」ということがわかり、自分のインプット不足だけでなく、プロジェクトの前提条件の共通認識そのものにも問題があったことがわかった。

引き続き生じるモヤモヤとの付き合い方

 上記のプロセスを踏まえたことで、自分にとってComfortableではない状況を受け入れる準備が整ったと感じる。特に以下のマインドセットを大事にしていきたい。

  • わからないことやそれによってプライドが傷つけられることがあっても、開き直ったりスネたりせず、「わかっていない」という現実を素直に受け入れる(「わからないからしょうがないじゃん」と開き直ったり、「まあわかってますけどね」と虚勢を張るのは異常にカッコ悪い)

  • 「システム開発」について詳しくなる貴重な実戦的機会だと認識し、わからない状況から一歩ずつ理解を深めていくプロセスそのものを楽しむ(「1年経ったらVodkaはプロパーで一番システム開発に詳しい社員になってると思うよ」という上司の言葉もありがたかった)

  • わからなかった概念や単語は質問していく。一方で「何がわからないかすらわからない」状況なので深刻になりすぎず、質問の漏れは許容する(「MTGが終わったら1日以内に二人で時間をとって疑問を解消していこう」と上司が提案してくれたのもありがたかった)

 いずれにせよ、仕事から感じるモヤモヤはこうして言語化し、「仕事からモヤモヤを感じてしまっているなんて失格だ」などとは思わずに早めに上司に相談し、お互いの期待値や認識のすり合わせをし、モヤモヤに対して建設的に向き合っていけるように能動的に対応していくに限る。このプロセスを主体的に回せることも、立派なビジネススキルだと思っている。

今日はここまで!

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