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2022/03/17「冬の足音」

 すっかりとあったかくなってきた。
 家の前は太陽光があんまり当たらないので、雪が溶けきっていないのが少し残念ではある。すっかりと春めいてきた。別の言い方をするならば、春の足音が聞こえてきたとでもいうか。春がやって来たということは、冬が去っていくということだ。けれども、冬が帰っていく音を聞いたなんてことを言う人の話を聞いたことはない。もしかしたら、みんなが春がきたことで盛り上っていて、その雰囲気を壊すのを悪く思ってこっそりと帰るのかもしれない。なんか悲しくなってくるな。冬よ、帰る時は一声僕に声をかけてほしい。
 どっちかというと、僕も冬の気持ちはわかる。飲み会で、自分だけ少し早く上がる時に、近くの人にだけ軽く挨拶をしてすませてしまう。後日、帰るときに声かけてくれればよかったのに、なんて声をかけなかった人に言われることもあるが、僕には盛り上がっているところ割って声をかける気持ちの余裕などないしなぁ。
 話は変わる。昨日もホラー映画を見た。伊藤潤二原作の「富江」だ。どのようにして見る映画を決めているかというと、U-NEXTでとりあえず見たそうな映画をマイリストに入れて、改めて配信終了が近い順に整理してから見ている。そうすることで、ジャンルが固まりすぎることなく、フラットに見ることができるからだ。その時の気分とはズレたチョイスになってしまうのがあれだが、割と気に入っている手法だ。
 タイトルの富江というのは、ある女の名前だ。その女は恐ろしく綺麗で、男を惑わせる。最終的に富江は惑わせた男の一人に殺せれることになる。それは美貌を独り占めするためだったり、富江に恐怖したりだったりする。けれども、富江は血の一滴からでも復活を遂げ、幾つもにも分裂した富江は再び、多くの男とそれに関わる女の人生を誤らせていく。
 富江役を菅野美穂がやられていた。もちろん、とても綺麗なのだが、それが絶世の美女かというと難しい。小説だったら、絶世の美女と一言書き添えればそれで成り立つけれども、映画ではそうはいかない。実際に絶世の美女を連れてこなければならない。美女はわかるが、絶世の美女はフィクションだろう。もし、そんなものがいたとしてもきっとホラー映画には出演なされないだろう。傾国の美女や世界三大美女なんかは絶世の美女なのかもしれない、写真が残っていないのは残念でならない。

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