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歌と想い -5月末日に想うこと-

その頃私には、一足遅れたブームが来ていた。

ドラマ『イノセンス 免罪弁護士』の主題歌として書き下ろされ 2019年2月にリリースされた「白日/King Gnu」。
King Gnuとの出会いは2017年12月12日 渋谷WWWで行われた「RubyTuesday27」という企画Live。
目的はKing Gnuではなかった。
対バンのI Don't Like Mondays. そしてFIVE NEW OLD
元々このバンドのファンだった私(達)は
迷うことなくチケットを手にしていた。

インパクトがあり、なかなか辛辣なバンド。
なんかかっこいいじゃん。その位の印象。
そこからその頃まで主題歌・タイアップ抜擢でブレイクしつつあったKing Gnuを聴くことはなく過ごしていた。

しかし、その頃 テレビ露出が増えて CMからもKing Gnuの歌が聴こえて
あ、あのLiveで観たKing Gnuか。
ちょっとアルバム聴いてみようか…と。

こりゃ売れるわ。 とか 常田さんかっこいい。とかいろいろ思いながら
今更ながらハマったよwとその日も話題のひとつになっていた。

偶然 その日の深夜にまたテレビでKing Gnuのライブ映像の放送があって
ほらほら、かっこいい!ね!なんて話しながら眠りについていた。
それがなんの因縁か、あの日から毎日「白日」ばかり聴く日々が来るとは思わずに。


大好きなバンドの元気な歌が聴きたくない。
声を聴くのが怖い。
希望の歌は重たかった。

歌詞が全て自分の想いを歌っているようだった。
思い悩むともまた違う未曾有の感情ばかりと過ごしていた。
今も欠片は残っている。一生消えない。

季節を超えてまた出逢えたら
君の名前を呼んでもいいかな
その頃にはきっと
春風が吹くだろう

その歌詞を実現したくてただ生きていた。
泣いたし、怖かったし、それを望んだのは自分自身だったけど迷ったし苦しかった。
今も あの時、何て言ったら良いかはわからないけれど何かの言葉をかけることを
何故 真っ先に出来なかったのか、ということだけはとても後悔している。


そんな日々はこの曲を聴いていれば言葉に出来なかった感情をいくつも吐き出させてくれたし、1人ではないと思える共感を見つけられていた。
決して伝えられない想いを 自分の中で整えることが出来た。
助かった。

今は より良く生きている訳ではないけれど、
この想いを書けることは幸せだ、とても。

そう思わせてくれたのも歌の力だった。


2020年春。
この歌をきっかけに また前を向くことが出来た。
笑うことが出来た。
事実も過ごしてきた日々ももう決して変わらないけれど、これが私にとっての白日のアンサーソングのようなものだった。
ただの共感では片付かない なんで全部知ってるの?って思うほどの言葉が連なり
また泣いた。
でも白日を聴いていた日々とは違う涙。

だから僕は今 ただ歌うよ
震える寒さを握りしめ
外に出てみれば
なんだすっかり春じゃないかって
あなたと笑い合うため

震えていたのは寒さだけではなかったでしょう…?

とても強い。
でも本当はそうじゃないから、
表では強く居たくなるし。
とても好き。
でも本当はもどかしいことしかないから、
表では何も考えずに好きだけ言ってたいし。

とどのつまり、歌=想いだから
強さとか好きとか苦しいとか怖いとか
一度刺さっちゃうとそう簡単には抜けないもんなんだ。
自分の想いと一緒になって、自分の一部になっちゃうから。

今は より良く生きている訳ではないけれど、
この想いを書けることはやっぱり幸せだ、とても。
1人ではこうは行かなかった。
あなたにもあなたにも、ありがとう。
いつまででも歌って。また笑い合おう。何度でも。

2020.05.31

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