大阪の甘党喫茶・菊水さん【閉店】
虫の知らせか定休日。甘党喫茶・菊水さん。通りすぎて気がつく。なんだか空気がちがうことに。いつもの天神橋筋商店街のはずなのに。
【閉店のおしらせ】
(1932文字)
甘党喫茶・菊水さん
もより駅は……
●Osaka Metro(大阪メトロ)・南森町駅
●JR東西線・大阪天満宮駅
…いずれも徒歩約5分
日本一長い商店街・天神橋筋商店街の甘党喫茶です。甘味だけではなく、洋風スイーツや軽食のランチもあります。
秋風とともに閉店
火曜日。用事をすませ、お昼の天神橋筋商店街をぶらぶら散歩。朝晩の冷えと昼間のさわやかさ。一直線のアーケードを歩くのは太陽をしょって。
今年は暑すぎた。ぜんざいの季節がこない気がして不安になった。やはり的中。甘党喫茶・菊水さんとお別れするときがきたのです。
むかしの画像がない
きしむ階段。10月1日の日付け。告知が遅れる、それが老舗の喫茶店。
ご夫婦が、なかよく営むお店なれど、たたむときはやってくる。
春に、桜色のクラッシュアイス入り「菊水ファンシー」を食べながら、ひゃっとしたのは……氷のせいではなかったのです。
2階のお店に入ると、ビジネスマンが5人。仕事のおはなし、会議のよう。
「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」
会議に巻きこまれぬよう離れたテーブルに案内された。
ログハウスのような古くて新しい空間。壁もテーブルもぜんざいのようにツヤツヤでしっとりしている。いま流行りの乾いた壁の店ではないのです。
じつは……いつでもこれると思って甘党喫茶・菊水さんの画像をたくさん、ほぼ消してしまっていた。そして、それを忘れ写真も撮らずにいた。
きょうの画像しかない。帰宅してから気づいたのです!
これを書きながら、大後悔。あしたも行こうかな、なんて……。
最後に過去記事も掲載いたします。ぜひ画像で甘党喫茶・菊水さんのようすを、ごらんくださいね。
さいごのぜんざい
自家製ぜんざい。それと前から食べたかった、いそべ餅。
ほんとはナポリタンとか食べたいのだけれど、最後はぜんざい。
「ご注文は、ぜんざいと、いそべもち、ふたつてすか?」
「はい、お願いします」
いそべ餅は、すこし甘い醤油がかかり、ふうわりと。
海苔の黒帯が57年の歴史を物語る。
天神さんのシンボル、梅のお湯のみ。お茶がふたつ。さいごの晩餐。お餅もふたつ。
マスター、ママさんのようです。やわらかくあまく。そして塩昆布。いい塩梅。
すこし食べて、あわてて撮影。
あべかわもちも、いけそうだが。
胃袋と、こころのすきまに空きがある。飽きない甘味。じぶんの身体を考え、とどまりました。
レジスター
さいごなので、うわさのレジスターを撮らせていただきました。
いつでも行けると思い、のばしのばしになっていました。
カーキ色のレジ。ずっしり鋼鉄。
長い間、ありがとうございます。
引退してもお元気でね。
……チンッ。
大きな口が答えた。
会計がバーコードになるなんて、わたしたちも思いもよらず。
57年前、甘党喫茶・菊水さんの創業当時は最新のレジだったことでしょう。
コーヒー色の月日はレジスタンス、レジだけに。
マッチとは?
マッチ箱。喫茶店のオリジナル・マッチを置いてるところも、すっかり減りました。
タバコに火をつけるのは、ライター。いまでは100円ライターですが、むかしはオイルライターしかなくて、一般的にはマッチを使っていました。
喫茶店によりデザインが違い、このちいさな火付け宣伝マンを集める人も多かったです。
マッチ箱とマッチ棒。ひさびさに見ました。いまの喫茶店のマッチは紙製の二つ折りが多いですね。
喫茶店でも禁煙のお店が増えたのでマッチをつくらないお店が当たりまえになりました。
いまや絶滅危惧種、いや絶滅器具種かもしれません。
「マッチをする(擦る)」ことも、火をつける動作も……。
おいしいまとめ
🫘甘党喫茶・菊水さんの登場記事🫘
甘党喫茶・菊水さんのマスターとママさん。
長い間、お疲れさまでした。
ありがとうございます。
自家製ぜんざい、ごちそうさまでした。
では、オホン。
甘党の端くれとして最後にひとこと。
ぜんざいは、わたしのごはんです。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。
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