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大阪のモータープール
「モータープール」ずっと言っていたし、思っていたのに。
わたしは、知りませんでした。
大阪の「モータープール」は公式ネームではなかったことに。
モータープール
主に関西に存在。動物ではありません。
モーター仕掛けの流れるプールでもありません。
モータープールとは「駐車場」のことなのです。
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大阪の大きな自動車置き場は、例外なく「モータープール」と言っています。
全国的には、駐車場・パーキングでしょうか。
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「ガレージ」とも言いますが、ガレージとはガラガラ音がするシャッターのついた個人宅の車置き場のニュアンスです。
なぜ、大阪では駐車場をモータープールと言うのでしょうか?
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戦後のコトバ
わたしの親は昭和の戦前生まれ。父は「モータープール」と言っていたし、横文字なので戦後の言葉だと思います。
当時の暮らしにも関係あるのではないでしょうか。
親世代は「戦争中、英語は使ったらアカンかった」と言っていました。
「野球のストライクは【真ん中】って言うてたで」
真ん中? ほんとかウソかよくわかりません。
(テキセイゴと、言うそうですね)
それならなんで、駐車場は「モータープール」なのか?
英語はダメだったのじゃ?
横文字は発音しにくいのに?
謎のモータープールでありました。
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軍隊由来
検索すると、これっという決定打もなく、Wikipediaもなし。
「関西弁」と書いてあるコラムもありました。
モータープールは関西弁、方言なのね……
戦後の進駐軍が駐車場を「モータープール」と呼んでいて、それが広まった、そうな。
きっと、そうなのだろう。
モーターは「車」
お金を一時的に貯めることを「プールする」と言うし。
なんとなく、イメージできます。
戦争も終わったし、外来語も解禁だ! そんなノリだったのかもしれません。
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車の概念
戦前、車は、お金持ちしか所有できなかったと思います。
戦後、庶民も自家用車を買うようになりました。
当然車を置く「駐車場」と言う言葉が、なかったのだと思います。
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戦後の食べ物がない時代。
まずは復興。自家用車どころではない。空襲で焼け野原。住む家すら困っていたのだ。
実家には、わたしの小さい頃の白黒写真が少し残っています。
わたしが生まれたのは、1964年(昭和39)です。
東京オリンピック・東海道新幹線開通……そんな年でした。
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当時の大阪のまち・家も写っていました。
まだマンションもなく、家はみな同じような外観でした。
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包丁をいれる前の巻き寿司のような、黒く細長いかたまり。
道の端から端まで長屋と呼ばれる家が並んでいました。
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住む家がこんな長屋で、自動車を買ったとしても、むかしの家の前には留めるスペースもありません。
郊外の大きな一軒家や農家なら自家用車を留める場所はいくらでもあったでしょうが。
共同でもいいので、自動車を留め置く広い場所が必要でした。
そしてその名前はどうするか?
と、いうことになりますね。
市民の足は電車・バス・市電。
それが停まるところは「駅」「停留所」「停車場」「車庫」など。
自家用車の置き場所を「停車場」「車庫」と呼ぶのは、紛らわしいし電車・バスと区別できない。
適切な言葉はないものか?
さぞかし困ったでしょうね。
英語のままで
むかし大阪駅が開業したとき、
「駅」のことを「すてんしょ」と言っていたそうな。
英語の「ステーション」を採用して呼びやすくしてたのですね。
「自分の車の置き場は、進駐軍が言ってた【モータープール】でエエやん」
「せや せや (そうだそうだ)」
前例に習い、再び英語の「モータープール」が採用されたのではないだろうか?
「駐車場」なんて「進駐軍」のチューの字や、好かんわ。なんて言っていたかもしれません。
ハイカラな横文字・外来語。垢抜けててカッコいい。
大阪のノリだと思います。
その後、車庫つき一戸建ての家もでき、私たちの生活にも車が普通になってきます。
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あら珍しい
「駐車場」の看板を発見!
しかもポツポツ空いた「虫食い」
……あら「虫食い」知らない?
「モータープール」よりも、ご存じのかたは多いでしょう、きっとね……
では、このへんで……
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「自由エッセイ」の日
いつも こころに うるおいを。水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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