見出し画像

銭湯の新時代

並大抵ではない家業の継承。
どの業種も後継者がなく廃業も後をたたない。
これからの時代の需要と供給。
一子相伝、ならぬ、異子相伝の銭湯も増えてきました。


千鳥ちどり温泉さん

巨大テーマパークや関西万博ばかりがクローズアップされがちな、わが町・大阪市此花区このはなく
メディアに、たびたび登場の元気な銭湯があります。
2022年の大トリ銭湯は、
大阪市此花区の千鳥温泉さんです。

千鳥温泉さん
大阪市此花区梅香2-12-20
火曜休み

●JR大阪環状線・西九条にしくじょう駅…徒歩約10分
●阪神なんば線・千鳥橋ちどりばしえき駅…徒歩約7分


減りゆく銭湯

わが町の銭湯、わたしが覚えているだけで四軒の廃業。
廃業後は、居抜きのデイサービス施設・マンション・コインパーキングに……
大阪市の湾岸区の下町。
夕日がキレイな此花区。
銭湯を解体するだけでも、一千万かかると聞きました。厳しい現実です。



実は、わたしは千鳥温泉さんに10年ぐらい前に行ったのです。
その時の様子。
浴室の隅に浅い湯船。頭上から蛇口がニョキ。
その蛇口からダハダバ…お湯が、一直線に落下。そう「打たせ湯」です。


その湯船のフチに老廃物が溜まっていたのです。
よどんだお湯が、へばりつく。
ヒャア~、銭湯で衝撃の体験。


小さい頃から、お風呂屋さんのお湯キレイで清潔だと思っていたわたし。
それから千鳥温さんには、足が遠のきました。


経営者が変わる

そんな千鳥温泉さん、廃業にともない継業する人がいると噂になりました。
まったくの他人。50歳代・サラリーマンを早期退職の男性。銭湯が好きで、銭湯の活動をされていたとか。
全くの異業種、ご家族もいるのに。
ちょっと気になりました。

銭湯の後継ぎが家族でもない、知らない人が……


裏屋号1) 自転車湯

千鳥温泉さんは愛称・別称があります。
「自転車湯」
サイクリング・ロードバイクの置き場がフロント内に。
大切な愛車は入浴できません。
が、銭湯の雰囲気を味わって、しばしの休憩を。

自転車関係のパンフレット類もたくさんあります。
湾岸を自転車で疾走しての入浴は、気持ちいいです。


近隣の常連さんは店の前に自転車を置きます。
最近は自転車置き場のある銭湯も増加傾向。
遠くからでも健康的に。斬新な自転車湯!


裏屋号 2) ブルース湯

ライブハウス・演劇の公演。
もちろん銭湯の営業時間外に。
経営者側は拘束時間も仕事も雑務も増えるので、なにもかもが大変でしょう。


家のお風呂掃除も、億劫なわたし。あの広い浴槽の掃除・メンテナンスだけでも気が遠くなる。
銭湯にはコインランドリーもありますし。

ライブは、いつも大盛況のようです。
銭湯だけあって音が響く。服は着てても裸の一体感。貴重な体験ですね。


オモチャ貸し出し

うちの孫もお世話になっています。
浴室で使えるオモチャやベビーチェアの貸し出し。

わたしがかつて、ヒャア~となった打たせ湯スペース。
滝修行のような打たせ湯は、なくなり、ぬるめの湯船(ぬる湯)になりました。小さなお子さまも、お湯に浸かってくれます。
大人も、心身ともにリラックスできます。


乳児や幼児を連れての銭湯は、荷物もかさばり大変。オモチャを借りて、近所の大きなお風呂で楽しく。
遊びがてらのプチレジャーが可能てす。
と、いっても子育て中は、なかなか銭湯には行けないですね。
お子さまが大きくなったら、是非とも、いちど銭湯へ。


身体を洗って湯船へ・走らない・タオルを湯船につけない・ビチョビチョのまま脱衣所に上がらない……
など、マナーや、まわりの人への思いやり向上を学ぶ機会として。


千鳥温泉さんは、お子さまに駄菓子プレゼントもあります。


鏡広告と若者と

次世代の新規開拓。銭湯の取り組みで多いのがグッズ販売。
T シャツ・銭湯の本や他業種とのコラボ。ドリンク・地ビール販売など。
これまでの銭湯は、主に販売でした。
これからの銭湯はマッチングの時代かも。


千鳥温泉さんは「鏡広告」という若者との新しい架け橋を拡大。
最寄り駅が千鳥橋駅ちどりばしえきですものね。(関係ないです)


これも、脱サラしての銭湯経営者ならではの発想力だと、わたしは思います。単にお湯を沸かしたら、お客さんが来る時代は終わっています。


新時代の需要と供給。
最近の銭湯の多くは、コーヒー焙煎・食堂・単発エステ・マッサージなど、スーパー銭湯並みの布陣です。
他の業種・業者さんも巻き込んでの助け合い営業。
銭湯の新時代。

千鳥温泉さんには、もちろん傘箱もあります。日傘や杖もOK。
じぶんの持ち物も、たいせつに。



関西の銭湯では珍しいペンキ絵。
浴室ではなく外壁に。斬新!

これからも目が離せません。


銭湯は新時代へ。



毎週土曜日は
「銭湯エッセイ」の日


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。


最後までお読みくださり
ありがとうございます。

この記事が参加している募集

多様性を考える

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?