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疫学分野の公衆衛生大学院留学を志した理由

 はじめまして。私は感染症を専門とする小児科医なのですが、2023年夏からイギリスのImperial College London公衆衛生大学院のMSc Epidemiologyに留学する予定です。実際の留学準備においては色々とわからないことも多く、情報収集は主にネット上での過去の先輩たちの情報発信を頼りにしていました。コロナのパンデミックや、ウクライナ情勢、円安など、留学生を取り巻く状況は年々変化しており、自身が経験した最新の情報を記録に残しておくことが誰かの役に立てば良いなと思いnoteを始めました。

 私は小児科医として働く中で、成人と比較して小児の分野においては解明されていないエビデンスが数多くあることを知りました。とあるテーマに関して全国規模の臨床研究を行った時に疫学の考え方の基礎を学び、臨床研究に疫学者が与える貢献度の大きさと重要性を知りました。この経験を元に、世界中の子供たちを病気から守るためには、疫学を体系的に学習し適切な研究デザインを計画することのできる人材になり、小児医療における様々な臨床的疑問を解決して発信していくことが自分自身の使命だと考えるようになりました。

 疫学を修得することは自己学習や国内の公衆衛生大学院でも可能だと思います。私にとっては、国際社会と綿密な連携を取りながら学術的インパクトの大きい研究を継続的に行なう大学に所属し、研究に参画することが今後のキャリアのためにも重要であると考え、公衆衛生大学院への留学を志望するに至りました。かねてより留学がしたい、海外に住みたいという思いが強くあったことも大きい理由の一つです。

 進学予定のImperial College Londonは最新の大学ランキングで6位になるなど国際的には知名度の高い大学ではありますが、医師の公衆衛生留学の留学先としてあまり選択肢として聞くところではありません。私も留学先の候補をリストアップするときに初めて聞いた大学名だったのですが、本学は英国だけでなく世界における疫学分野、特に感染症疫学のフロントランナーであり、自身の興味との親和性が最も高いと判断し志望に至りました。コロナ禍におけるロンドンのロックダウンの根拠となるデータを発信した大学でもあり、(ロックダウンの是非は置いておいて)社会や政策を変える力のある研究を多数行っていることが魅力的でした。

 実際の留学準備におけるタイムライン、必要な費用と奨学金の話、英語の勉強など、自分の記憶が新しいうちに順次記録していきたいと思っています。実際の渡航後は日々の勉強の記録に加えて、ロンドンでの生活に関しても記録していきます。


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