マガジンのカバー画像

つれづれなるままに呟く

35
ひとりごちるは藍の夜
運営しているクリエイター

#詩

日々断片蝶々

東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。 あの頃の私を消さないように、あの頃…

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

生きるための遺書【書籍『トワイエ』を発売します】

「とはいえ、私たちは生きていかなければならない」 止まらない不景気。匿名の悪意。伝わらな…

SNSに疲れたくせに、つぶやきじみたものを書き残したい夜だ

自分のことを安心して話していいのだと、思える場所は多くない。相手を気持ちよくするのが会話…

あなたを迎えにいく日まで

年末、というのはどうしてこんなにも、 人生を直視せざるを得ないんだろう。 あの頃のわたし…

東京の夢を見た

東京の夢を見た。 上野駅の地下にあった喫茶店、渋谷センター街の隠れ家本屋、池袋の行かなかったプラネタリウム、太宰治のお墓がある三鷹、新橋駅近くのケーキ屋さん、一度だけ髪を切った表参道、何度もひとりで黄昏れた東京駅丸ノ内中央口、何度も空を仰いだ新宿駅。 私はひとりだった、ひとりで、どうしようもなくさみしくて、それを悟られてはいけないと思っていた。神保町の路地裏に並んでた本。夕暮れに沈む後楽園。吉祥寺の居酒屋、西荻のカラオケボックス。 私は23歳だった。23歳にしては絶望を