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一生とはなんぞや

「一生大事にします。」 と、彼は言った。 プレゼントしてもらった帽子が ずっと欲しくて 買おうか悩んでたやつだったらしい。 その彼は 余命数ヶ月と宣告されたばかりだった。 だけど 死がすぐ近くまで来ていることを 悲観するどころか そんな素振りすら感じさせない いつも通りの振る舞いだった。 キャンプグッズが 毎日のように Amazonから届くこととか 毎年 春に釣ったイカが 家の冷凍庫の半分以上を 占めることとかを話してて キャンプ飯へのこだわりは抜かりなく

    • 芸西村の旅 備忘録

      芸西村の自然に触れ、時間を忘れて過ごす 高知へ飛ぶ前の10日間ほど、体調を崩していた。 なかなか良くならず、行く直前まで悩んでたほどだ。 完全復活してないくらいの状況だったけれど、自然の中で自然のものを食べ、仕事にも時間にも追われずに過ごしていたら、すっかり元気になっていた。 何にも支配されないと、身体が軽くなることを知る。それはそれはとても心地よい感覚。息をしているだけで気持ちよかった。 梅採りやびわ採りや畑作業をして、野菜や果実の本来の姿を知った。 つられて、普段、

      • お母さん

        鼻毛を抜く勢いでコンタクトを外す。 メイク道具のなかに筆ペンが紛れている。 火を起こせるんじゃないかと思うくらいの摩擦と勢いで、化粧水を塗る。たぶん、塗らない方が肌に優しい。 観葉植物に水をあげるとき、半分以上は鉢の外にこぼしている。しかも、気づいていない。 アイシャドウもバターも、掘って使う。母が使ったあとのアイシャドウとバターは、表面がボコボコすぎて驚く。 こんな具合に、母はいつも想像の圏外をゆく人だ。 そして、いつもそんな出来事にさらりと学びを乗せて、だいじ

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        • はな

          自分の部屋に引きこもることが 多くなったので 勉強机やベッドを心地の良い場所へ配置し 引き出しの中は必要なものだけを残し (いわゆる断捨離) めちゃくちゃすっきりさせた。 植物は枯らしてしまうので ここ最近ずっと避けていたけど 部屋にいる時間も多いし わたしのくすんだ心を 癒してくれるだろうという 歪んだ期待に身を任せ すぐにお花屋さんへ向かった。 黄色のマーガレットを1本と かすみ草を少々。 この黄色、わたしにはちょっと 眩しすぎるんじゃないかと躊躇ったけ

        一生とはなんぞや