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ヒプノシスマイクにハマったらクオリティ・オブ・ライフが上がった話

存在は知っていた。アニメがやるなら観ようというくらいの気持ちだった。
それが、友人からうまいこと勧められたため、まんまとハマってしまった。

ヒプノシスマイクである。

自己紹介をしたい。映画が好きだ。洋画が好きだ。字幕派なので声優のことはまったくわからない。おじいちゃん俳優と、ニコラス・ケイジが好きだ。映画モチーフのハンドメイドアクセサリーを作っている。好きな音楽のジャンルはオルタナティヴ・ロックで、90年代の呪縛から逃れられずスマッシング・パンプキンズを永遠に愛している。が、ふだん音楽を聴く習慣はない。二次元にハマりたいという気持ちはずっとあったが、これ! というものがなかった。とくに男性キャラクターは、メガネ・黒髪(もしくは青系)・大人・オラオラではない、というキャラクターをずっと探していた。見つからなかった。いろいろオススメしてもらったが、ハマることはなかった。

2020年3月終わり頃。友人から勧められた、たった1本のYouTube動画。
これを観た瞬間に「全部の曲を聴かなければならない」と思った。

衝撃だった。


この頃の私は、コロナ騒動にやられていた。心がすっかり参っていたのだ。Twitterもテレビも親も友達も会社の人も、コロナの話しかしない。そんな状況に疲れすぎて、もともと強くはないメンタルがボロボロだった。2月末から3月半ばにかけて、まったく会社に行けなくなってしまっていた。Twitterの投稿も荒れに荒れた。ずいぶんと人に心配をかけた。なんとか「人と会おう」と思えるようになって、会ったのが、前述の友人である。

「公式サイトにある動画、順番に見ていけばいいから」と彼は言った。
「この動画は全員のキャラクターを紹介してくれるやつですよ」とも。

最初は公式YouTube動画を漁って曲を聴いていた。その後、Spotifyを導入した。まずは無料会員のまま、たまに挟まれる広告も、シャッフルされることもあまり気にせず聴いていた……のだが。
音質が悪い。あたりまえだ。ノートパソコンで聴いていたからだ。というわけで、しまい込んでいたコードレスイヤホンを使うようになった。そこからはあっという間だった。Spotifyプレミアム会員になった。繰り返すが私には音楽を日常的に聴く習慣はない。つまりSpotifyはヒプノシスマイクのためだけに会員費を払うことになるわけだ。かまうもんか。もっと聴きたいんだ。ドラマパートもちゃんと順番に聴きたかったんだ。

不眠症でもあった私はつねに睡眠導入剤を服用して眠っていた。それが、ヒプノシスマイクの曲を聴きながら寝るという技を身に着け、睡眠導入剤を徐々に絶つことができるようになった。問題は、コードレスイヤホンが耳から落ちることだ。というわけで、次に買ったのはスピーカーだ。別の友人から「Amazon Echoでいいんじゃない? 安すぎないし」と言われたことにより、家電にうとい私は「友人がそう言うならば」とホイホイ注文した。ちょろいもんである。そして自動的にアレクサ導入というわけだ。

自己紹介にも書いたが、私は映画モチーフのアクセサリーを作って販売している。オタク気質がむくむくと頭をもたげ、「ヒプノシスマイクの……モチーフアクセサリーを……作ろうじゃないか?」と思い至るまでに時間はかからなかった。もともとBASEにショップを持っていたが、さすがに映画モチーフアクセサリーとヒプノシスマイクモチーフアクセサリーを混ぜるわけにはいかない。ということでBOOTH導入である。つまりpixivも見ることになる。えっちなものは苦手なので、えっちじゃない二次創作を教えてもらって読み始めた。世の中には色んな解釈があるのだなと思った。人の想像力とは素晴らしいものだと感じた。

話を戻す。ハンドメイドアクセサリーは6年ほどやっており、ずっと定形外郵便で発送していた。日本郵便は優秀なので事故もなかったのだ。しかし、BOOTHを使いはじめてすぐ、1件、郵便事故が起きてしまった。この事故をきっかけにクリックポストの導入を決める。クリックポストを使うには、プリンタがなくてはならない。秒で買った。プリンタは便利だ。今まで全部手書きで書いていた宛名がかんたんに印刷できる。そしてクリックポストも便利だった。これで何かあっても問い合わせることができる。安心感が増した。お客様にとってもよいだろうと思う。

アクセサリー制作についても考え方が変わった。今までの映画モチーフアクセサリーは、テーマを決めつつも独自解釈で作っていたが、キャラクターモチーフとなるとある程度はイメージカラーなどが決まっていたりして「縛り」がある。その縛りの中でどれくらい自分の個性を出せるか意識し始め、発想力が増した。自分のちからを試す気持ちも出てきた。それがまあ、とにかく、楽しい。私はものを作るのが好きなのだ! コロナで疲弊しすぎて、そのことも忘れていた。ヒプノシスマイクが思い出させてくれた。

