お母さん
鼻毛を抜く勢いでコンタクトを外す。
メイク道具のなかに筆ペンが紛れている。
火を起こせるんじゃないかと思うくらいの摩擦と勢いで、化粧水を塗る。たぶん、塗らない方が肌に優しい。
観葉植物に水をあげるとき、半分以上は鉢の外にこぼしている。しかも、気づいていない。
アイシャドウもバターも、掘って使う。母が使ったあとのアイシャドウとバターは、表面がボコボコすぎて驚く。
こんな具合に、母はいつも想像の圏外をゆく人だ。
そして、いつもそんな出来事にさらりと学びを乗せて、だいじなことに気づかせてくれる。もちろん、本人にそんな意図は全くない。
たとえば先日、何気なく話していたとき、「今月に入ってから時間が過ぎるのが早く感じる。」という話題になった。わたしも、同じことを感じながら過ごしていたので、「わかるわかる、もう14日!?って思う。」と、言った。
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