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大阪・華厳温泉さんの「天然温泉」

華厳温泉けごんおんせんさんは、ほんとの温泉。
しかも大阪市内で。
にわかに信じがたいが、おそれおおくも「天然温泉」なのです。
(1872文字)



華厳温泉けごんおんせんさん

てんねんおんせんけごんおんせん
なんども看板を読む。
暖簾のれんもないし「ゆ」の看板もなし。
白い、たてもの。どう見ても病院。
クリニックとか書いてあるかも。病院の居抜きにしか。
そんなはずは。けごんおんせん。

華厳温泉けごんおんせんさん
大阪市城東区鴫野東じょうとうくしぎのひがし2-19-5

最寄り駅は……
●JR学研都市線・東西線…鴫野駅しぎのえき…約3分
●Osaka Metro(大阪メトロ)・今里筋線いまざとすじせん鴫野駅しぎのえき…約3分

JRとメトロ、ふたつの駅は、ほぼ同じ位置です。

Osaka Metro(大阪メトロ)
鴫野駅しぎのえき
地下に自転車パーキングあり

むかしからの住宅地。いい雰囲気。記事の宝庫の予感がします。
  別の機会も、ご期待ください。

大坂冬の陣・激戦地



設備充実の温泉銭湯

わたしが半信半疑で立っていると、1台の自転車がすべりこむ。
シャア~、ガチャン!
慣れた手つきと腰つき。


ここは、ホンマの温泉やで
シャンプーも、なんもかも、あるねん
無料(ただ)のドライヤーもあるしな」
「タオルも1枚くらい貸してくれるわ」


全部、全文、ひとりでしゃべるマダム。
銭湯の日常風景。
さっさと入っていく後ろ姿。


なにも聞いてないのに。
書くことがなくなった。



細長い湯船・すわり風呂

ビックリしたが温泉の銭湯でよかった。
券売機にお金を払う。
手ぶらで「タオル・バスタオル付きで550円」


脱衣所は、ふつうの銭湯です。
ロッカーの鍵は、伸びるグルグルコイル型。これの名前が、いまだにわかりません。


浴室。プールのように、ほそながい湯船がひとつだけ。
深さは浅い。温泉なので座って、くつろぐタイプです。いかにも温泉。
深い湯船は、ありません。

常連マダムは三人。プール、いや湯船の奥の壁面で、ほんわか顔。
壁面は電気風呂らしい。
それで、みんなこちらを向いている。


マダムのうしろに「源泉」の二文字が。
まるで印籠のよう。


お湯が減ると加水とあります。
ここは「源泉電気風呂」
いちばんの上座。


三人のマダムに、こころのなかで、はは~っとひれ伏す。
横に水風呂が控えおろう。サウナはない。
銭湯なのに天然温泉。
ほそながい湯船は、お城の謁見の間。
新参者のわたしは、下座にちょこんと腰かけた。


露天風呂

浴室のほそながい湯船は、お湯が熱い。
露天風呂に移動します。
引戸をあける。そとの空気だ。


露天風呂は「源泉」100%!
岩風呂のような露天風呂。
こちらもマダムが、ゆるりと三人。
壁には印籠の「源泉」の文字。


空が見えて、ときどき飛行機の音がする。開放的な温泉。
露天風呂は、ぬるめの湯。
新参者は、端っこに。

「露天のお湯、きょうはキレイや」
「ゆうべ、お湯を抜いてあろたんやろ」


そうか、温泉だから。
浴室の床や湯船が茶色っぽいのは。
ふんふん聞く、わたし。


「ここは、休みナイねんわ」
「はじめて来たん?」
「三が日だけ休みやで」
……話がわたしに向いた。


「露天に20分浸かったらエエねんで」
「こっちが源泉やし」
……はい。わかりました。


ここは、一千万かけて温泉、掘ったんやて
温泉な、もうひとつあるねん
ブドウの湯も、行ったってや」「あっちは家族連れが多いんや
サウナあるしな
……ブドウの湯? 
「不動の湯」帰宅して確認した。

なにも聞いていないのに。
また書くことが、なくなった。



温泉ポカポカ

20分。ぬるい温泉につかった。
ほんっとにポカポカと、あったまった。

常連マダムの言うとおり。
ドライヤーも借りました。
フロントで湯上がりドリンクを、いただきます。

自動販売機。天然温泉が売りの華厳温泉さん。
湯上がりに凝ったものはない。
町の銭湯にはマッサージ機器やら、お菓子やら、いろいろあるけど。


余計なものは、要らない。
お湯につかっただけで満足です。
たった20分の露天風呂。天然温泉のしあがり。

女将さんに、撮影許可をもらいます。
壁には見慣れない賞状が。
これも撮ってよいか許可をいただいて。

水質検査証。
志宜野しぎの 華厳温泉かごんおんせん」とあります。
この地「鴫野しぎの」は、かつて「志宜野」の字をあてていたのかも。


写真を撮っていたら気がついた。
書くことが、なくなったことに。



毎週土曜日は
「銭湯」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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