2020年5月時点でのキャラクター全員分のイヤーアクセサリーを作ったので写真を貼る。長くなるが見てほしい(写真の下にも文章は続く)。

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この他にも、ブレスレットやネックレスなどを作った。作りに作った。とても楽しい。誰かが気に入ってくれて、お買い上げくださることも、とても嬉しい。BOOTHのBOOST↑機能(商品の代金に好きな金額を上乗せして購入することができる機能)には心底驚いた。そんなことをしてくださる人がいらっしゃるなんて思いもよらなかった。本当に感動した。

何よりも素晴らしかったのは、コロナ禍で落ちこみがちだった心をヒプノシスマイクが癒やしてくれたことだ。テレワークが始まり、家で一日中音楽をかけていてもよい環境になったことも大きい。仕事もはかどった、ストレスがたまらなくなっていた。いい声といい曲を聴いていたらストレスなんてたまるわけがない。すばらしい。楽しいZOOM飲み会が終わった直後、つよい寂寥感に襲われても、Twitterで粘着嫌がらせされてムッとしても、ヒプノシスマイクの曲を聴けば元気を取り戻せるようになった(何ヶ月も捨て垢から嫌がらせされているのだ)。でも今はもう、全然気にならないぞ。

2.5次元舞台にも興味を持ち始めた。2.5次元というものはすごい、ということだけは知っていたが、なにせハードルが高かった。友人からBlu-rayを借り、観た。生きている。キャラクターが生きて動いている! これはすごい! 2.5次元をなめていたわけではないが、完全に「実写」だと思った。特に銃兎はすごかった。本物だった。
そして、舞台はライヴよりチケットが取りやすいとも教えてもらった。この頃、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2の公演が中止になっていた。次があったら必ず観に行こうと誓った。

ヒプノシスマイクを勧めてくれた友人とはものすごく仲良くなった。そして私も音楽好きの友人に勧めた。ヒプノシスマイクを通じて、人とのつながりを持てるようになった。会社の、元大手レコード会社の人に「実はヒプノシスマイクにハマりまして」と話したところ「いいじゃないですか! 一通り聴きましたけど、声優さんらしく聴きやすくていいですよね」と言ってもらえた。否定されなかったことが、なぜだかとても嬉しかった。

キャラクターはみんな素敵でそれぞれの魅力があり「誰を推すのか決められない」「ナゴヤは曲がいい」「乱数ぁああ?!!??」「左馬刻様のラジオ最高すぎんか」「独歩をホワイト企業に転職させたい」「蘆笙先生が好みすぎる」「ナゴヤは曲が本当にいい」「簓の声優さんはクリスチャン・ベイルと同じタイプ(役に身体を合わせる)なのだな」「三郎の声いいなあ」「……おにぎり?」「十四なんだこれかわいい」「ナゴヤは曲がいい、何言っているのか全然わからないけど。岡村靖幸と同じだと思う」「チグリジアの花言葉……そういうことか……泣ける……」「左馬刻様ハーコーすぎ優勝」「桐生ちゃん(龍が如く)の声優さんが歌っているの、新鮮だ」などと言いつつ、推しを決められずに悩むのも楽しい時間だった。誇張無く、一日じゅう曲を聴いていた。飽きることなどなかった。

推しが決まらない問題は、私にしては長く続いた。そもそも推しは「決める」ものではなく、否応なしに「落ちてしまう」ものだと思っていたこともある。それにしたって、みんな素敵なんだもの。
メガネキャラ好きな私がぽつりと「独歩がメガネかけていたら一発で落ちてたと思うんだけど」と言ったら、友人はこたえた。

「メガネ独歩ありますよ。眼鏡市場とコラボしますんで」

私は視力がそれなりに良いためメガネは不要だったが、そういえば最近〜、ちょ〜っとだけ〜遠くのものが見えづらくなってきたよな〜? と言い訳しながら、眼鏡市場のコラボ商品を注文することにした。最初、数量限定販売だったので諦めかけていたが、完全受注生産販売になったのが嬉しい。
きっとメガネはよいものだろう。世界が美しく見えるだろう。世界はもともと美しかったのかもしれない。見えていなかっただけなのかも。

そもそもだが、ヒップホップとラップがどう違うのかすら知らなかったのを、きちんと知ることにもなった。難しい漢字も読めるようになった。そして、実は苦手だった「声優さんの声を聞き分ける」ができるようになった。
ヒプノシスマイクはすごい。私を高めてくれる。能力を伸ばしてくれる。私は本当はもっとできるっていうことを教えてくれる。

そして、こうしてnoteを書いている。私はテーマの違うブログを3つ持っており、長文を書きたかったらブログでいいと思っていたが、ヒプノシスマイクは3つのうちどれとも色が合わないため、noteに書こうと思い立ったのだ。というわけで、noteの書き方も覚えた。これは便利なものですね。

私がずっと持っていた「二次元にハマりたい」という願いは、叶った。

そう、願いって、叶うんだよ。今回は友人のおかげだった。本当に感謝している。そして、ありがとうヒプノシスマイク、アニメ楽しみです。

※本当は7月のアニメ開始にあわせて公開するつもりだった記事だが、今(2020年5月20日20時)、アニメが延期になったとわかったため、中途半端な時期だがアップする。

最後に。推しは結局、碧棺左馬刻様になりました。メガネでも黒髪でもないしオラオラだけど好きになっちゃったんだもの。

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